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ルプラック錠(トラセミド) に含まれている成分や効果、副作用などについて解説

監修薬剤師 廣瀬安國
2021年09月27日
むくみが気になったことはありませんか?
ルプラック錠(トラセミド)は、むくみなどの症状に使われることがある利尿剤のひとつで、ざまざまな医療機関や調剤薬局で採用されています。ルプラック錠の注意点などを知っておくことで思わぬ副作用を防ぐことも可能です。
今回は、ルプラック錠に含まれている成分や効果、副作用などについて解説します。

ルプラック錠(トラセミド) とは

ルプラック錠(トラセミド)は、1999年に田辺三菱製薬株式会社から販売されているループ利尿剤です。他のループ利尿薬に比べると高い利尿作用があるのが特徴です。また、ループ利尿薬の中では、カリウム排泄が低いので低カリウム血症を起こしにくい特徴もあります。ループ利尿薬は、腎臓の血流量や糸球体濾過率への影響が少ないため、腎障害を合併している高血圧患者にも使用可能です。

ループ利尿薬とは

むくみの原因として体内に余分に水分が余分にたまることにあります。血液中にも水分が含まれているので、水分量が多いと血流も悪くなります。ループ利尿薬は、尿量を増やし、体内に過剰にたまった水分を排泄させてむくみなどを改善する医薬品です。腎臓に存在する尿細管で尿の水分量が調節されています。ループ利尿薬は、尿細管のヘンレループという原尿から水分を再吸収する部位の働きを阻害して尿量を増量させる効果があります。

ジェネリック医薬品が存在する

ルプラック錠(トラセミド)には、ジェネリック医薬品が存在します。ジェネリック医薬品は、新薬の特許期限が切れたことで、他の製薬会社が製造、販売できるようになった医薬品です。新薬の開発に莫大な開発費用と長い歳月がかかっているため、開発費用のかかっていないジェネリック医薬品ではお薬代を安くできるというメリットがあります。ジェネリック医薬品を希望される場合には、医師や薬剤師に相談してください。

ルプラック錠(トラセミド) の成分について

ループ利尿薬の特徴的な副作用として、電解質異常があります。腎臓に存在するヘンレループに作用して原尿から水分の再吸収を抑制するだけでなく、カリウムの再吸収も抑制します。そのため、ループ利尿薬は、カリウムの排泄が促進されるため低カリウム血症を起こすことがありますが、ルプラック錠は抗アルドステロン作用を持っているためカリウムの排泄が少ないのが特徴です。

アルドステロンとは

アルドステロンは副腎から分泌されるホルモンです。腎臓には、アルドステロンの受容体が存在し、ナトリウムを保持し、カリウムを排泄するように作用します。ルプラック錠は、腎臓のアルドステロン受容体を阻害してカリウムを保持する作用があるため、ループ利尿薬の中でも低カリウム血症を起こしにくい特徴があります。

ルプラック錠(トラセミド)はどんな症状に効果がある?

ルプラック錠(トラセミド)は、心性浮腫、腎性浮腫、肝性浮腫などの症状に使用されます。
心性浮腫は、心不全などが原因で起こり、顔からおなかまわり、足にかけてむくむ状態です。
腎性浮腫は、腎不全などで全身にむくみがあらわれます。比較的むくみが強く、排泄できなかった水分により体重も増えます。
肝性浮腫では、肝硬変などによって腹水がたまり、おなかが膨らむ、下半身のむくみ、全身の倦怠感、黄疸などがあらわれます。

ルプラック錠(トラセミド)の用法・用量は?

通常、ルプラック錠(トラセミド)として1日1回4〜8mgを使用します。年齢や症状などによって増減できます。

ルプラック錠(トラセミド) の副作用

ルプラック錠(トラセミド)の副作用があらわれる確率は、臨床試験によると934例中32例(3.43%)が報告されてます。主な副作用として頭痛、倦怠感、口渇、めまい、立ちくらみです。また、臨床検査値の副作用として血清尿酸値上昇、血清カリウム値低下、AST上昇、ALT上昇、CK上昇、クレアチニン上昇、LDH上昇が報告されています。
重大な副作用としては、肝機能障害、黄疸、血小板減少、低カリウム血症、抗カリウム血症がみられます。ルプラック錠を使用して体調変化が起きた場合には副作用の可能性があるので医療機関へ受診しましょう。

ルプラック錠(トラセミド) に関する注意点

ルプラック錠(トラセミド)は、他の利尿剤に比べると高い利尿作用と抗浮腫作用があり、腎臓への負担も少ないのでさまざまな場面で使用されています。しかし、ルプラック錠にも注意するべきポイントがあるので知っておく必要があるでしょう。こちらでは、ルプラック錠の注意点を解説します。

電解質異常や脱水には注意

ループ利尿薬では比較的低カリウム血症を起こしにくいとされていますが、ルプラック錠によくみられる副作用として低カリウム血症があります。カリウム値が低下すると全身倦怠感、脱力感、不整脈がみられることがあるので体調変化には注意が必要です。また、利尿薬を使用することで必要以上に水分が排泄され、脱水を起こすことがあります。下痢や嘔吐がある場合には脱水だけでなく、電解質異常のリスクも上昇するのでルプラックの使用に注意が必要です。ルプラックを使用する場合には、こまめな水分補給をするようにしましょう。

運転には注意

利尿剤や降圧剤などを使用すると急激に血圧が低下することがあります。急激な血圧低下によってめまいやふらつきなどがあらわれることがあるので、自動車の運転、機械を使用する危険な作業をする場合には注意してください。

午前中の服用が望ましい

夕方以降に利尿剤を服用すると寝ている時にトイレに行きたくなることがあります。そのため、利尿剤は午前中に使用することが望ましいとされています。

腎機能障害、肝機能障害がある場合には注意

ルプラック錠は、比較的腎臓への負担が少ない医薬品ですが、無尿の患者さんには使用できません。腎機能が正常に働かないことで起こる無尿では、尿が生成できないためルプラックを使用しても効果が期待できないです。
肝性昏睡の患者さんでは、ルプラック錠の投与によって脳内への血中アンモニアの移行が増加したと報告されているため肝性昏睡の症状が悪化する可能性があります。

痛風や糖尿病には注意

ルプラックを使用することで尿酸値が上昇することがあります。そのため、高尿酸血症がある場合には痛風発作を引き起こす可能性があるので注意が必要です。
血糖値を上昇させる可能性もあるので糖尿病がある場合にも注意してください。

デスモプレシンと併用できない

男性における夜間頻尿に使用されるデスモプレシンを使用している場合には、ルプラック錠(トラセミド)の使用は避けてください。デスモプレシンは抗利尿作用があり、水分がたまることで低ナトリウム血症が引き起こされることがあります。ルプラック錠の使用でも低ナトリウム血症を起こすリスクがあるので併用しないように注意が必要です。

ルプラック錠(トラセミド) と同じ成分の市販薬はある?

ルプラック錠(トラセミド)は利尿作用と抗浮腫作用があるので、足のむくみなどが気になる場合に使用したいと思う方もいるでしょう。しかし、ルプラック錠は、医療用医薬品であるため、入手には医師の診察を受ける必要があります。ルプラック錠と同じ成分の市販薬があれば、足のむくみなどに有効的に対処できるかもしれません。

ルプラック錠と同じ成分の市販薬は存在しない

ルプラック錠(トラセミド)と同じ市販薬は残念ながら存在しません。しかし、利尿作用に期待できる市販薬は存在します。

防已黄耆湯

体力が中等度以下で、疲れやすく、汗をかきやすい傾向がある場合の肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症などに使用できる市販薬です。体内の水分バランスを整えるとともに、胃腸の働きを改善する効果が期待できます。

五苓散

体力に関係なく、のどが渇いて尿量が少ない場合にめまい、吐き気、嘔吐、腹痛、頭痛、むくみなどが伴う水溶性下痢、急性胃腸炎、夏バテ、頭痛、二日酔いに使用できます。体内の水分バランスを整えることでむくみなどの症状にも効果が期待できます。

気になることがあれば医療機関へ

むくみが気になる場合には、市販薬で対処することも選択肢にあげられますが、心臓や腎臓、肝臓の機能に問題があるサインである可能性もあります。そのため、市販薬でも思うようにむくみが改善しない場合や症状が悪化する場合には重大な病気の可能性もあるので注意が必要です。むくみ以外にも体調不良が継続する場合に医療機関へ受診してください。
参考文献
ルプラック錠添付文書
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/400315_2139009F1026_2_07
デスモプレシン添付文書
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/670666_2419001F4022_1_03
アルドステロン症,MSDマニュアル家庭版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/12-ホルモンと代謝の病気/副腎の病気/アルドステロン症
むくみの症状,大正製薬
https://taisho-kenko.com/disease/detail/298
防已黄耆湯,クラシエ
https://www.kracie.co.jp/ph/k-therapy/prescription/bouiougito.html
五苓散,クラシエ
https://www.kracie.co.jp/ph/k-therapy/product/package/c_hangover.html?_ga=2.250148678.177377217.1632498173-1357767038.1632019473#goreisan
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監修薬剤師 廣瀬安國
調剤薬局で薬剤師として従事。 薬剤師として学んだ知識と経験を活かして、医療用医薬品だけでなく身近に存在している市販薬についてもわかりやすく伝えることを意識して記事を執筆しています。
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