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ダラシンTゲル(クリンダマイシンリン酸エステル)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説

監修薬剤師 小村 稜
2021年10月23日
2021年10月23日
ダラシンTゲル(クリンダマイシンリン酸エステル)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説のイメージ
病院やクリニックなどの医療機関でのみ取り扱うことのできるダラシンTゲル(クリンダマイシンリン酸エステル)という薬をご存じでしょうか。主にニキビなどに使用される塗り薬です。今回はダラシンTゲル(クリンダマイシンリン酸エステル)について成分の特徴や効果、副作用について詳しく解説します。
医療用医薬品であるダラシンTゲル(クリンダマイシンリン酸エステル)だけでなく、ニキビに対して使用できる市販薬についても解説しているのでぜひ最後までご覧ください。

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ダラシンTゲル(クリンダマイシンリン酸エステル)とは

ダラシンTゲル(クリンダマイシンリン酸エステル)「正式名称:ダラシンTゲル1%」は日本では2002年に現在の佐藤製薬株式会社から販売が開始された医療用医薬品です。この薬は「外用抗生物質製剤」に分類され、主にニキビに対して使用されます。病院やクリニックなどの医療機関から発行された処方箋をもとに薬局で受け取ることができる医療用医薬品です。

剤形について

ダラシンTゲル(クリンダマイシンリン酸エステル)にはゲル以外にもローションという剤形があります。どちらの薬もニキビに対して使用できるものの、薬の性状や塗った際の質感が異なります。それぞれの違いについては次の通りです。

ゲル:本剤は無色澄明で、粘性のある半固形状の製剤である。(添付文書より抜粋)
説明の通り、液体と固体の間の様な性状をしています。イメージとしてはゼリー状の塗り薬を想像してください。軟膏と比較して伸びがよくべたつかないという特徴があります。

ローション:本剤は無色澄明の液で、特異なにおいを有する。(添付文書より抜粋)
説明の通り、液体の中に有効成分が溶けているタイプの塗り薬です。エタノールに有効成分が溶けているため、アルコール特有のにおいがします。特徴としては液体なので伸びが良く、速乾性に優れています。

ダラシンTゲル(クリンダマイシンリン酸エステル)の成分について

ダラシンTゲルの有効成分はクリンダマイシンリン酸エステルです。クリンダマイシンリン酸エステルは体内で分解されクリンダマイシンという物質になり、抗菌作用を示します。クリンダマイシンは特定の菌に対して抗菌力を示し、ニキビの原因として考えられているアクネ菌(および表皮ブドウ球菌)に対して抗菌作用を示します。

ダラシンTゲル(クリンダマイシンリン酸エステル)はどんな症状に効果がある?

ダラシンTゲル(クリンダマイシンリン酸エステル)は次のような疾患に効果があります。

ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)

ざ瘡(ざそう)には非炎症性ざ瘡と炎症性ざ瘡があり、毛穴に皮脂が詰まっただけの状態を非炎症性ざ瘡と呼びます。一方炎症性ざ瘡とは毛穴に詰まった皮脂が分解され皮膚を刺激することで炎症を引き起こした状態を指します。この炎症を起こしたざ瘡のことをいわゆるにニキビと呼びます。

ざ瘡は次に示す4つの因子が複雑に絡み合うことによって起こると考えられています。
・皮脂の異常産生
・皮脂および表皮による毛穴の閉塞
・Propionibacterium acnes (いわゆるアクネ菌) の定着
・複数の炎症関連物質の放出

特に思春期には皮脂および表皮細胞の産生が刺激され、ざ瘡が現れやすくなります。その他には妊娠又は月経周期に伴うホルモン分泌の変化、毛穴を閉塞してしまう化粧品などの使用、高い湿度および発汗などが原因として挙げられます。

ダラシンTゲル(クリンダマイシンリン酸エステル)は先に挙げた4つの因子のうちのひとつである Propionibacterium acnes (アクネ菌)に対して抗菌作用を示すことでニキビに対して効果を発揮します。

ダラシンTゲル(クリンダマイシンリン酸エステル)の用法・用量は?

ダラシンTゲル(クリンダマイシンリン酸エステル)の用法・容量は次の通りです。

適量を1日2回、洗顔後、患部に塗布する。

ダラシンTゲル(クリンダマイシンリン酸エステル)を塗る際に注意することとして次のようなことが挙げられます。

・塗布する面積を必要最小限に留めること。ニキビの周りにだけ塗布してください。
・4週間使用しても効果が認められない場合には使用を中止し医師に相談してください。また、ニキビが消失した場合には継続して使用しないでください。

ダラシンTゲル(クリンダマイシンリン酸エステル)の副作用

ダラシンTゲル(クリンダマイシンリン酸エステル)を使用中に次の副作用が現れることがあるので注意してください。

重大な副作用

偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎:偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎が報告されています。腹痛、頻回の下痢が現れた場合にはすぐに使用を中止し、医師または看護師、薬剤師に相談してください。*海外での報告です

その他の副作用

ダラシンTゲル1%
皮膚:つっぱり感、パリパリ感、毛嚢炎、脂性肌
過敏症:そう痒(かゆみ)、発赤、じんましん、刺激感、ヒリヒリ感、接触性皮膚炎
肝臓:肝検査値(AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、総ビリルビン)の上昇
その他:白血球増加、血小板増加、総コレステロール低下、尿蛋白、尿糖、消化器障害

ダラシンTローション1%
過敏症:刺激感、紅斑
肝臓:肝検査値(総ビリルビン)の上昇

これらの副作用には様々な原因が考えられますが、有効成分自体の刺激性に加え、薬に配合されている添加剤によって引き起こされることもあります。
これらの副作用が現れた場合には、医師や看護師、薬剤師に相談してください。

どの副作用も発現頻度が高いというわけではありませんが、自身が飲む薬のリスクについて知っておくことはとても大切です。

ダラシンTゲル(クリンダマイシンリン酸エステル)に関する注意点

次に該当する方は特に注意が必要です。

・抗生物質に関連した下痢又は大腸炎の既往歴のある方
先ほど説明した偽膜性腸炎等の重篤な大腸炎が現れる恐れがあります。
・アトピー性体質の患者
重症の即時型アレルギー反応が現れる恐れがあります。
妊婦への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある方は使用しないことが望ましいです。
[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

授乳婦への投与
授乳中の方は使用しないことが望ましいが、やむを得ず使用する場合には授乳を避けること。
[皮膚外用に用いたときの母乳中への移行は不明である。]
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない
(低出生体重児、新生児、乳児、幼児に対する使用経験がない。小児に対する使用経験が少ない)。

ダラシンTゲル(クリンダマイシンリン酸エステル)と同じ成分の市販薬はある?

残念ながら、ダラシンTゲル(クリンダマイシンリン酸エステル)と同様の有効成分を含んだ市販薬は日本では販売されていません。しかしながら、ニキビの治療に効果が期待できる市販薬はいくつか存在しています。

その1つが「イハダ アクネキュアクリーム」です。
「イハダ アクネキュアクリーム」は資生堂薬品株式会社から発売されている第2類医薬品です。第2類医薬品に分類されているため、医師の処方箋が無くても、ドラッグストアや薬局等で購入することができます。
成分
イブプロフェンピコノール:抗炎症成分です。ニキビの炎症を鎮める働きがあります。
イソプロピルメチルフェノール:殺菌成分です。ニキビの原因の1つとして考えられているアクネ菌を殺菌する働きがあります。

効果・効能
ニキビ、吹き出物

用法・用量
1日数回、石けんで洗顔後、適量を患部に塗布してください。

注意事項
・ニキビのある部位にのみ使用し、周囲の広い部分には使用しないでください。
・目に入らないよう注意してください。
・外用にのみ使用してください。

この記事では「イハダ アクネキュアクリーム」について簡単に説明しましたが、この薬の他にもニキビに使用できる市販薬はあります。ぜひ一度ご自身で調べてみてください。

まとめ

今回は炎症を伴うざ瘡(ニキビ)の改善に使用される医療用医薬品ダラシンTゲル(クリンダマイシンリン酸エステル)について成分や効能について詳しく解説しました。

ダラシンTゲル(クリンダマイシンリン酸エステル)はニキビの原因の1つとして考えられているアクネ菌の増殖を抑えニキビの治療に効果を発揮する薬です。

ニキビは痛みを伴うだけでなく、見た目にも影響を与えることから、我慢せず適切な治療を行うことも選択肢の一つになるのではないでしょうか。

本記事が薬の適正な使用に貢献できれば幸いです。
参考資料

ダラシンTゲル1%/ダラシンTローション1% 添付文書
https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2634713M1020_3_10/

MSD マニュアル プロフェッショナル版 / 14. 皮膚疾患 / ざ瘡および関連疾患 / 尋常性ざ瘡
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%AB/14-%E7%9A%AE%E8%86%9A%E7%96%BE%E6%82%A3/%E3%81%96%E7%98%A1%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%B3%E9%96%A2%E9%80%A3%E7%96%BE%E6%82%A3/%E5%B0%8B%E5%B8%B8%E6%80%A7%E3%81%96%E7%98%A1

イハダ アクネキュアクリーム 説明文書
https://medical.shiseido.co.jp/ihada/pdf/doc_acnecure.pdf
ダラシンTゲル(クリンダマイシンリン酸エステル)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説のイメージ
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監修薬剤師 小村 稜
医療編集プロダクションMEDW代表
Webディレクター / 薬剤師

今後の医療に変化をもたらすために、デジタルチーム医療を発足。
「メディアから医療を支える」をミッションに活動している

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