SOKUYAKUメディカルコラム

ユーザー向け

アレジオン錠(エピナスチン塩酸塩)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説

監修薬剤師 小村 稜
2021年08月29日
アレジオン錠はエピナスチン塩酸塩を有効成分として含む医療用医薬品です。花粉症などアレルギー性の諸症状に対して、1日1回服用するだけで効果を発揮してくれます。さらに、医療用医薬品であるアレジオン錠と同じ有効成分を同量含む市販薬が販売されています。

今回は、エピナスチン塩酸塩を有効成分として含む医薬品の用法・用量や服用するときに注意すべき点を解説します。

アレジオン錠(エピナスチン塩酸塩)とは

アレジオン錠はアレルギー性疾患治療剤として日本ベーリンガーインゲルハイムから製造販売されており、現在は季節性のアレルギー性鼻炎をはじめとするアレルギー症状の治療薬として幅広く用いられています。

アレジオン錠(エピナスチン塩酸塩)の成分について

アレジオン錠に有効成分として含まれているエピナスチン塩酸塩は第二世代の抗ヒスタミン薬に分類される医薬品成分です。エピナスチンはH1受容体と呼ばれるヒスタミンが結合することで働くタンパク質に結合することで、H1受容体の働きを阻害します。その結果、アレルギー反応が原因のかゆみや鼻炎などの症状を改善します。

抗ヒスタミン薬のうち、第一世代に分類される成分はジフェンヒドラミン塩酸塩やd-マレイン酸クロルフェニラミン、第二世代に分類される成分はフェキソフェナジンやオロパタジンなどがあります。

他の抗ヒスタミン薬との違いは?

抗ヒスタミン薬にはいくつか種類があるため、ここで簡単に他の抗ヒスタミン薬と比べた時のエピナスチン塩酸塩の特徴を紹介します。

・眠くなりにくい
第二世代の抗ヒスタミン薬に共通する特徴として、第一世代より服用後の眠気が出にくいことが挙げられます。エピナスチン塩酸塩が阻害するH1受容体は脳内にも存在し、脳内のH1受容体の働きを阻害すると眠気がでやすくなります。また、第二世代の抗ヒスタミン薬の方は第一世代より脳へ移行しづらくなるように改良された医薬品成分です。第一世代の抗ヒスタミン薬の中には眠気が出ることを利用し、睡眠改善薬として市販されている成分もあります。
眠気と同じく脳内でヒスタミンの働きを抗ヒスタミン薬が阻害してしまうことで起こる症状として「インペアード・パフォーマンス」と呼ばれるものがあります。これは、自覚がないうちに集中力や作業効率が低下するなどのパフォーマンスの低下を指します。インペアード・パフォーマンスも脳内に移行する抗ヒスタミン薬が少ないほど起こりにくいと考えられているため、第一世代より第二世代の抗ヒスタミン薬の方がインペアード・パフォーマンスに関する懸念が小さいといえます。
とはいえ、第二世代の抗ヒスタミン薬を服用しても眠気やインペアード・パフォーマンスが全く起こらないとは言えないため、服用後に集中力を必要とする作業は可能な限り避けることが望ましいでしょう。

・服用回数は1日1回
抗ヒスタミン薬の中には1日に複数回服用しなければならない成分がありますが、エピナスチン塩酸塩は1日1回服用が基本です。毎日決まった時間に1回飲めば良いため、服薬管理が非常に簡単です。

アレジオン錠(エピナスチン塩酸塩)はどんな症状に効果がある?

アレジオン錠は以下の症状に効果があります。
・気管支喘息
・アレルギー性鼻炎
・じんましん、湿疹・皮膚炎、皮膚痒症、痒疹、かゆみを伴う尋常性乾癬

アレジオン錠(エピナスチン塩酸塩)の用法・用量は?

アレジオン錠は適応症によって以下のように用法・用量が定められています。

・気管支喘息、じんましん、湿疹・皮膚炎、皮膚痒症、痒疹、かゆみを伴う尋常性乾癬
成人はエピナスチン塩酸塩として20mgを1日1回服用します。

・アレルギー性鼻炎
成人はエピナスチン塩酸塩として10~20mgを1日1回服用します。

アレジオン錠(エピナスチン塩酸塩)の副作用

アレジオン錠の副作用として眠気、肝障害、血小板減少症、頭痛、胃部不快感などが報告されています。

アレジオン錠(エピナスチン塩酸塩)に関する注意点

アレジオン錠を服用するときは以下の点に注意してください。

服用後の車の運転には注意

第二世代の抗ヒスタミン薬のひとつであるエピナスチン塩酸塩を有効成分として含むアレジオン錠は、数多くある抗ヒスタミン薬の中でも服用後に眠気が出る可能性は高くはありません。

しかしながら、臨床試験や市販後調査で8,443例を調査したところ、アレジオン錠を服用した後に102件(1.2%)で眠気が出たことが報告されています。アレジオン錠の服用後に必ず眠気が出るわけではありませんが、眠気が出ることや集中力が欠如する可能性があるため、アレジオン錠を服用した後は自動車の運転など危険を伴う機械の操作には注意が必要です。

季節性の花粉症には直前から服用開始

春先にピークを迎えるスギやヒノキの花粉に悩まされている方の多くは、花粉症の症状を少しでも軽くするために医薬品を毎年服用していると思います。そのような方は花粉が本格的に飛散する数日前からアレジオン錠をはじめとする抗アレルギー薬の服用を開始することで有効成分の作用が効果的に発揮されるでしょう。

妊娠・授乳中の服用は医師へ相談

妊娠中の患者に対するアレジオン錠の有効性や安全性は十分に検証されていません。また、動物実験ではアレジオン錠の有効成分であるエピナスチンが乳汁中へ移行することが分かっています。

そのため、授乳中の患者は基本的にアレジオン錠の服用を避ける、もしくは服用後の授乳を中止する必要があります。

服用するタイミングによって血中濃度が異なる

臨床試験の結果から、アレジオン錠は服用するタイミング(空腹時と食後)で血中濃度が異なることが分かっています。具体的には、食後に比べて空腹時の方がアレジオン錠の有効成分であるエピナスチンの血中濃度が全体的に高く、食後の最高血中濃度は空腹時の約67%まで低下します。

アレジオン錠(エピナスチン塩酸塩)と同じ成分の市販薬はある?

医療用医薬品であるアレジオン錠の有効成分であるエピナスチン塩酸塩と同じ成分を含む市販薬は「アレジオン20」などが販売されています。エピナスチン塩酸塩は2009年11月にスイッチOTC化され、いくつかの市販薬が販売されてきました。2015年10月以降、エピナスチン塩酸塩を含む市販薬は第二類医薬品として販売されています。

ここからはエスエス製薬が製造販売しており、医療用と同量の有効成分を含むアレジオン20を例に、エピナスチン塩酸塩を有効成分として含む市販薬について解説します。

アレジオン20の効能・効果

花粉やハウスダストなどによる次のような鼻のアレルギー症状(鼻みず、鼻づまり、くしゃみ)の緩和

アレジオン20の用法・用量

・成人(15才以上):1日1回、就寝前に1錠(エピナスチン塩酸塩として20mg)を服用します。
・15才未満:服用できません。

アレジオン20を服用するときの注意点

以下に当てはまる方は服用できません
・15才未満の小児
・肝臓に何かしらの疾患がある方
・授乳中の方(服用する場合は服用期間の授乳を中止)

アレジオン20を服用している間は以下の医薬品を服用できません
・他のアレルギー用内服薬(鼻炎用内服薬を含む)
・抗ヒスタミン剤を含有する内服薬等(例:かぜ薬、乗り物酔い薬など)

以下に当てはまる方は医師、薬剤師、または登録販売者に相談してください
・医師の治療を受けている方
・妊婦又は妊娠していると思われる方
・高齢者
・以前に薬などによるアレルギー症状を起こした経験がある方
・アレルギーによる症状か他の原因による症状か区別ができない方
・気管支ぜんそくやアトピー性皮膚炎など、他のアレルギー疾患の診断を受けた経験がある方
・エピナスチン塩酸塩を10mg含有する医薬品から本剤に変更を検討している方
・アレジオン20の他に、アレルギー用薬の点眼薬や点鼻薬の併用を検討している方

アレジオン20を服用開始後に以下の状況の場合は医師、薬剤師、または登録販売者へ相談してください
・服用開始から1週間ほど経っても症状が改善しない場合
・服用により症状は改善したものの、2週間を超えて服用を継続する場合

飲み忘れの最も少ない「就寝前」に服用してください

エピナスチン塩酸塩を有効成分として含む医薬品は医療用と一般用(市販薬)のいずれもよく用いられています。市販薬の場合は花粉症シーズンに毎年購入されている方が多いと思いますが、漫然と服用するのではなく、少しでも異変や疑問に思うことがあれば医師や薬剤師、登録販売者へ相談しましょう。

参考資料
アレジオン錠10/ アレジオン錠20
谷内 一彦 薬理作用から見た理想的な抗ヒスタミン薬治療 日耳鼻 196-204 (2020)
アレルギー専用鼻炎薬 - アレジオン【エスエス製薬】
この記事が気に入ったら
いいねしよう!
最新記事をお届けします。
監修薬剤師 小村 稜
医療編集プロダクションMEDW代表
Webディレクター / 薬剤師

今後の医療に変化をもたらすために、デジタルチーム医療を発足。
「メディアから医療を支える」をミッションに活動している
オンライン診療サービス
SOKUYAKUの使い方
  • STEP1
    診療予約
  • STEP2
    オンライン問診
  • STEP3
    オンライン診療
  • STEP4
    オンライン服薬指導
  • STEP5
    お薬配達

    ※配送時間は当日の配送状況やエリアによって異なります。

    ※配送エリアは23区内、横浜市内、大阪市内になります。順次拡大予定です。

詳しい使い方は動画でチェック

メディカルコラム