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ユリノーム錠(ベンズブロマロン) に含まれている成分や効果、副作用などについて解説

監修薬剤師 小村 稜
2021年09月26日
ユリノーム錠は有効成分としてベンズブロマロンを含む医療用医薬品です。今回は、尿酸排泄薬として高尿酸血症を改善するために用いるユリノーム錠を服用するときに注意すべき点などを詳しく解説します。さらに、ユリノーム錠と同じ有効成分を含む市販薬の有無も併せて紹介します。

ユリノーム錠(ベンズブロマロン) とは

ユリノーム錠はベンズブロマロンを有効成分として含む尿酸排泄薬で、入手するには医師の処方せんが必要な医療用医薬品です。1978年に鳥居薬品株式会社が現在のユリノーム錠50mgに相当する医薬品の製造承認を受け、その後25mg錠の製造販売承認や販売名の変更を経て、2020年4月からはトーアエイヨー株式会社が製造販売を担っています。現在は、1錠あたりに含まれる有効成分の含量違いから、ユリノーム錠50mgとユリノーム錠25mg錠が販売されています。

ユリノーム錠(ベンズブロマロン) の成分について

ユリノーム錠に含まれている有効成分はベンズブロマロンで、高尿酸血症治療薬の中でも尿酸を排泄させる効果を持つ医薬品成分です。
通常、尿酸は腎臓で血液中から尿中へ分泌され、尿中から血液中へ再吸収されなかった分が排泄されます。ベンズブロマロンは尿酸の再吸収にかかわるタンパク質(尿酸トランスポーター:URAT1)を阻害することで尿酸の排泄を促しています。

ユリノーム錠(ベンズブロマロン)はどんな症状に効果がある?

ユリノーム錠は痛風または高尿酸血症を伴う高血圧症における高尿酸血症を改善する効果があります。
ユリノーム錠の特徴は血中の尿酸値を正常化する割合の高さです。ユリノーム錠は痛風および高血圧を伴う高尿酸血症といった2つの疾患に対して高尿酸血症を下げる効果が認められており、715件中631例(88.3%)で血清尿酸値を正常化したことが臨床で確認されています。

高尿酸血症とは?

ユリノーム錠の有効性が認められている高尿酸血症について紹介します。簡単に説明すると、食生活をはじめとする生活習慣や他の原因疾患など何らかの理由で血液中の尿酸濃度が高くなってしまっている状態を高尿酸血症と呼びます。血液中の尿酸濃度が「高い」と判断される基準は7.0mg/dLで、この数字は一般に尿酸が血液中へ溶けることができる最大濃度です。通常は基準値以上の尿酸は溶解できないためにどこかで析出してしまう、つまり痛風発作が起きてしまう可能性が高くなります。

高尿酸血症は病態の違いにより腎負荷型・尿酸排泄低下型・混合型の3種類に分類できます。尿酸排泄薬であるユリノーム錠は先ほどの分類のうち尿酸排泄低下型に対して用いることで効果的な治療を行うことができると考えられています。

ユリノーム錠(ベンズブロマロン)の用法・用量は?

ユリノーム錠は使用目的に応じて以下のように用法用量が異なります。

痛風における高尿酸血症の改善

・初期量:成人は通常1回ベンズブロマロンとして25mgまたは50mg(ユリノーム25mg錠:1または2錠、ユリノーム50mg錠:1/2または1錠)を1日1回服用します。

・維持量:成人は通常1回ベンズブロマロンとして50~150mgを1日1~3回(ユリノーム25mg錠:2錠を1日1~3回、ユリノーム50mg錠:1錠を1日1~3回)服用します。
高尿酸血症を伴う高血圧症における高尿酸血症の改善
成人は通常1回ベンズブロマロンとして50~150mgを1日1~3回(ユリノーム25mg錠:2錠を1日1~3回、ユリノーム50mg錠:1錠を1日1~3回)服用します。

ユリノーム錠(ベンズブロマロン) の副作用

ユリノーム錠を服用した後に起こる副作用として肝障害(劇症肝炎)・そう痒感・発赤・胃部不快感・浮腫などが報告されています。
ユリノーム錠服用時に特に懸念されている劇症肝炎などの重篤な肝障害は臨床使用の4,659件中で4例(0.09%)確認されています。肝障害への対応は後ほど詳しく紹介します。

ユリノーム錠(ベンズブロマロン) に関する注意点

ユリノーム錠を服用するときは以下の点に注意してください。

ユリノーム錠を服用できない場合(禁忌)

以下に該当する患者はユリノーム錠を服用できません。
・肝障害のある患者:肝障害を悪化させるおそれがあるため
・腎結石を伴う患者・高度の腎機能障害のある患者:症状を悪化させるもしくはユリノーム錠服用による効果が期待できないことがあるため
・妊婦又は妊娠している可能性のある婦人:動物実験で催奇形性が報告されているため
・ユリノーム錠に含まれている成分に対して過敏症の既往歴のある患者

基本的な注意事項

・肝障害がある場合はユリノーム錠を服用できないため、ユリノーム錠の服用を開始する前は肝機能検査を行って肝機能に異常がないことを確認する必要があります。
・ユリノーム錠は血中の尿酸濃度を強力に低下させるため、服用開始初期は血中尿酸値が著しく変動して痛風発作を招くおそれがあります。また、急性の痛風発作が起きている間はユリノーム錠の服用を開始できません。
・尿のpHが酸性に傾いてると尿酸が尿中で析出、つまり尿酸結石ができやすくなってしまいます。血中の尿酸値を下げるためにユリノーム錠を服用して尿酸を体外へ排泄しやすくしても、結石を作ってしまうとさらなる治療を要します。したがって、ユリノーム錠を服用するときは尿のpHに注意し、必要に応じて水分摂取や尿アルカリ化薬の服用などを行うことがあります。
・授乳中の方は安全性が確立していないため、ユリノーム錠の服用は避けることが望ましいですが、医師と相談の上で服用する場合には授乳を控えるなどの対応が必要な場合もあります。

定期的に肝機能をチェック

肝障害のある患者はユリノーム錠を服用できないことから、ユリノーム錠の服用が肝機能に悪影響を与える可能性があると推察できます。実際にユリノーム錠の服用を開始してから6ヶ月以内に肝臓の機能が急激に落ちる劇症肝炎を起こして重篤化、残念ながら亡くなってしまった方もいます。

以上のことから、ユリノーム錠の服用開始から少なくとも6ヶ月間は定期的に肝機能検査を実施し、その後も必要に応じて肝機能検査をするよう求められています。
ユリノーム錠を服用開始した後、黄疸・食欲不振・悪心・倦怠感・腹痛・発熱などがあらわれた場合は肝機能に異常が起きている可能性があるため、直ちに病院を受診してください。

併用に注意すべき医薬品成分

以下の医薬品成分を服用している場合は医師または薬剤師へ事前に相談してください。
<ワルファリン>
・臨床症状:併用によりワルファリンの作用を増強する可能性あり
・機序:ベンズブロマロンがワルファリンを代謝する酵素の働きを阻害するため
・措置方法:プロトロンビン時間の測定などの観察を十分に実施
<ピラジナミド>
・臨床症状:併用によりベンズブロマロンの効果が減弱する可能性あり
・機序:ピラジナミドが腎臓からの尿酸分泌を抑制するため
<アスピリン>
・臨床症状:併用によりベンズブロマロンの効果が減弱する可能性あり
・機序:アスピリン(アセチルサリチル酸)が体内で変換されてできるサリチル酸が尿酸の排泄を抑制するため

ユリノーム錠(ベンズブロマロン) と同じ成分の市販薬はある?

ユリノーム錠と同様に有効成分としてベンズブロマロンを含む市販薬は販売されていません。ベンズブロマロンの作用が強力であることや重篤な肝機能障害を引き起こす可能性があることなどから、医師の判断によらず自己判断で服用できる市販薬としてベンズブロマロンを含む医薬品を販売することは非常に危険だと考えられます。

「健康診断で尿酸値が基準値より高くなってしまった」といった悩みを持っている方は多いと思います。尿酸を豊富に含む食材の摂取を控えることや調理方法を工夫して尿酸の摂取量を抑えるなど、まずはこれ以上尿酸値が高くならないように生活習慣を見直すところから始めてみてはいかがでしょうか。

今回はベンズブロマロンを有効成分として含むユリノーム錠について詳しく解説しました。ユリノーム錠は尿酸を排泄する効果が期待できる一方、劇症肝炎などの重篤な肝障害を引き起こす可能性があります。医師に指示された用法用量を守って服用し、定期的に肝機能検査を実施していても全身に倦怠感を感じるなどの異変を感じたときはすぐに医師へ相談してください。
参考資料
ユリノーム錠50mg/ユリノーム錠25mg
高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版|日本痛風・尿酸核酸学会ガイドライン改訂委員会
久留一郎|高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版|日内会誌109:1570-1577(2020)
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監修薬剤師 小村 稜
医療編集プロダクションMEDW代表
Webディレクター / 薬剤師

今後の医療に変化をもたらすために、デジタルチーム医療を発足。
「メディアから医療を支える」をミッションに活動している
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