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モービック錠(メロキシカム)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説

監修薬剤師 小村 稜
2021年09月26日
病院やクリニックなどの医療機関でのみ取り扱うことのできるモービック錠(メロキシカム)というお薬をご存じでしょうか。関節リウマチや変形性関節症、腰痛症などに対する消炎鎮痛を目的として使用されるお薬です。今回はモービック錠(メロキシカム)について成分の特徴や効果、副作用について詳しく解説します。
医療用医薬品であるモービック錠(メロキシカム)のみならず、類似成分が配合された市販薬についても解説していますので最後までご覧ください。

モービック錠(メロキシカム)とは

モービック錠(メロキシカム)は世界では1995年に現在のベーリンガーインゲルハイム社から販売が開始されました。日本での販売開始は10年ほど遅く、2005年より販売されているお薬です。このお薬は「非ステロイド性抗炎症薬」に分類され、主に関節リウマチや変形性関節症、腰痛症などにおける炎症・痛みに対して使用されます。病院やクリニックなどの医療機関で医師によって発行された処方箋に基づいて、薬局で受け取ることができる医薬品です

モービック錠(メロキシカム)には有効成分の配合量の違いから5mg錠と10mg錠があり、医師の診断のもと適切な用量が設定されるお薬です。

モービック錠(メロキシカム)の成分について

モービック錠(メロキシカム)に配合されている有効成分はメロキシカムです。メロキシカムは「非ステロイド性抗炎症薬」に分類される成分であり、体内でプロスタグランジンという物質の生成を抑制する作用があります。
プロスタグランジンは体内における炎症反応に関与しており、痛みや発熱を引き起こします。モービック錠(メロキシカム)はプロスタグランジンの生成を抑制することで、抗炎症・鎮痛効果を発揮します。

非ステロイド性抗炎症薬とは

先ほど、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs:Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs)に分類されるお薬はプロスタグランジンの生成を抑制することで炎症を鎮めるという解説をしました。
もう少し詳しく解説すると、プロスタグランジンは体中に存在しているシクロオキシゲナーゼという酵素の働きによって生成されます。NSAIDsに分類されるお薬はシクロオキシゲナーゼの働きを抑えることでプロスタグランジンの生成を抑制します。

NSAIDsの代表的な成分に、ロキソプロフェンナトリウムやアスピリンなどがあります。読者の方も一度は服用したことがあるのではないでしょうか。

シクロオキシゲナーゼ2選択性

先ほど、NSAIDsはシクロオキシゲナーゼの働きを抑制することでプロスタグランジンの生成を抑制し炎症反応を鎮めるという解説をしました。
実はこのシクロオキシゲナーゼにはシクロオキシゲナーゼ1とシクロオキシゲナーゼ2の二種類が報告されています。シクロオキシゲナーゼ1は常に体の中に存在しており、体の調節を行っています。一方、シクロオキシゲナーゼ2は外傷などの刺激によって体内で産生され、炎症反応に関与しています。
多くのNSAIDsは1と2両方のシクロオキシゲナーゼを阻害します。一方、モービック錠(メロキシカム)はシクロオキシゲナーゼ1よりもシクロオキシゲナーゼ2を選択的に阻害し炎症反応を鎮めます。

胃腸障害

NSAIDsに分類されるお薬の多くは、その副作用に胃腸障害などの消化性潰瘍があります。これには先ほど説明したシクロオキシゲナーゼの選択性が関わっています。
炎症の原因となるプロスタグランジンは体の中で悪さをするだけではなく、胃の粘膜を保護するという重要な役割を担っています。
NSAIDsを使用によって全身のシクロオキシゲナーゼが抑制されると、プロスタグランジンによる胃粘膜保護作用が低下し、胃腸障害が現れることがあります。
モービック錠(メロキシカム)を含むシクロオキシゲナーゼ2に選択的なNSAIDsは、特に炎症が起こっている部位で発現しているシクロオキシゲナーゼ2抑制します。その結果、炎症反応に関係するプロスタグランジンの生成が抑制され、抗炎症効果を発揮します。

*消化性潰瘍が起こらないというわけではありません。また、消化性潰瘍のある方はモービック錠(メロキシカム)を使用できませんのでご注意ください。

モービック錠(メロキシカム)はどんな症状に効果がある?

モービック錠(メロキシカム)の効果・効能は次の通りです。

・下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛
関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群

*多くのNSAIDsには消炎鎮痛の他に、解熱作用を併せ持ったお薬が多いですが、モービック錠(メロキシカム)には解熱作用に関する適用はありませんのでご注意ください。

モービック錠(メロキシカム)の用法・用量は?

モービック錠(メロキシカム)の用法・用量は次の通りです。

通常、成人の方はメロキシカムとして10mgを1日1回食後に服用します。
なお、年齢、症状により適宜増減しますが、1日の最高用量は15mgとなっています。

注意事項:国内において1日15mgを超える用量での安全性は確立していません。(使用経験が少ないため)

モービック錠(メロキシカム)の副作用

重大な副作用

消化性潰瘍、吐血、下血等の胃腸出血、大腸炎
消化性潰瘍及び小腸・大腸潰瘍(出血や穿孔を伴うことがある)、出血性大腸炎が現れることがあります。
喘息
ぜーぜー、ヒューヒューの様な通常とは異なる呼吸、激しい咳、呼吸が苦しくなるなどの症状が現れることがあります。

急性腎不全
乏尿(尿が極端にでなくなる)、浮腫(むくみ)、蛋白尿、血液検査値の異常(BUN、血中クレアチニンの上昇)が現れることがあります。

無顆粒球症、血小板減少
白血球が減ることによる発熱や咳などの感染症の症状、血小板減少による易出血性(出血しやすくなること)が現れることがあります。

皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
口腔や眼、外陰部などを含む全身に紅斑、びらん、水疱が多発し、表皮の壊死性障害を認める疾患です。初期症状として高熱、全身倦怠感、食欲低下などが現れることがあります。

ショック、アナフィラキシー
血圧低下、呼吸困難、咽頭浮腫等の症状が現れた場合には、すぐに投与を中止し適切な処置を行ってください。

肝炎、重篤な肝機能障害
肝機能検査値異常(AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇等)、黄疸(肌や白目が黄色くなること)が現れることがあります。

溶血性貧血、再生不良性貧血
赤血球が減ることで、体を動かした時に動悸や息切れ、疲れやすいなどの貧血症状が現れることがあります。(モービック錠(メロキシカム)には直接認められていないものの、他のNSAIDsでこのような副作用が現れることがあるため注意してください。)

その他の主な副作用

消化器:口内炎、食道炎、悪心・嘔気、食欲不振、胃潰瘍、胃炎、腹痛、消化不良、鼓腸放屁、下痢、便潜血

過敏症:発疹、皮膚掻痒、接触性皮膚炎、光線過敏症反応

精神神経系:頭痛、眠気、めまい、味覚障害、しびれ感

その他:浮腫、尿沈渣の増加、尿潜血、ほてり等

*どの副作用も決して頻度が高いというわけではありませんが、お薬を使用する上でリスクを知っておくことは大切です。

モービック錠(メロキシカム)に関する注意点

次に該当する方はモービック錠(メロキシカム)を服用してはいけません。もしも処方されている場合には医師に相談してください。

・消化性潰瘍のある方
・重篤な血液の異常のある方
・重篤な肝・腎機能障害のある方
・重篤な心機能不全のある方
・重篤な高血圧症のある方
・メロキシカム、サリチル酸塩(アスピリン等)又はそのほかのNSAIDsに対し過敏症の既往歴のある方
・アスピリン喘息(NSAIDsによって引き起こされる喘息発作)又はその既往歴のある方
・妊婦又は妊娠してる可能性のある婦人
重要な基本的注意は次の通りです。

・日本人を対象とした臨床試験ではシクロオキシゲナーゼ-2に対してより選択性の低いNSAIDsと比較して、モービック錠(メロキシカム)の安全性がより高いことは検証されていない。

・消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。

・長期投与する場合には定期的かつ必要に応じて臨床検査(尿検査、血液検査及び肝機能検査等)を行うこと。

・感染症を不顕性化(感染しているのに感染していないように見えてしまうこと)する恐れがあるため注意すること。

・他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。

・眼の調節障害、眠気等の精神神経系症状が現れることがあるため、服用中は自動車の運転等危険を伴う機械の操作は行わないこと。

モービック錠(メロキシカム)と同じ成分の市販薬はある?

モービック錠(メロキシカム)と同様の成分を含有する市販薬は販売されていません。一方、NSAIDsに分類されるいくつかのお薬には市販薬が存在しています。
代表的なお薬は「ロキソニンS」などです。

「ロキソニンS」は有効成分としてNSAIDsの一種であるロキソプロフェンナトリウムが配合されています。
こちらのお薬は第一類医薬品に分類されているため、薬剤師のいる薬局やドラッグストアなどで購入することができます。軽い腰痛などの緊急性を伴わない場合には市販薬で様子をみても良いかもしれません。

*痛みが続くようであれば病院やクリニックなどの医療機関を受診してください。

まとめ

今回は関節リウマチや腰痛など、様々な疾患における消炎・鎮痛効果を有するモービック錠(メロキシカム)について詳しく解説しました。NSAIDsはよく処方されるお薬ではあるものの、その使用には注意が必要です。

お薬の使い方をよく理解し、正しくお使いください。
参考文献
モービック錠5mg/ モービック錠10mg
日薬理誌 (Folia Pharmacol. Jpn.) 118, 219~230 (2001)
重篤副作用疾患別対応マニュアル 平成 18 年 11 月 (平成 29 年 6 月改定) 厚生労働省
ロキソニンS 添付文書
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監修薬剤師 小村 稜
医療編集プロダクションMEDW代表
Webディレクター / 薬剤師

今後の医療に変化をもたらすために、デジタルチーム医療を発足。
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