ハルナールD錠(タムスロシン塩酸塩)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説
更新日:2024年02月19日
ここではハルナールD錠を正しくお使いいただくために、ハルナールD錠(タムスロシン)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説していきます。
ハルナールD錠(タムスロシン塩酸塩)とは
ハルナールD錠とはアステラス製薬から販売されている前立腺肥大症に伴う排尿障害を改善するお薬です。
1993年7月にハルナールカプセルとして販売され、その後、1995年に飲みやすさを目的とした口腔内崩壊錠のハルナールD錠0.1mg、ハルナールD錠0.2mgが発売されました。
口腔内崩壊錠が開発された経緯
1993年7月に山之内山之内製薬(現アステラス製薬)からハルナール0.1mgカプセルとハルナール0.2mgカプセルの販売が開始されました。
しかし、前立腺肥大症の治療を必要とする多くは嚥下(飲み込み)機能が低下した高齢者であるため、飲みやすさを目的とした口腔内崩壊錠での開発が行われました。
口腔内崩壊錠とは口に入れると、唾液で錠剤がすばやく溶け、水なしでも飲むことができるお薬のことで、1995年に口腔内崩壊錠であるハルナールD錠0.1mg、ハルナールD錠0.2mgが発売されました。
ハルナールに続くDはDisintergrating、崩壊という意味を示しています。ハルナールD錠も水なしでの服用が可能であることから、飲み込む能力が低下した高齢者であっても抵抗なく服用することができるようになりました。
ハルナールD錠(タムスロシン塩酸塩)の成分について
ハルナールD錠の有効成分はタムスロシン塩酸塩です。タムスロシン塩酸塩は尿道や前立腺に存在するα1受容体を遮断することで、前立腺による尿道の圧迫を緩め排尿障害を改善します。
ハルナールD錠(タムスロシン塩酸塩)はどんな症状に効果がある?
ハルナールD錠は前立腺肥大症に伴う排尿障害に効果があります。冒頭でもご紹介しましたようにハルナールD錠は、前立腺肥大症の治療に用いられるお薬です。
前立腺は男性の尿道を取り囲むように存在し、正常な場合の大きさはクルミ大です。前立腺肥大症の正確な原因はわかっていませんが、前立腺は加齢とともに肥大化する傾向があります。
肥大化した前立腺が尿道を圧迫すると、尿が出にくくなる排尿障害が現れます。排尿障害の症状としては、尿が残っている感じがしたり(残尿感)、トイレが近くなったり(頻尿)といった症状が現れます。ハルナールD錠はこのような排尿障害を改善するお薬として用いられます。
前立腺肥大症とは?
前立腺肥大症は、良性の大きくなった前立腺によって排尿が障害され残尿感、頻尿等の症状が現れている状態です。中高年以降の男性にみられる進行性の疾患で、加齢とともに増加します。
原因ははっきりわかっていませんが、加齢、男性ホルモン、その他遺伝的要因、食事と嗜好品、肥満、高血圧、高血糖、脂質異常症など様々な要因が関わっていると考えられています。
初期の段階では治療をせず経過をみる場合もあり、その後必要に応じてお薬による治療が行われます。お薬での改善が不十分な場合は外科手術が行われる場合もあります。
ハルナールD錠(タムスロシン塩酸塩)の用法・用量は?
ハルナールD錠は通常、成人にはタムスロシン塩酸塩として 0.2mg を 1日 1 回食後に経口投与します。なお、年齢、症状により投与される量は必要に応じて調整されます。
腎機能が低下している高齢者では注意が必要です。高齢者で腎機能が低下している場合はタムスロシン塩酸塩として0.1mgから投与を開始し、経過を十分に観察した後にタムスロシン塩酸塩として0.2mgに増量します。
タムスロシン塩酸塩として0.2mgで期待する効果が得られない場合にはそれ以上の増量は行わず、他の適切な処置を行うこととされています。
ハルナールD錠(タムスロシン塩酸塩)の副作用
ハルナールD錠による特に注意が必要な重大な副作用は、失神・意識消失、肝機能障害・黄疸が挙げられます。
重大な副作用が現れることはごくまれではありますが注意が必要です。
このような症状が現れた場合はすぐに医師に相談しましょう。
・失神・意識消失
気を失う、意識が遠のくなどの症状が現れることがあります。血圧が低下することにより一過性の意識消失などが報告されています。
・肝機能障害・黄疸
全身倦怠感、食欲不振、皮膚や白目が黄色くなるなどの症状が現れることがあります。
ハルナールD錠(タムスロシン塩酸塩)に関する注意点
ハルナールD錠を服用する場合は以下に注意してください。
ハルナールD錠を服用する場合は以下に注意してください。
ハルナールD錠を服用することにより血圧低下や起立性低血圧が現れることがあります。
起立性低血圧とは立ち上がった際に起こる血圧の低下で、ふらつきやめまい、意識が遠のくなどの症状として現れます。以下に注意が必要です。
お薬の量
過剰な量を服用した場合、血圧低下が現れる可能性が高くなります。ふらつき、めまいなどが現れた場合はすぐに相談しましょう。
立ち上がる時はゆっくりと
立ち上がる時に血圧の低下が起こる可能性があります。立ち上がる場合は、血圧の変化に注意するようにしましょう。また、過去に起立性低血圧を起こしたことがある方は特に注意が必要です。
血圧を下げる薬を飲んでいる方は伝えましょう。
ハルナールD錠と血圧を下げるお薬を一緒に服用することで、血圧が更に下がってしまう可能性があります。病院を受診する際は必ず伝えるようにしましょう。
白内障の手術を予定されている方
白内障の手術を受ける際は眼科の医師にハルナールD錠を服用中であることを伝えましょう。
ハルナールD錠による術中虹彩緊張低下症候群という副作用が現れる可能性があります。
ハルナールD錠を服用する時に注意すべき点
ハルナールD錠を服用する場合は以下に注意しましょう。
水なしでの服用ができる
唾液ですばやく溶けますので、水なしでも服用ができます。
ただし、口の粘膜から吸収はされませんので、唾液または水で飲み込むようにしましょう。
また、溶けやすい性質のお薬ですのでぬれた手で触らないようにしましょう。
服用する体勢は?
横になったまま(寝たまま)服用しないでください。身体を起こして服用しましょう。
噛まずに服用しましょう
ハルナールD錠は噛み砕かないようにしましょう。ハルナールD錠には薬物が体内で徐々に放出されるように設計された徐放性粒が含まれています。
噛み砕くことでこの徐放性粒が壊れお薬の効果に影響が出る場合が考られます。
ハルナールD錠(タムスロシン塩酸塩)と同じ成分の市販薬はある?
ハルナールD錠の有効成分であるタムスロシンを含む市販薬は販売されていません。ハルナールD錠は医療用医薬品であるため医師の処方が必要です。今回はハルナールD錠について解説してきました。
ハルナールD錠は前立腺肥大症に伴う排尿障害を改善するお薬です。排尿障害の原因となる疾患は前立腺肥大症だけではありませんので、排尿障害でお困りの場合は医療機関を受診することをお勧めします。
参考資料
ハルナールD錠0.1mg ハルナールD錠0.2mg インタビューフォーム
https://amn.astellas.jp/content/dam/jp/amn/jp/ja/di/doc/Pdfs/DocNo202008125_y.pdf
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Webディレクター / 薬剤師
今後の医療に変化をもたらすために、デジタルチーム医療を発足。
「メディアから医療を支える」をミッションに活動している
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