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改めて知る新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症状とその後遺症

監修医師 木村眞樹子
更新日:2024年02月28日

更新日:2024年02月28日

改めて知る新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症状とその後遺症のイメージ
2019年末以降、新型コロナウイルス感染症が世界を震撼させています。瞬く間に世界的パンデミックを引き起こした新型コロナウイルスは未知のウイルスでしたが、少しずつその実態がわかってきました。
今回は、改めて新型コロナウイルス感染症による症状と後遺症について解説していきます。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とは

そもそも、新型コロナウイルス感染症とは何なのでしょうか。新型コロナウイルス感染症とは、「SARS-CoV-2」という新たに発見されたコロナウイルスによる感染症のことです。

 

もともとコロナウイルスはいくつも種類があり、一般的な風邪を引き起こすウイルスでもあります。それが少しずつ変異を起こしてウイルスの形が変わってくると、引き起こす症状や症状の程度などが変わってくるのです。

 

2002年に中国南部の広東省で最初の患者が報告された「重症急性呼吸器症候群(SARS)」や、2012年以降にサウジアラビアやアラブ首長国連邦などの中東地域で広く発生している「中東呼吸器症候群(MERS)」もコロナウイルス感染症の一種です。1)

 

ちなみに新型コロナウイルス感染症の正式名称は「COVID-19」です。2020年2月にWHO(World Health Organization:世界保健機関)が発表したもので、COVID-19の「CO」は「corona」、「VI」は「virus」、「D」は「disease」の意味を表しています。

新型コロナウイルス感染症の症状

新型コロナウイルス感染症による症状は人それぞれ異なりますが、一般的には発熱や咳、倦怠感といった風邪のようなものが多いと言われています。WHOは新型コロナウイルス感染症の症状として、次のものを挙げています。2)

最も一般的な症状
発熱

倦怠感
個人差の可能性がありうる症状
味覚異常、嗅覚異常
喉の痛み、鼻詰まり
頭痛
下痢
吐き気・嘔吐
発疹
結膜炎(目の充血)
関節痛
悪寒
めまい
重症の症状
呼吸困難
食欲減退
錯乱
胸痛(持続的なもの)
38℃以上の高熱
まれにみられる症状
錯乱
不安感、うつ状態
睡眠障害
意識低下

さらに深刻な症状として、次のようなものもあります。
脳卒中
脳炎
せん妄
神経障害

症状が出るまでの期間

新型コロナウイルスに感染してから症状が出るまでの期間(潜伏期間)は、WHOやCDC(Centers for Disease Control and Prevention:アメリカ疾病対策予防センター)によると1~14日と言われており、平均して5~6日です。2)

 

潜伏期間が14日間あることから、新型コロナウイルス感染者と濃厚接触した場合や海外渡航から帰国してきた際の隔離期間が14日間と設定されています。

症状が出た場合の対応

新型コロナウイルス感染症と一般的な風邪や季節性インフルエンザによる症状は非常に似ており、疑わしい症状が出た場合はきちんと検査を受けないと新型コロナウイルスに感染しているかどうかはわかりません。

 

発熱等の症状が出た場合はすみやかに医療機関を受診し、新型コロナウイルス感染症の検査等を受ける必要があります。(診察をした医師により新型コロナウイルスの感染が疑われると判断された場合は、新型コロナウイルス感染症の検査を受けることができます。)

各地域の方針に従い連絡する

新型コロナウイルス感染症が疑われる場合、従来のように直接医療機関へ向かうのは避ける必要があります。医療機関によっては、感染防止対策として発熱のある患者は特定の時間での診療としていたり、別の場所での診療としているところがあります。

 

医療機関に直接電話して確認するなど、事前に受診しても問題ないか、受診時の注意事項等を確認するようにしましょう。

 

地方自治体によっては、「受診・相談センター」が設置されていることがあります。(自治体により相談機関の名称等は異なることがあります。)受診・相談センターへ電話で相談すると、受診可能な医療機関や受診方法などを案内してくれたりします。

詳しくは、お住まいの自治体のホームページ等で確認してください。

他の人から離れる(隔離など)

新型コロナウイルス感染症が疑われる場合は、感染を拡大させないためにも、仕事や学校を休んで周りの人と距離をとることが重要です。

 

確定診断が出ていない場合であっても、ご家庭の中では症状が出ている人が療養する部屋と他の家族がいる部屋を分けたり、全員が家の中でもマスクをする、頻繁に換気をすることを心がけるなど、感染拡大防止策を徹底するようにしましょう。

後遺症について

また、気になるのは新型コロナウイルス感染症による後遺症です。「新型コロナウイルスはただの風邪だ」と表現する方も一定数いますが、通常の風邪やインフルエンザと大きく異なるのは、この後遺症の存在かもしれません。

 

新型コロナウイルス感染者数の急増に伴い、後遺症に悩む方も増えつつあります。新型コロナウイルス感染症による後遺症は、CDCによ報告では「新型コロナウイルスによる症状を発症して4週間経過した後でも継続する症状」と定義しています。3)

後遺症の種類と頻度

実際に後遺症とされる代表的な症状としては、以下のものがCDCより報告されています。3)

 

呼吸器症状:呼吸苦、咳、胸痛
消化器症状:腹痛、下痢
循環器症状:動悸・頻脈、立ちくらみ
精神・神経症状:不眠、その他睡眠障害、気分変化
皮膚症状:発疹
その他:倦怠感、関節痛、筋肉痛、発熱、疼痛、月経周期異常、嗅覚・味覚障害

 

また、日本国内における新型コロナウイルス感染症により入院した患者525名について、後遺症の有無を調査した結果も報告されています。4)

新型コロナウイルス感染症診断後、半年以上が経っても疲労感・倦怠感、息苦しさ、睡眠障害、思考力の低下等が認められています。

 

また、これらの後遺症の調査・研究は、現段階では入院例、重症例を対象としたものが多く、軽症の方も含めた調査・研究はこれからです。

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引用:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の長期合併症の実態把握と病態生理解明に向けた基盤研究, 中間報告

後遺症になりやすい方

新型コロナウイルス感染症による後遺症はどんな人にみられやすいか、イギリスで携帯アプリを用いた調査結果があります。

 

その調査によると、以下に該当する人では後遺症がみられやすいということが分かりました。5)

高齢者
肥満気味の人
女性
新型コロナウイルス感染発症時(発症してから7日以内)に5つ以上の症状がある

 

高齢であることや元々肥満気味であることは、そもそも新型コロナウイルス感染症における重症化リスクの一つでもあります。(重症化リスクと後遺症のなりやすさに関係があるのかはわかりません。)

後遺症の期間

新型コロナウイルス感染症による後遺症は未だ調査研究が進められているところです。この後遺症は新型コロナウイルス感染症の重症度によらず起こり得ると考えられており、軽症であっても例外ではありません。

 

後遺症の期間についても同様で、まだはっきりわかっていることは残念ながら現時点ではありません。回復後時間経過により症状が治まる方もいますが、半年たっても後遺症に苦しむ方もいらっしゃいます。

新型コロナウイルスにかからない・うつさない行動を取る

新型コロナウイルスが蔓延しているこの世の中では、いつどこで自分自身が感染するかわかりません。初期症状をきちんと知っておけば、新型コロナウイルス感染に早く気がつくことができ、それが結果的に周りに感染を広げないことにもつながります。

 

もちろん自分自身が新型コロナウイルス感染症にかからないように感染予防対策を徹底することは必要ですが、重要なのは闇雲に恐れるのではなく、正しい知識をきちんと理解することです。

まとめ

新型コロナウイルス感染の症状について理解が深まったでしょうか。新型コロナウイルス感染症による初期症状は一般的な風邪と似ており、簡単に判別はできません。

 

「風邪かも?」と思ったらすぐにかかりつけ医や地域の相談センター等に連絡し、医療機関を受診するようにしましょう。また、新型コロナウイルス感染症から回復しても、その後に後遺症に苦しむ方も多くいらっしゃいます。

 

後遺症は年代や感染時の症状の程度を問わずに現れることもあり、まだまだ全貌はわかっていません。新型コロナウイルスに感染しないことが何よりも重要なのです。

参考資料
1)コロナウイルスとは NIID国立感染症研究所
2)Coronavirus disease (COVID-19) 12 October 2020|Q&A Word Health Organization
3)Post-COVID Conditions: Information for Healthcare Providers(Updated July 9, 2021) Centers for Disease Control and Prevention
4)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の長期合併症の実態把握と病態生理解明に向けた基盤研究(中間報告)
5)Carole H. Sudre. Nature medicine 27(4), 626-631 Attributes and predictors of long COVID

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監修医師 木村眞樹子
現役医師、産業医 10年以上大学病院で臨床に従事、産業医として企業の健康経営にも携わる 2019年より医療ライターとしても活動している
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