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イルベタン錠(イルベサルタン) に含まれている成分や効果、副作用などについて解説

監修薬剤師 小村 稜
更新日:2024年02月27日

更新日:2024年02月27日

イルベタン錠(イルベサルタン) に含まれている成分や効果、副作用などについて解説のイメージ
イルベタン®錠は高血圧症の治療に用いられるお薬です。高血圧症の治療に用いられるお薬は様々な種類がありますが、イルベタン錠はどういった特徴があるのでしょうか。今回はイルベタン錠が分類される降圧剤の働きや副作用、注意点などについて解説していきます。

イルベタン錠(イルベサルタン) とは

イルベタン®錠とはイルベサルタンを有効成分とする高血圧症の治療に用いられるお薬です。イルベタン®(錠)とは商品の名前で、お薬の効果を示す有効成分の名前はイルベサルタンといいます。

イルベサルタンには血圧を下げる働きがあり、血圧を下げる働きがある薬のことを医療用語では降圧剤と呼びます。

 

ひとくちに降圧剤といっても様々な種類が存在し、体内での働き方によって様々なグループに分類されています。イルベサルタンはアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬とよばれるグループに分けられ、このアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬は初めて高血圧症の治療を開始される方に選択される薬の一つです。

 

現在、日本国内では7種類のアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬が発売されており、イルベタン®錠は6番目に発売されました。イルベサルタンには血圧を下げる効果はもちろん、腎臓を保護作用や尿酸値を下げる効果も認められており、軽症から重症まで幅広い高血圧症の方に用いられています。

 

お薬の作用は24時間にわたって効果が持続することから1日1回の服用で良い点もイルベサルタンの特徴の一つです。世界では日本国内での発売以前から多くの国々で使用されているお薬です。

イルベタン®錠の規格

イルベタン®錠は有効成分イルベサルタンの量によって、イルベタン®錠 50 ㎎、100 ㎎、200mgの3種類の規格が販売されています。シオノギファーマ製薬株式会社より2008年にイルベタン®錠 50 ㎎、100 ㎎が発売され、その後、2013年6月にイルベタン®錠200mgが発売されました。

イルベタン®錠の外形

見た目は、だ円型の真ん中に線が入っている錠剤で、白〜黄白色(クリーム色)を帯びた色をしています。イルベサルタンの含まれる量に応じて錠剤はより大きく厚くなっていきます。真ん中に入っている線で半分に割る事ができますので、場合によっては半分に割って用いることもあります。

イルベタン®錠の保管方法

直射日光は避けて、室温(1〜30℃)で保管しましょう。

イルベタン錠(イルベサルタン) の成分について

イルベサルタンは、血管を収縮させる効果があるアンジオテンシンⅡという物質の働きを抑えることで血圧を低下させます。アンジオテンシンⅡが血管にあるアンジオテンシンⅡ受容体に結合すると血管を収縮させます。

 

イルベサルタンは、アンジオテンシンⅡ受容体を遮断することで、アンジオテンシンⅡは結合できなくなります。イルベサルタンのようにアンジオテンシンⅡ受容体を遮断し血圧を下げる効果をもつお薬は、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬とよばれます。

イルベタン錠(イルベサルタン)はどんな症状に効果がある?

イルベサルタンは、高血圧症の治療に用いられます。血圧を低下させる作用の他、腎保護作用や尿酸低下作用があることが認められています。

イルベタン錠(イルベサルタン)の用法・用量は?

イルベタン錠の添付文書の用量・用法は以下のように記載されています。

通常、成人にはイルベサルタンとして50〜100mgを1日1回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最大投与量は200mgまでとする。

 

基本的には、イルベサルタンとして50〜100mgを決まった時間に1日1回服用します。症状によっては200mgまで量を増やすことがあります。食事の影響は受けませんので食事の有無に関わらず服用することができます。

 

コップ1杯程度の水またはぬるま湯で服用しましょう。お薬を服用するタイミングやイルベサルタンの量は医師が決定します。自己判断で調節したり、中止したりせずに続けて服用するようにしましょう。

イルベタン錠(イルベサルタン) の副作用

特に注意が必要な「重大な副作用」が報告されています。かっこ内に代表的な初期症状を挙げています。

疑わしい場合はすぐに医師または薬剤師にご相談ください。

・血管浮腫(まぶた・舌・唇のはれ、息苦しいなど)
・高カリウム血症(唇がしびれる、手足が動きづらい、手足に力がはいらないなど)
・ショック(冷や汗、めまい、意識がうすれるなど)
・失神(気を失う)
・意識消失(意識がうすれる、考えがまとまらないなど)
・腎不全(むくみ、全身のけいれん、貧血、頭痛など)
・肝機能障害(体がだるい、白目が黄色くなる、嘔吐など)
・黄疸(白目が黄色くなる、皮膚が黄色くなるなど)
・低血糖(ふらつき、脱力感、冷や汗など)
・横紋筋融解症(脱力感、手足のしびれ、手足のこわばりなど)

イルベタン錠(イルベサルタン) に関する注意点

イルベサルタンの服用を避ける必要がある方がいます。以下に該当する方は服用ができません。
・過去にイルベサルタンによる過敏症の経験がある方
・妊娠、または妊娠の可能性のある方
・アリスキレン(ラジレス®錠)を服用中の方(ただし、アリスキレン服用中でも医師の判断をもとにイルベサルタンの服用を指示される場合があります)

イルベサルタンを服用する場合は、注意をすべき病気や一緒に服用することに注意が必要なお薬があります。ご自身の病気に関する情報や服用中のお薬は医師または薬剤師に伝えるようにしましょう。
イルベサルタンを服用することで、急激な血圧の低下(意識消失、失神)が起こる場合があります。

こういった場合は服用を中止し医師にすぐにご連絡ください。

また、血圧が低下することでめまいやふらつきが現れることがありますので、自動車の運転など危険な作業には注意が必要です。
手術をする24時間前はこのお薬は服用しないことが望ましいとされています。手術を予定されている方は医師にご相談ください。

イルベタン錠(イルベサルタン)に関連する薬剤(併売品、合剤、ジェネリック医薬品)

イルベタン錠には関連する薬剤が色々とあります。混乱しないように一つずつみていきましょう。

先発品がもう一つ。併売品とは?

有効成分をイルベサルタンとする先発品には実はもう一つあり、「アバプロ®錠」という商品名で大日本住友製薬株式会社より販売されています。

 

イルベタン®錠/アバプロ®錠のように、共に先発品でありながら異なる薬剤名で販売されている医薬品を併売品といいます。どちらを服用することになるかは、受診をされている医療機関によります。

 

しかし、共に先発品であるため効果は変わりません。イルベタン®錠/アバプロ®錠は錠剤の外観はよく似ていますが、外装シートのデザインが異なります。ジェネリック医薬品と混同してしまう方もいらっしゃいますので、詳しくは医師または薬剤師にご相談ください。

より効率的に。合剤とは?

高血圧症は働きが異なるお薬を組み合わせて治療される場合が多くあります。そこで合剤と呼ばれる1剤の中に2種類の有効成分を含む薬剤が登場しました。

 

合剤が処方されるメリットとしては、服用する薬剤数を減らすことができること、またお薬代を軽減できる場合があることです。

以下にイルベサルタンを含む合剤をご紹介します。

イルベサルタン+カルシウム拮抗薬
・アイミクス配合錠LD(イルベサルタン/アムロジピンとして100mg/5mg)
・アイミクス配合錠HD(イルベサルタン/アムロジピンとして100mg/10mg)

イルベサルタン+利尿剤
・イルトラ配合錠LD(イルベサルタン/トリクロルメチアジドとして100mg/1mg)
・イルトラ配合錠HD(イルベサルタン/トリクロルメチアジドとして200mg/1mg)

お薬代を抑えたい。ジェネリック医薬品とは?

高血圧症の治療としてイルベタン錠の服用を開始した場合、医師からの指示がない限り服用を継続します。続けていくとなると気になるのが毎回のお薬代ではないでしょうか。

 

そういった方はジェネリック医薬品を検討されてはいかかがでしょうか。ジェネリック医薬品は不安だけど価格を抑えたい場合は、オーソライズド・ジェネリック(以下AG)を検討されるといいでしょう。AGとは有効成分はそのままに、添加物や製法も含め先発品と同じ製法を実現した医薬品のことをいいます。

 

イルベサルタンを有効成分とするジェネリック医薬品は多くの製薬メーカーから販売されており、販売メーカーによりお薬の価格である薬価は異なります。前述したAGは一般的なジェネリック医薬品に比べると割高です。

イルベタン錠(イルベサルタン) と同じ成分の市販薬はある?

イルベタン錠は高血圧症の治療を目的とし医師の判断により処方されます。イルベタン錠は医療用医薬品であり、イルベサルタンを配合するOTC医薬品(市販薬)はありません。

参考文献
1. 「イルベタン®錠 50 ㎎、100 ㎎」新発売のお知らせ
2. イルベタン錠50mg/イルベタン錠100mg/イルベタン錠200mg
3. 読めばわかる!オーソライズド・ジェネリック(AG)|第一三共エスファ株式会社

最近ではオンライン診療を行っている病院も増えており、誰でも気軽に相談できるという状況が生まれています。

 

オンライン診療は、
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監修薬剤師 小村 稜
医療編集プロダクションMEDW代表
Webディレクター / 薬剤師

今後の医療に変化をもたらすために、デジタルチーム医療を発足。
「メディアから医療を支える」をミッションに活動している
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