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フリバス錠(ナフトピジル)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説

監修薬剤師 伊波 綾乃
更新日:2024年02月26日

更新日:2024年02月26日

フリバス錠(ナフトピジル)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説のイメージ
高齢になってくると、男性は前立腺が肥大してしまい排尿困難になってしまうことがあります。前立腺肥大症に使われる医薬品は何種類かありますが、今回はフリバス錠(ナフトピジル)について解説していきます。

フリバス錠(ナフトピジル)とは

フリバス錠(ナフトピジル)はドイツ、ベーリンガー・マンハイム社において開発された医薬品です。 臨床試験で前立腺肥大症による排尿障害に対し1日1回の投与で有効性が認められたことから、前立腺肥大症に伴う排尿障害治療のα1 受容体遮断薬として1999年からフリバス錠 25mgと50mgの販売を開始しました。

 

その後、服薬コンプライアンスの向上のため 2005年からフリバス錠75mgが販売されました。さらに、嚥下困難な高齢者でも服薬できるよう口腔内崩壊錠のフリバスOD錠の販売を開始し、現在では前立腺肥大症による排尿障害で困っている多くの患者さんが服用している医薬品の一つです。

フリバス錠(ナフトピジル)の成分について

フリバス錠(ナフトピジル)はα1 受容体遮断薬といわれる医薬品になります。α1 受容体とは、心臓や血管、下部尿路に広く分布しており、交感神経性の反応に関与しています。

 

高血圧、心肥大、排尿障害などの病気に関係しているといわれており、特にα1 受容体遮断薬前立腺肥大による排尿障害に効果が高いことで注目されています。フリバス錠(ナフトピジル)は前立腺及び尿道の平滑筋に作用します。

 

前立腺・尿道のα1 受容体を選択的に遮断し平滑筋収縮を抑制し、尿道の緊張を和らげることで排尿障害の症状を改善します。

フリバス錠(ナフトピジル)はどんな症状に効果がある?

添付文書上の適応は下記の通りになります。
・前立腺肥大症に伴う排尿障害
適応症は1つになります。前立腺があるのは男性のみなので、服用できる患者さんも男性に限られます。また、服用を続けても効果を感じられなければ処方医に相談してください。

フリバス錠(ナフトピジル)の用法・用量は?

添付文書上の用法・用量は下記の通りになります。
成人にはナフトピジルとして1日1回25mgより投与を始め、効果が不十分な場合は1~2週間の間隔をおいて50~75mgに増量し、1日1回食後経口投与してください。
なお、症状により適宜増減しますが、1日最高投与量は75mgまでとされています。

フリバス錠(ナフトピジル)の副作用

フリバス錠(ナフトピジル)の添付文書上の副作用報告は下記の通りになります。

重大な副作用

肝機能障害、黄疸 (頻度不明)
AST、ALT、γ-GTP等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあります。
失神、意識喪失 (頻度不明)
血圧低下に伴う一過性の意識喪失等があらわれることがあります。

その他の副作用

過敏症
発疹、そう痒感、蕁麻疹、多形紅斑
精神神経系
めまい、頭痛、ふらつき、頭重、倦怠感、眠気、耳鳴り、しびれ感、振戦、味覚異常
循環器系
立ちくらみ、低血圧、動悸、ほてり、不整脈、頻脈
消化器症状
胃部不快感、下痢、便秘、口渇、吐き気、嘔吐、腹部膨満感、腹痛
血液障害
血小板減少
眼症状
霧視、術中虹彩緊張低下症候群、色視症
その他
浮腫、尿失禁、眼瞼浮腫、肩こり、鼻閉、勃起障害、女性化乳房、腹痛

フリバス錠(ナフトピジル)に関する注意点

使用禁忌・使用注意の患者さん

使用禁忌の患者さんとして、フリバス錠(ナフトピジル)に対し過敏症の既往歴のある患者です。

 

再度使用しても、また同じように発疹や痒み、蕁麻疹が出ることがあるので、過敏症が起こった患者さんはお薬手帳の副作用の欄に記載するなど、医師・薬剤師が見てわかるようにしておくと安心かと思います。

 

また、重篤な心疾患のある患者さん、重篤な脳血管障害のある患者さん、肝機能障害のある患者さんは副作用が強く出てしまう可能性があることから、注意して使用する必要があります。

万が一、作用が強く出てしまった場合は早急に医療機関を受診することをお勧めします。

併用禁忌・併用注意の医薬品

併用禁忌の医薬品はありませんが、併用注意の医薬品が多数あります。
降圧薬や利尿薬を併用してしまうと降圧作用が強くなり低血圧になりやすくなってしまうことから、併用注意となっています。

 

また、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する医薬品(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物など)は血管拡張作用による降圧作用があるため、フリバス錠(ナフトピジル)の血圧降下作用と相乗効果を示し、血圧が下がりやすくなるため併用するときは注意が必要になってきます。

 

高齢になってくると降圧薬を服用している方は多くいらっしゃると思います。医師は相互作用を考えながら処方していくので、受診の際にはお薬手帳を持参するようお願いします。また、併用していて血圧が下がりすぎてしまうようなことがあれば、早めに医師・薬剤師に相談してください。

高齢者

高齢者では肝機能が低下していることが多いため、低用量(例えば12.5mg/日など)から投与を開始するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与することとされています。

 

フリバス錠(ナフトピジル)は、主に肝臓から排泄されますが、高齢者では排泄が遅延し、高い血中濃度が持続するおそれがあるからです。そうなると、起立性低血圧やふらつき、めまいなどの症状で倒れてしまうことがあるので、高齢者では用量の調整がとても大切になります。

小児

小児で使用される医薬品ではないので、小さいお子さんに処方が出てしまった場合は、処方元の医師へ問い合わせてください。

 

調剤時に薬剤師が問い合わせて処方削除や処方変更になって終わることがほとんどですが、万が一手に渡ってしまった場合は、絶対に服用させず医師や薬剤師に再度確認をとるようにしましょう。

妊婦・授乳婦

フリバス錠(ナフトピジル)は男性にのみ使用できる医薬品なので、女性が使用することはまずあり得ません。妊婦・授乳婦の方以外でも女性に処方されるようなことがあれば、医師に問い合わせが必要になってきます。

 

妊婦・授乳婦の方への使用経験はもちろんないので母体へ与える影響もわかっていません。誤って服用した場合、起立性低血圧やめまい、ふらつきなどの副作用が怒ることが考えられます。その場合は、早急に普段通っている産婦人科や救急を受診してください。

フリバス錠(ナフトピジル)と同じ成分の市販薬はある?

フリバス錠(ナフトピジル)と同成分の市販薬は現在のところ販売されていません。個人で服用することによる副作用の危険性が高いことから今後も市販化されることはないと思われます。

 

しかし、市販の漢方薬で尿トラブルを解決できるもがあるのでいくつか紹介します。
まずは、『八味地黄丸(はちみじおうがん)』、『八味丸(はちみがん)』、『牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)』です。

 

これらは「腎」の機能を補う効果があるのが特徴の漢方薬です。胃腸の丈夫な人向けの漢方薬で、体を温める作用のある附子(ブシ)や桂枝(ケイシ)を含んでいるので、冷えると症状が悪化する頻尿や老化に伴う遅延尿(トイレに行ってもすぐに尿が出ない)によく効きます。疲れやすく、手足が冷えやすい人に適しています。

 

また、『猪令湯(ちょれいとう)』は排尿困難や頻尿などの他、尿量が少なくなったり、排尿時に痛みを伴う場合におすすめです。下腹部の熱を冷まして、利尿効果を高める効果のある猪苓(チョレイ)が主薬の漢方薬でになります。

 

また、一緒に配合されている漢方の滑石(カッセキ)の働きで利尿作用がより強まり、滑りがよくなるため排尿時痛を解消する作用もあります。

尿量を増やして悪いものを洗い流す力を高めるので尿路結石にも使用されます。

1回の尿量が少なく、汗をあまりかかない人、一度症状がなくなっても繰り返す場合に適しています。

市販薬で対応できればいいのですが、服用して2週間経っても症状の改善が見られないようであれば効果がないと判断できるので、その場合は医療機関を受診して適切な医薬品を処方してもらってください。

最後に

今回はフリバス錠(ナフトピジル)について解説していきました。
他の医薬品についても解説していますので、興味があればそちらの方もご覧になってください。

参考文献
フリバス錠添付文書https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2590009F4020_1_15/?view=frame&style=XML&lang=ja
α1 アドレナリン受容体の分類とα1 遮断薬の最新情報
https://www.jstage.jst.go.jp/article/yakushi/126/Special_Issue/126_Special_Issue_187/_pdf/-char/ja
セルフメディケーション|尿トラブル|e健康ショップ
https://www.ekenkoshop.jp/special/self_29/

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監修薬剤師 伊波 綾乃
総合病院で4年、保険薬局で3年勤務。がん治療期~緩和ケア領域、小児科、耳鼻科、透析、心療内科を経験。現在はフリーランス。 症状に適したお薬選びができるよう、読者の皆様の手助けができればと思います。
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