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ほくろ除去は保険適用される?適用条件や治療方法について詳しく解説

監修医師 山下 真理子
更新日:2025年01月8日

更新日:2025年01月8日

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ほくろを除去しようと考える場合、気になるのが「保険が適用されるかどうか」という点です。ほくろの除去が保険でカバーされるかどうかは、単に見た目の問題ではなく、健康上のリスクがあるかどうかで決まります。この記事では、ほくろ除去が保険適用される条件、治療方法、そして費用について詳しく解説します。

そもそも「ほくろ」とは

ほくろというのは、色素細胞が増えることによってできる良性の小さなできもののことです。生まれつきのものや成長過程でできるものがあります。ほくろは主に茶色や黒色で、平らなものもあれば少し盛り上がっているものもあります。

 

ほくろは、できたばかりのときには少し大きくなることがありますが、その後は成長が止まり、一般的には直径6ミリ以下になることがほとんどです。ただし、生まれつきのものや幼少期にできるものは大きくなることがあり、大人でもまれに10ミリ以上のほくろができることがあります。ですので、大きくなるほくろや7ミリ以上のものができたときには、早めに皮膚科で相談しましょう。

 

ほくろは最初は平らでも、時間が経つにつれて膨らむことがあります。顔にできるほくろは丸く膨らみ、体にできるものはイボのように膨らむことがあります。ほくろの特徴のひとつは柔らかいことです。また、膨らんだほくろの色が薄くなることもよくあります。

ほくろの種類

ほくろは5種類に分けられ、それぞれ特徴的な見た目があります。

 

先天性母斑

生まれた時から存在するほくろで、平らだったり、盛り上がっていたり、毛が生えているものもあります。特殊な顕微鏡で見ると小さな点々が見えることがほとんどです。

 

Unna母斑

最もよく見られるタイプの盛り上がったほくろになります。特に顔や頭に多く現れ、毛が生えていることがほとんどです。顕微鏡で見ると、色素の集まりやリング状の血管拡張が見られます。

 

Spitz母斑
若年性メラノーマと呼ばれていたこともあり、悪性黒色腫との区別が難しいほくろです。しかし、悪性化することはないと考えられています。特徴的な棘状の模様が見られることがあります。

 

Clark母斑
赤っぽい平らなほくろで、赤ぼくろとも呼ばれます。早期の悪性黒色腫と区別が難しい場合があります。顕微鏡で見ると、網目状の色素沈着が特徴的です。

 

青色母斑
皮膚の深いところで母斑細胞が増殖したほくろです。基本的には悪性化することはなく、顕微鏡でも青っぽく見えるのが特徴になります。

ほくろと似た病気

黒いできものは、ほくろとは限りません。ほくろのように見えても、がんである「メラノーマ」、他にも「脂漏性角化症」や「基底細胞がん」、「血管腫」などがあります。また、良性の皮膚のできものである「皮膚線維腫」や、悪性のできものである「有棘細胞がん」なども、見た目がほくろに似ている場合があります。

 

ほくろと他の皮膚のできものを区別することは、肉眼では難しいかもしれません。皮膚科では、見分けるのが難しい場合、ダーモスコープという小型の観察器具を使って詳しく調べます。

 

メラノーマ
色素を作る細胞が制御不能に増えてしまう悪性腫瘍になります。特に30歳以上の大人に見られ、顔にできることがほとんどです。見た目はしみのようですが、しみが徐々に濃くなったり、膨らんできた場合は皮膚科に相談するのが良いでしょう。

 

脂漏性角化症
皮膚の一部の細胞が増えてできる良性の腫瘍です。30歳以降に現れやすく、年齢が上がるにつれて増えていき、顔や体にできることが多く、触るとザラザラとした感触があります。見た目は黒や茶色、時には白っぽいこともあります。

 

基底細胞癌
皮膚の毛包などにある細胞が無制限に増えることで生じる悪性腫瘍です。日本人の場合、黒く見えることが多く、ゆっくりと成長するため、ほくろと見間違えるかもしれません。しかし、ほくろよりも硬く、時には肌色や赤みを帯びることもあります。

 

血管腫

血管の細胞が増えてできる良性の腫瘍になります。特に唇にできると黒っぽく見えるため、ほくろと間違われることがほとんどです。赤い場合は血管腫とわかりやすいですが、黒っぽいと判断が難しいこともあります。

 

皮膚線維腫
皮膚のコラーゲンを作る細胞が増えることで生じる良性の腫瘍です。腕や脚にできやすく、見た目は薄茶色で硬いことが多く、虫刺されの跡が硬くなったように見えることがあります。

 

有棘細胞癌
皮膚の一部の細胞が無制限に増えることでできる悪性腫瘍です。皮膚がんの中で最も一般的で、黒く見えることは少なく、赤い隆起や潰瘍の形で現れることが多いことが特徴になります。

ほくろとシミの違い

シミは、メラニンという色素が肌の表面に沈着して発生します。これは主に紫外線、ストレス、生活習慣の乱れや肌の老化などが原因で、特に年齢が上がるにつれて目立ってくることがほとんどです。一方、ほくろは肌の真皮にある特定の細胞が集まり、色素を持つ細胞の塊として形成されます。ほくろの原因は遺伝やホルモン、紫外線とされていますが、完全には解明されていません。

 

見た目の違いも重要です。シミは通常、茶色や褐色で、平らな形状をしています。サイズも比較的大きくなることがあり、3ミリ以上になることが一般的です。一方、ほくろは通常、色が濃く、少し盛り上がっていることが多く、そのサイズは多くが1〜2ミリ程度になります。

 

シミはセルフケアで改善できる場合もありますが、自己ケアによって悪化することもありますので注意が必要です。ほくろはセルフケアでの改善は難しく、治療が必要になることがあります。

ほくろ除去は保険適用される?

ほくろ除去が保険適用されるかどうかは、気になるところです。ほくろの種類や位置によって、保険適用の対象になる場合があります。ほくろ除去が保険適応される場合について説明します。

保険が適応される条件とは

美容目的でほくろを除去する場合は、保険が適用されません。自己負担となるため、注意しましょう。保険が適応される条件は、ほくろが悪性腫瘍の可能性がある場合です。また、ほくろが原因で日常生活に支障をきたす場合には、医療保険が適用されることがあります。

悪性の疑いがある場合

医師がほくろを診察して、皮膚がんの一種である悪性腫瘍の可能性があると判断した場合、公的な医療保険を使って治療を受けられます。ほくろが悪性の疑いがある場合、除去しなければ命に関わる可能性が高いため、治療費が公的な医療保険でカバーされます。

生活に支障をきたす場合

ほくろが大きくて目立つ場所にあったり、日常生活に不便を感じる場合にも、公的な医療保険で治療が受けられる可能性があります。

 

たとえば、顔を洗うときやひげを剃るときにほくろが引っかかってしまう場合、洋服の着脱時にほくろに引っかかる場合、ほくろが目のまぶたにあって視野の邪魔になる場合などです。

その他、医師が必要と判断した場合

たとえ悪性の可能性がなくても、ほくろが急に大きくなったり、頻繁に出血する場合には、公的な医療保険を使って治療を受けられる可能性があります。これは、医師がそのほくろが今後問題を引き起こすリスクがあると判断した場合です。

ほくろ除去における保険診療のデメリット

ほくろを保険診療で除去する際には、いくつかのデメリットがあります。たとえば、治療跡が残る可能性や治療期間が長くなること、さらに再発の可能性などが挙げられます。保険診療では、美容目的ではなく健康上の問題を解決することが主な目的となるため、これらの点を考慮しながら治療を受けましょう。

治療跡が残る可能性がある

保険を使ってほくろを除去する場合、治療跡が残る可能性があることも覚えておきましょう。保険診療では、美容目的ではなくほくろを取り除くことが主な目的です。そのため、跡が残ってしまうかもしれません。

治療期間が長くなる可能性がある

保険を使ってほくろを除去する場合、治療に時間がかかることがあります。たとえば「くりぬき法」という方法では、専用の器具を使ってほくろを深く取り除くため、治療に時間がかかります。もう一つの「切除縫合法」という方法では、メスを使って皮膚を切り開き、ほくろを取り除いてから縫合し、治療期間が半年から2年ほどかかることがあります。

 

保険適用で治療する場合、費用は抑えられますが、完全にほくろが取れて治療が完了するまでに長い時間がかかることもあるため、注意しましょう。

再発する可能性がある

保険を使ってほくろを除去する場合、再発する可能性があることもデメリットの一つです。保険診療でほくろを取り除く場合は、ほくろの症状や位置に問題があるため、再発のリスクが高くなります。

ほくろ除去における自由診療のメリット

自由診療でほくろを除去する際には、主に以下の3つのメリットがあります。

治療跡が残りにくい

自由診療では、最新の美肌治療機を使い、治療跡が目立ちにくい方法でほくろを除去できます。顔や首、腕、背中などの目立ちやすい部分でも安心して治療を受けられます。

さまざまな治療法を選択できる

自由診療では、医師と相談して自分に最適な治療法を選べます。治療跡が残りにくい方法を医師と相談して決められます。実績や口コミなどを確認して、信頼できるクリニックで治療しましょう。

再発のリスクが低い

自由診療で除去するほくろは、通常悪性ではなく、日常生活に支障をきたすものでもありません。そのため、再発のリスクが低く、安全に除去できる場合がほとんどです。経験豊富な医師であれば、再発のリスクもさらに低くなります。ほくろが大きかったり根深い場合は再発の可能性もあるため、症例実績の豊富なクリニックを選びましょう。

ほくろ除去の治療方法

ほくろの大きさや形状、深さ、部位などによって適切な治療方法が選択されます。ほくろ除去の治療方法には、炭酸ガスレーザー、電気メス、切開法などがあります。

炭酸ガスレーザー

レーザーを使ってほくろを取り除く方法です。炭酸ガスレーザーは肌の水分に吸収され、その際に発生する熱を使って組織を気化させて取り除きます。レーザー治療は出血が少なく、短時間で施術が終わるため、一度にたくさんのほくろを取り除きたいときに適している治療方法です。

 

治療後は、傷が完全に治るまでの10日から2週間の間、軟膏を塗りテープで保護します。削った部分には赤みが出ることがありますが、丁寧なアフターケアを続けることで徐々に薄くなっていきます。

電気メス

電気メスの熱を利用して、ほくろの細胞を焼き切ることで除去します。この処置は医師が手作業で行い、ほくろの深さに合わせて慎重に削り取れるため、微妙な深さでも細かく調整できます。この方法では、傷跡が少し残ることがありますが、一般的な切除法に比べて目立たず、出血もほとんどありません。

切開法

目元や首などにできた小さなほくろ(2mm未満)は、医療用のはさみを使って切除します。チクッとした痛みがありますが、炭酸ガスレーザーと比べて皮膚に与えるダメージが少なく、麻酔を使わずに治療が行えます。出血はすぐに治まり、1〜2週間で傷がふさがります。保護テープも必要ありません。

 

一方、2mm以上のほくろや大きく隆起したほくろの場合は、メスを使って切除し、縫合します。施術後1週間で抜糸のために再度来院しないといけません。ほくろの大きさや深さによっては、治療後に跡が残ることもありますが、しっかりとほくろを除去できるため、再発のリスクは低くなります。

ほくろ除去で後悔しないための注意点

適切な方法とケアを心がければ、ほくろ除去は安全に行えます。後悔しないために、しっかりとケアしましょう。

自分でほくろを取ろうとしない

自分でほくろを取ろうとするのはリスクが高い行為です。市販の除去クリームも、医療機関で処方されるものと違い、安全性や効果が保証されているわけではありません。こういった製品を使うと、むしろほくろが余計に目立つようになったり、傷跡が残ったりすることがあります。そのため、必ず信頼できる医療機関を受診し、専門家に除去してもらうことが大切です。

施術後のアフターケアを入念にする

施術が終わった後は、医師から指示される保護用テープを10日間しっかりと貼り続けましょう。もし剥がれた場合は、新しいものに貼り替えて、常に清潔な状態を保つことが大事です。また、施術後の肌は非常にデリケートなので、紫外線対策を怠らないことも重要になります。かさぶたが取れた後は、日焼け止めクリームをしっかりと塗ることで、施術箇所の保護を行いましょう。

ほくろが気になる場合は、まずは医師に相談しましょう。

ほくろについて気になることがあれば、皮膚科の医師に相談しましょう。ほくろは見た目だけでは、皮膚がんかどうか判断しづらいことがあるからです。ほくろの色や形が変わったり、成長したりした場合は、専門の診断と治療が必要となります。

 

また、ほくろが気になる場合、取り除くことで気分が前向きになることもあるでしょう。ほくろの治療は、場合によっては保険が適用されるため、相談してみましょう。

通院が難しい場合はオンライン診療もおすすめ

ほくろの治療を考えていても、通院が難しい場合もあるでしょう。そんな時は治療を諦めずに、オンライン診療を活用してみましょう。

オンライン診療とは

オンライン診療について

 

オンライン診療は、インターネットを使って自宅などから医師の診察を受けられる医療サービスです。スマートフォンやパソコンなどを使って、医師とビデオチャットで直接話しながら診察を受けられます。このサービスでは、診察の予約、問診、診断、そして薬の処方箋の発行や支払いまですべてオンラインで行えます。忙しい方や移動が難しい方にとって非常に便利なサービスです。

SOKUYAKUとは

SOKUYAKUは、スマホアプリを通じてオンライン診療を簡単に受けられるサービスです。アプリで、診察の予約から薬の受け取りまでの手続きを一括で管理できます。アプリ内には専門スタッフのサポートがあり、自分のクリニックや薬局を登録する機能もあります。また、お薬手帳をデジタル化することもできるので、紙の手帳を持ち歩く必要がありません。

 

全国どこにいても、当日か翌日にお薬を受け取れるという大きな利便性があります。忙しい日常の中でも、よりスムーズに医療サービスを利用できるのが魅力です。

まとめ

ほくろを取り除く場合、保険が使えるのは、健康に問題がある時や、ほくろが悪性かもしれない場合です。見た目を良くするためだけにほくろを取り除くときは、保険が効かず、自費での治療になります。ほくろ除去の方法にはいくつか種類があり、その方法によって費用や仕上がりが変わってきます。そのため、どの治療が最も適しているかを医師とよく相談しながら決めましょう。

 

この記事が、ほくろ除去の保険適用条件や治療の仕方を理解し、安心して治療を受けられるための参考になれば幸いです。

コメント ほくろ除去治療は、電気メスやレーザーなどを使用して行われるもので、日帰りでできる治療です。局所麻酔を使用するので、痛みなどもそこまで気にする必要はなく、施術を受けられるクリニックも多数あります。ただ、注意しなければいけないのは、再発のリスクが非常に高いため、紫外線対策の徹底が必要であることです。また、どうしても取ったところが気になって無意識に触ったりしてしまいがちですが、触る刺激も再発に繋がります。大きさによっては取り切れない場合もあるので、施術する医師としっかり相談する必要があります。また、大きさによっては切除による除去が必要になります。その場合は、悪性かどうかを調べることもできるので相談してみるとよいです。

監修医コメント

医師
山下 真理子

ほくろ除去治療は、電気メスやレーザーなどを使用して行われるもので、日帰りでできる治療です。局所麻酔を使用するので、痛みなどもそこまで気にする必要はなく、施術を受けられるクリニックも多数あります。ただ、注意しなければいけないのは、再発のリスクが非常に高いため、紫外線対策の徹底が必要であることです。また、どうしても取ったところが気になって無意識に触ったりしてしまいがちですが、触る刺激も再発に繋がります。大きさによっては取り切れない場合もあるので、施術する医師としっかり相談する必要があります。また、大きさによっては切除による除去が必要になります。その場合は、悪性かどうかを調べることもできるので相談してみるとよいです。

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監修医師 山下 真理子
くみこクリニック京都駅前院所属 専門領域分類は美容皮膚科。 京都府立医科大学医学部医学科 卒業 / のべ10年以上の美容皮膚科勤務を経て、現在はくみこクリニック北山院に勤務している。コロナ以前は、大阪医専にて、医療従事者の教育にも関わった経験がある。
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