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ヒドロクロロチアジドに含まれている成分や効果、副作用などについて解説

監修薬剤師 小村 稜
2021年10月23日
2021年10月23日
ヒドロクロロチアジドに含まれている成分や効果、副作用などについて解説のイメージ
ヒドロクロロチアジドを有効成分として含む医療用医薬品は高血圧症や浮腫の治療に用いられています。今回は、ヒドロクロロチアジドを含む医療用医薬品の用法用量や服用するときに注意すべきポイントを解説します。さらに、ヒドロクロロチアジドを含む市販薬の有無についても併せて紹介します。

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ヒドロクロロチアジドとは

ヒドロクロロチアジドを有効成分として含む医薬品であるダイクロライドは1959年に日本で初めて万有製薬(現MSD製薬)が製造販売を開始しました。その後、ダイクロライドは2003年に販売中止となっていますが、現在では後発品や配合剤が販売されています。

ヒドロクロロチアジドの成分について

ヒドロクロロチアジドは降圧利尿剤として高血圧症や浮腫などに用いられる医薬品成分です。チアジド系に分類されるヒドロクロロチアジドは、腎臓に存在する遠位尿細管でNa+とCl-の再吸収を抑制して水の排泄を促進させる効果があります。また、ヒドロクロロチアジドは循環血流量の低下や末梢血管の拡張させることで降圧作用を示します。

ヒドロクロロチアジドはどんな症状に効果がある?

ヒドロクロロチアジドは以下の疾患に対して効果があります。
高血圧症(本態性・腎性等)・悪性高血圧・心性浮腫(うっ血性心不全)・腎性浮腫・肝性浮腫・月経前緊張症・薬剤(副腎皮質ホルモン・フェニルブタゾン等)による浮腫。

ヒドロクロロチアジドの用法・用量は?

成人はヒドロクロロチアジドとして1回25~100mgを1日1~2回服用します。ただし、高血圧症にヒドロクロロチアジドを用いる場合は少量から服用を開始して徐々に増量します。また、悪性高血圧にヒドロクロロチアジドを用いる場合には他の降圧剤と併用することを基本としています。

ヒドロクロロチアジドの副作用

ヒドロクロロチアジドの服用により再生不良性貧血・間質性肺炎・低ナトリウム血症・低カリウム血症・閉塞隅角緑内障・発疹・光線過敏症などの副作用が起こることが報告されています。

ヒドロクロロチアジドに関する注意点

ヒドロクロロチアジドを服用するときは以下の点に注意してください。

ヒドロクロロチアジドを服用できない場合(禁忌)

以下に該当する方はヒドロクロロチアジドを服用することができません。
・無尿の患者:利尿剤であるヒドロクロロチアジドの効果が期待できないため
・急性腎不全の患者:腎機能を更に悪化させるおそれがあるため
・体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減少している患者:低ナトリウム血症や低カリウム血症等の電解質失調を悪化させるおそれがあるため
・夜間多尿による夜間頻尿の治療のためにデスモプレシン酢酸塩水和物を服用中の男性患者:ヒドロクロロチアジドとデスモプレシン酢酸塩水和物のいずれも低ナトリウム血症を引き起こす可能性があるため
・ヒドロクロロチアジドもしくはヒドロクロロチアジドに類似した医薬品成分や添加剤に対して過敏症が起きた経験がある患者

ヒドロクロロチアジドの服用に注意が必要な場合(慎重投与)

以下に該当する方は事前に医師へ相談してください。
・進行した肝硬変症のある患者:肝性昏睡を誘発することがあるため
・重篤な冠硬化症又は脳動脈硬化症のある患者:急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがあるため
・重篤な腎障害のある患者腎機能を更に悪化させるおそれがあるため
・肝疾患・肝機能障害のある患者肝性昏睡を起こすおそれがあるため
・本人又は両親、兄弟に痛風、糖尿病のある患者:高尿酸血症、高血糖症を来し、痛風、糖尿病の悪化や顕性化のおそれがあるため
・下痢、嘔吐のある患者:電解質失調があらわれることがあるため
・高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症のある患者:血清カルシウムを上昇させるおそれがあるため
・ジギタリス剤、糖質副腎皮質ホルモン剤又はACTHの投与を受けている患者
・減塩療法時の患者:低ナトリウム血症を起こすおそれがあるため
・高齢者
・交感神経切除後の患者:本剤の降圧作用が増強されるため

基本的な注意事項

・ヒドロクロロチアジドを継続的に服用する場合は電解質失調があらわれることがあるので定期的に検査を行う必要があります。
・ヒドロクロロチアジドは利尿作用を有するため、夜間の休息が特に必要な患者は夜間の排尿を避けるために午前中に服用することが望ましいです。
・ヒドロクロロチアジドの降圧作用により、服用後はめまい・ふらつきがあらわれることがあります。そのため、ヒドロクロロチアジドを服用した後は高所作業や自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には十分注意してください。

ヒドロクロロチアジドとの併用に注意が必要な医薬品成分

ヒドロクロロチアジドとの併用が禁忌ではなくとも、併用する場合は十分に注意が必要な医薬品成分を紹介します。
<バルビツール酸誘導体>
・臨床症状:ヒドロクロロチアジドの服用により起こる副作用のひとつである起立性低血圧が増強される可能性あり
・機序:ヒドロクロロチアジドの利尿作用とバルビツール酸誘導体の中枢抑制作用のため
<アルコール>
・臨床症状:ヒドロクロロチアジドの服用により起こる副作用のひとつである起立性低血圧が増強される可能性あり
・機序:アルコールの血管拡張作用によりヒドロクロロチアジドの降圧作用が増強される可能性があるため
<ノルアドレナリン・アドレナリン>
・臨床症状:ノルアドレナリンやアドレナリンの作用を減弱する可能性あり
・機序:ヒドロクロロチアジドがノルアドレナリンやアドレナリンに対する血管壁の反応性を低下させる可能性があるため
・措置方法:手術前の患者にこれらの医薬品成分を使用する場合はヒドロクロロチアジドの一時的に中止
<ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物・パンクロニウム臭化物>
・臨床症状:ツボクラリン及びその類似作用物質の麻痺作用を増強する可能性あり
・機序:ヒドロクロロチアジドの服用で起きた血清カリウム値の低下により、これらの薬剤の神経・筋遮断作用を増強する可能性があるため
<降圧作用を有する他の薬剤>
・臨床症状:降圧作用を増強する可能性あり
・機序:作用機序の異なる降圧作用により互いに協力的に作用するため
・措置方法:必要に応じてヒドロクロロチアジドや他の降圧剤の用法用量を調節
<ジゴキシン・ジギタリス>
・臨床症状:ジギタリスやジゴキシンの心臓に対する作用を増強して不整脈を引き起こす可能性あり
・措置方法:血清カリウム値に注意
<糖質副腎皮質ホルモン剤>
・臨床症状:低ナトリウム血症を引き起こす可能性あり
・機序:ヒドロクロロチアジドと糖質副腎皮質ホルモン剤のいずれもカリウム排泄作用を持つため
<グリチルリチン製剤>
・臨床症状:血清カリウム値が低下しやすくなる
・機序:グリチルリチン製剤の服用によって低カリウム血症を主とする偽アルドステロン症を引き起こすことがあるため
<糖尿病用剤>
・臨床症状:糖尿病用剤の作用(血糖コントロール)が減弱する可能性あり
・機序:ヒドロクロロチアジドの服用によって引き起こされるカリウム喪失によって膵臓からのインスリン放出が低下する可能性があるため
<コレスチラミン>
・臨床症状:ヒドロクロロチアジドの作用が減弱する可能性あり
・機序:コレスチラミンの吸着作用によりヒドロクロロチアジドの吸収が阻害されることがるため
<非ステロイド性消炎鎮痛剤>
・臨床症状:ヒドロクロロチアジドの作用が減弱する可能性あり
・機序:非ステロイド性消炎鎮痛剤の水・ナトリウム貯留作用とヒドロクロロチアジドの作用が拮抗するため

ヒドロクロロチアジドと同じ成分の市販薬はある?

現在、有効成分としてヒドロクロロチアジドを含む市販薬は販売されていません。ヒドロクロロチアジドが持つ血圧を下げる作用や利尿作用は患者ごとの血圧だけでなく、心臓・腎臓などの機能にも注意が必要です。したがって、ヒドロクロロチアジドを服用するときは検査や医師の診察を定期的に行い用法用量を調節する必要があります。

今回はヒドロクロロチアジドを有効成分として含む医薬品について紹介しました。ヒドロクロロチアジドを含む医薬品を服用することで血圧低下や利尿作用を期待できる一方で、正しく服用していないと思わぬ副作用を招いてしまう可能性があります。ヒドロクロロチアジドを服用中に少しでも身体に異変を感じた場合はすぐに医師へ相談してください。
参考資料

(旧)万有製薬の年表|(旧)万有製薬の沿革|MSDの沿革|会社沿革|MSDについて|MSD
ヒドロクロロチアジド錠12.5mg「トーワ」/ヒドロクロロチアジド錠25mg「トーワ」
ヒドロクロロチアジドに含まれている成分や効果、副作用などについて解説のイメージ
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監修薬剤師 小村 稜
医療編集プロダクションMEDW代表
Webディレクター / 薬剤師

今後の医療に変化をもたらすために、デジタルチーム医療を発足。
「メディアから医療を支える」をミッションに活動している

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