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オンライン診療利用時における薬局からの薬の受け取り方は?オンライン服薬指導など新たな対応も併せて紹介

監修医師 木村眞樹子
更新日:2024年02月21日

更新日:2024年02月21日

オンライン診療利用時における薬局からの薬の受け取り方は?オンライン服薬指導など新たな対応も併せて紹介のイメージ
新型コロナウイルス感染症の拡大によりオンライン診療が注目を集めており、感染への対策のためのこのサービスを利用する方が増えています。

この記事では、オンライン診療やオンライン服薬指導とはどのようなサービスなのか?このサービスの中で薬剤師はどのように調剤しオンラインで対応しているのか?在宅しながらどのように処方薬を受け取ることができるのか?についてご紹介します。

オンライン診療とは

オンライン診療という医療のサービスをご存じでしょうか。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染が全国的に拡大する中、在宅しながら診察を受ける方法がないか、薬剤を調剤薬局の店舗まで取りに行かずに郵送で対応してくれる方法ないかと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

厚生労働省は、オンライン診療について、「遠隔医療のうち、医師-患者間において、情報通信機器を通して、患者の診察及び診断を行い診断結果の伝達や処方等の診療行為を、リアルタイムにより行う行為」と定義しています。

 

診察を受けたいけれども様々な事情で対面での診察を受けるのが困難な患者さんが、電話やパソコン、スマートフォン(スマホ)やタブレットを活用してリアルタイムで診察を受けられるというものです。

 

オンライン診療の原型である遠隔診療は最近始まったように感じますが、開始されたの1997年と意外と長い歴史があります。

 

ただし、開始当時は、

(1)初診、急性期の疾患に関しては対面診療でなければいけない
(2)慢性期疾患の患者など、病状が安定している場合のみ行う事ができる
(3)離島、へき地など、直接の対面診療を行う事が困難である場合にのみ行われるべきである

といったあくまで対面診療が原則である方針が示されました。

 

このような厳しい条件に加え、診療報酬が低かったため遠隔診療はあまり普及しませんでした。

しかしその後、厚生労働省から平成27年に患者側の要望に基づいて適切に対面診療と組み合わせて遠隔診療を行うことは差し支えないという見解が示され、株式会社メドレーをはじめとした様々な企業が遠隔診療サービスに参入しました。

 

また、平成29年には遠隔診療を電子メールやSNSで行うことが可能であること、禁煙外来については定期的な健康診断・健康診査が行われていることを医師が確認することを条件に、遠隔診療で診察できることが示されました。

 

さらに、令和2年にオンライン診療に関する診療報酬の改定も行われ、医学管理料がアップしました。このように医療の制度が見直され、オンライン診療は徐々に拡がりをみせています。

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い多くの病院やクリニックで導入

そして、2019年に発生した新型コロナウイルス感染症によりオンライン診療の状況もさらに大きく変わろうとしています。

 

COVID-19の影響により医療機関の収入が減少しています。日本医師会の発表によると、2020年5月の総件数および総日数は前年同月に比べて2割減少し、総点数は1割減少し、診療所でも総件数、総日数、総点数の全てが2割減少しています。

 

その一方で、2019年にはほとんど見られなかった電話などによる相談や再診が2020年4月以降急増し、4~5月の外来診療算定回数の約2%がオンライン診療だったと報告されています。

 

このように、新型コロナウイルスの院内感染の懸念から通院患者数が減少していますが、医療機関への通院による院内感染は避けたいけれども診療はして欲しいという患者のニーズがあることから、オンライン診療のシステムを導入する医療機関が増加しています。

 

2020年11月現在、厚生労働省のホームページには、オンライン診療システムを導入している医療機関の一覧が掲載されており、1万以上の医療機関が登録を済ませています。いつも通っている病院やお住まいの近くの病院が登録されているか検索してみましょう。

 

また、オンライン診療の普及に伴い、オンライン診療をサポートするアプリが登場し利用されてきています。

CLINICS、curon、ポケットドクター、YaDocなど様々なアプリが存在します。

 

これらのアプリは診察の予約からクレジット決済までの全てをひとつのアプリで実施することができる機能がある点で特徴的です。

この機能により、医師の先生だけでなく、患者さん自身の診察や薬剤の服用などの情報を管理できる点でとても便利です。

 

このようにオンライン診療という制度や各社によって開発されたアプリを利用して患者さん自身で病気や健康をコントロールできるオンライン診療システムが構築されています。

薬局でもオンライン服薬指導や薬の配送など新たな対応が開始

新型コロナウイルスによる影響は病院やクリニックだけでなく薬局にも出ています。これまでは患者さんが病院やクリニックで受け取った処方箋を薬局に持参し、これをもとに調剤し、対面で服薬指導を行うのが一般的でした。

 

しかし、新型コロナウイルス感染症への不安で病院やクリニックだけでなく薬局にも足を運ぶのを控える患者さんも増えています。

 

医師がオンライン診療を行うように、薬剤師もオンラインでの服薬指導(オンライン服薬指導)や薬の配送により、感染症への対策のために外出を控えたいが病気をコントロールしたいという患者さんをサポートしています。

オンライン服薬指導って何?

医師が情報通信機器を使って診察を行うのと同様に、薬剤師が情報通信機器を使って服薬指導を通じて薬剤の説明を行うというものです。

 

患者さんはオンライン診察の際に、くすりの郵送やオンライン服薬指導を希望すれば、医師はその旨を処方箋に「0410対応」記載し、faxで患者が希望する薬局に送付します。

 

薬剤師が通信機器によるオンライン服薬指導が可能と判断した場合、通信機器を用いた服薬指導による処方薬の説明を行います。

 

ご病気の方や高齢の方など情報通信機器の扱いが困難な場合は家族の方が付き添うなど周囲の理解が必要な場合があります。

 

このオンライン服薬指導は薬剤師の重要な役割として、月に1回まで薬剤服用歴管理指導料を算定することができるようになっています。

薬の配送について

薬の配送への対応は院外処方と院内処方とで変わってきます。

院外処方の場合は医療機関が患者さんの希望する調剤薬局へ処方箋を送り、薬剤師が調剤した後、その薬局から患者さんが指定する住所へ郵送されます。

 

薬を受け取りにわざわざ薬局まで行きたくないという方や、新型コロナウイルスが怖くて薬局に行くのが不安という方、お住いの場所から薬局が遠い、薬局に行くのに大変な苦労が必要な方は薬を配送してもらえるよう依頼しましょう。

 

一方、病院内に薬局があり、院内処方される場合は、その医療機関から患者さんの指定の場所に薬を配送することができます。窓口に問い合わせてみてください。

 

薬剤の郵送の対応してくれるか医療機関や調剤薬局の受付に問いあわせたりホームぺージを検索してみましょう。

オンライン診療後の処方箋や薬の動きについて

オンライン診療から薬が配送されるまで、どのような過程があるのでしょうか。

処方箋は医師など医療機関からfax等で患者希望の薬局へ送信

医師の先生が薬を処方する場合があります。

これまでは医療機関で発行によって発行された処方箋は患者さんに手渡され、その処方せんは患者さん自身が薬局に持参するという流れが一般的でした。

 

感染症防止のために在宅しながら薬を受け取りたい、服薬指導を受けたいとの患者さんの希望があれば、医師はfaxで処方箋を患者さんが希望する薬局に送付します。

薬局はその処方箋をもとに薬剤師が調剤を開始

医療機関からfaxを通じて送られた処方箋を受付けた薬局の薬剤師は、この情報を基に調剤を開始します。

患者さんが店舗に来られるか、郵送する必要があるのかなどを確認し、調剤を実施します。

薬の受け取り方

次に、薬剤の受け取り方としてどのような方法があるかご紹介します。

患者さんが直接薬局へ行く

これまでと同じように、患者さんが薬局に足を運び薬を受け取ることができます。

自宅や施設へ薬を配送してもらう

自宅や施設へ薬を配送してもらうこともできます。

薬を配送した場合は電話またはオンラインでの服薬指導を受ける

これまでは薬局で薬を直接受け取る際に服薬指導を受けていましたが、配送によって薬を入手した場合はオンライン服薬指導を受けることになります。

薬が到着したら薬局から連絡があり、薬を適切に使用するために必要な情報が提供されます。その指導に従って薬をご使用ください。

すぐに必要な薬剤なら直接薬局へ取りに行くことがおすすめ

いつも飲んでいる薬が数日中には切れてしまうためできるだけ早く薬を手に入れたいという方や、体調が悪くできるだけ早く薬を飲みたいという方は、薬局に足を運び薬を受け取りましょう。

自宅に残薬がある方や感染防止対策したい方は配送も選択肢に

薬局から患者さんの自宅や入所している施設に配送してもらうことができます。

体調がよく、いつも飲んでいる薬がまだ1週間以上残っているという方や、新型コロナウイルス感染症が心配で出来るだけ外出せずに薬を受け取りたいという方は、薬を配送してもらいましょう。

このようなサービスを行っているかご希望の薬局に問い合わせてみてください。

オンライン診療では処方できない薬もある

オンライン診療では麻薬や向精神薬は処方できない決まりになっています。

向精神薬とは、中枢神経に作用し精神疾患の治療に用いられる薬剤の総称で、抗うつ薬や抗精神病薬、抗不安薬、睡眠薬などがあります。

自分に合った医療サービスを確認して利用していきましょう

1998年から開始された遠隔医療が、2019年の新型コロナウイルス感染症の発生により大きく変わろうとしています。ある意味、進歩してきていると言えるかもしれません。

 

オンライン診療アプリを利用すれば、新型コロナウイルス感染症対策を講じながら、診療の予約や確認、クレジット決済が一元管理できるようになりました。

 

薬も在宅しながら郵送により受け取ることができます。ただし、このような対応をしているかご希望の医療機関や調剤薬局にご確認ください。

 

とはいえ、診察がすべてオンラインになったわけではなく、これまで通り通院し、薬局で薬を受け取ることができます。

 

対面で話をするほうがよいという方もいらっしゃるでしょう。ご自分にあった医療サービスを選択し、利用していきましょう。

 

この記事は、令和2年4月10日に発出された「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて(令和2年4月10 日事務連絡)」という資料に基づいて書かれていますが、状況は目まぐるしく変わっています。最新の情報はご自身でご確認ください。

参考文献
厚生労働省 オンライン診療の適切な実施に関する指針
厚生労働省 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえたオンライン診療について

最近ではオンライン診療を行っている病院も増えており、誰でも気軽に相談できるという状況が生まれています。

 

オンライン診療は、
・受付や会計の待ち時間が短縮される。
・自宅や外出先で診療が受けられる。
・院内処方の場合くすりが自宅に届く。
・院内感染・二次感染のリスクがない。
などのメリットがあり、非常に便利なサービスです。

 

SOKUYAKUでは、多数の診療科目や全国から病院を探すことができます。

 

また、新型コロナウイルス感染症の検査は、医療機関以外の自宅でも実施が可能です。

 

SOKUYAKUで、ビデオ通話にて診療をご受診頂き、PCR検査をご希望の場合は、SOKUYAKUからご自宅で唾液採取して頂く検査キットをご注文頂けます。

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周辺への感染の可能性を配慮して外出を控えたいやその他事情により、病院に行くことが難しい場合は、オンライン診療を検討してみてはいかがでしょうか。

当コラムの掲載記事に関するご注意点

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監修医師 木村眞樹子
現役医師、産業医 10年以上大学病院で臨床に従事、産業医として企業の健康経営にも携わる 2019年より医療ライターとしても活動している
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