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女性の薄毛「FAGA」とは?原因や治療薬を詳しく解説

監修医師 高藤 円香
更新日:2024年05月28日

更新日:2024年05月28日

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髪の毛は女性にとって非常に重要なもので、女性の印象づくりやファッションにおいて欠かせない存在です。そのため、髪の毛が少なくなると不安になる女性も多いと思います。薄毛は男性特有のものと思っている方も多く、薄毛になった女性は羞恥心を感じる方もいらっしゃると思います。

しかし、薄毛は男性特有のものではありません。最近ではAGAと同様の症状が起こるFAGAという女性に起こる脱毛症でお困りの方が増加しています。FAGAは治療可能なものですので、薄毛を改善できる可能性があります。

このページでは、FAGAの原因や症状、治療法などを丁寧に説明します。FAGA以外で女性の薄毛を引き起こす原因についても説明しますので、ご自身の薄毛の原因や症状について理解して、最適な対処法を講じましょう。

女性の薄毛「FAGA」とは?

女性の薄毛を総じてFAGA(女性男性型脱毛症)と言います。1964年頃から研究がスタートしたと言われており、はじめは男性のAGA(男性型脱毛症)と同様のものとされていたため、AGAに女性を表す英単語「Female」の頭文字を付けてFAGAと言われるようになりました。しかし、長年の研究の結果、AGAとは症状や原因に違いがあることが判明したため、昨今は「FPHL(Female Pattern Hair Loss)」と言われることもあります。

FAGAの症状

AGAは頭頂部や前頭部など、部分的に毛が薄くなる傾向にありますが、FAGAはAGAのような部分的な脱毛ではなく、頭部全体の毛が少なくなる傾向にあります。こうした症状は40〜50代の壮年期の方に見られることがほとんどですが、20代頃の方で見られることもあります。症状の程度は人によって異なります。特に、分け目がクリスマスツリーの枝のように広がって見える「frontal accentuation」という症状がよく知られています。

FAGAの進行パターン

FAGAの症状は複数ありますが、下記に該当する場合はお気を付けください。

 

・額が後退してきた

・分け目が広くなってきた気がする

・朝起きると枕に抜けた髪の毛が付いている

・頭頂部の地肌が分かるようになってきた

・シャンプーなどをする際の抜け毛が多くなってきた

・コシ、ハリが少なくなってきた

・髪のボリュームが減ってきた

・かゆみ、フケが気になるようになってきた

・ご家族に薄毛の方がいる

 

FAGAは3つの種類(症状)に大別され、種類毎に進行形態に違いがあります。

ご自身がどの種類に該当するかチェックしてください。

ルードウィッグ型

ルードウィッグ型は、FAGAで一番よく見られる症状です。生え際は後退しませんが、頭頂部から後頭部にかけて毛が薄くなる傾向にあります。

また、ルードウィッグ型は、進行の程度に応じてⅠ型からⅢ型の3つに分けられます。

 

<Ⅰ型>

正面から頭頂部にかけて全体的に毛が薄くなった状態のことです。Ⅰ型では周囲の方に言われるまで薄毛を自覚できないことも少なくありません。

 

<Ⅱ型>

Ⅰ型よりも薄毛の範囲が広くなった状態です。ご自身で鏡を見て自覚することもできます。

 

<Ⅲ型>

前頭部から少しずつ後退が始まっている状態です。男性のAGAと同様の症状です。

クリスマスツリー型

クリスマスツリー型は、生え際から頭頂部の中央が薄くなる種類です。その名の通り、クリスマスツリーの枝が左右に広がったように髪の毛が薄くなり、「オルセン型」と呼ばれることもあります。生え際が薄くなるため、発症初期でも自覚しやすい傾向にあります。

ハミルトン型

ハミルトン型は、生え際に剃りこみが入った種類です。男性のAGAと同様の症状で、俗に言う「M字型」のように毛が薄くなります。男性で好発する症状が女性でも生じる要因として、加齢に伴って女性ホルモンが少なくなることなどが想定されます。

FAGAの原因

FAGAはAGAと同様に、ホルモンの影響があるとされていますが、明確な原因は未だ不明です。AGAは抜け毛の症状が目立つため割と容易に診断できますが、FAGAは症状が広い範囲で起こるため、視診だけでは診断することが難しいとされています。

 

こうした脱毛症は「びまん性脱毛」と呼ばれます。FAGAのようなびまん性脱毛が起こる原因としては、膠原病のような全身疾患、激しいダイエットが原因の栄養不足、ストレスや生活習慣、ホルモンバランスの乱れ、経口避妊薬(ピル)といった薬剤性のものなどが考えられます。

加齢や出産によるホルモンバランスの乱れ

卵巣から分泌される「エストロゲン」という女性ホルモンは、髪の毛の成長期を長くする作用を持つとされています。しかし、出産や加齢に伴いエストロゲンが著しく少なくなる傾向にあり、そうなるとホルモンバランスが乱れて女性ホルモンの機能が落ち、薄毛になるとされています。

栄養不足

髪の毛を作る細胞は食事などで摂った栄養素などによって成長し、健やかな状態が保たれます。しかし、激しいダイエットや生活習慣の乱れなどが原因で栄養バランスが偏った食生活となると、健康な頭皮環境の維持や髪の毛の成長に欠かせない栄養素が足りなくなり、適切に髪の毛が成長しなくなり、抜け毛や薄毛の原因となり得ます。

睡眠不足

睡眠中に多く分泌される成長ホルモンの働きで髪の毛の成長が促進されます。そのため、睡眠不足が慢性化して適切に髪の毛が成長しなくなると、薄毛や抜け毛の原因となる恐れがあります。

ストレス

ストレスに長期間晒されることよって自律神経が失調し、血行が悪くなる恐れがあります。髪の毛が成長するために欠かせない酸素や栄養素は、血液によって毛根に運ばれます。そのため、ストレスが原因で血行が悪い状態が長引くと、髪の毛の成長に不可欠な栄養素が毛根に運ばれなくなり、抜け毛や薄毛の原因となり得ます。

FAGAとAGAの違い

FAGA(女性男性型脱毛症)とAGA(男性型脱毛症)は、いずれもヘアサイクルが乱れることで発症するため、発症の仕組みは同じです。なお、発症時期や症状の発現方法は異なります。

症状の現れ方が違う

AGAは前頭部もしくは頭頂部など部分的に薄毛になっていくことが多いですが、FAGAは薄毛が全体的に起こるか(びまん型)、髪の分け目から薄毛が進行する場合がほとんどです。また、AGAは悪化すると毛髪が全て抜けてしまう場合がありますが、FAGAではそうなることは滅多にありません。

発症時期が違う

男性の薄毛であるAGAは女性よりも早い時期に発症するという特徴があります。早ければ10代で起こる場合もあり、発症者数は30代を過ぎると少しずつ増加します。

 

一方、FAGAは成人してから起こります。特に、ホルモンバランスが著しく変化する40~50代で起こるケースが目立ちますが、20代で起こることも稀にあります。

FAGAの治療法

外用薬

【ミノキシジル】

ミノキシジルはAGA治療薬として用いられる有効成分であり、日本皮膚科学会の『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン(2017年版)』でも、FAGA(FPHL)に対して効果があると言われています。ミノキシジルの外用薬は頭皮に直接塗るものですので、全身に障る副作用が生じるリスクは小さいとされています。よくある副作用としては「初期脱毛」が挙げられます。初期脱毛は、新しい毛が生え変わる際に起こる脱毛のことで、発症後4週間程度で治まるとされています。

内服薬

【パントガール】

パントガールは、FAGAなどの女性の薄毛治療で使用が認可されているお薬です。パントテン酸カルシウム、ケラチン、シスチンなどの髪の毛の発育に効果的な栄養素がたくさん入っており、使用することで髪の毛が育つ環境が改善される可能性があります。パントガールを使って深刻な副作用が起こったという話はありませんが、授乳中・妊娠中などの方は使用する前に医師に相談してください。

【ミノキシジル】

ミノキシジル内服薬は高い効果が期待できるお薬ですが、外用薬と同じく「初期脱毛」や「多毛症」などの副作用が生じる恐れがあります。特に多毛症は、女性にとって厄介な毛が多くなるという副作用ですが、ミノキシジルの使用をストップすると解消されます。その他、心血管系の副作用が起こる恐れもありますので、医師に相談した上で服用してください。

 

なお、薄毛が起こる原因は男女で違いがあり、男性のAGA治療薬として用いられるデュタステリドやフィナステリドなどの有効成分は女性には危険性が高いため、使用は厳禁とされています。また、こうした治療薬は経皮吸収されるリスクがあるため、お薬に触ることも厳禁です。

 

女性AGA(FAGA)の薬の種類と効果、副作用について詳しく解説

薄毛が気になったら、まずは医師に相談を

FAGA(女性男性型脱毛症)は進行性の病気ですので、一度起こったら自然治癒しません。放っておくとどんどん症状が悪化し、悪化してから治療を受けると、治療効果が現れるまでに多くの費用と時間が必要です。また、自己判断で個人輸入薬や市販薬を使うと、逆に症状が重くなるだけでなく、副作用も生じやすくなります。

 

ナイーブなお悩みなのでなかなか相談しづらいかもしれませんが、疑わしい症状があれば、なるべく早めに専門医へご相談ください。

まとめ

女性のAGA(FAGA)はホルモンバランスの他に、生活習慣やストレスなど様々な原因で起こることを説明しました。FAGAの原因を突き止めることは簡単ではないため、自己管理のみで治すことは難しいです。薄毛を解消するには専門医に相談し、症状に応じた最適な治療を受ける必要があります。

 

SOKUYAKUオンラインクリニックは、女性AGA(FAGA)治療のオンライン診療サービスを提供しています。副作用や効果についてのご説明、お困りごとやお悩みについてのご相談も承っています。

 

受付時間:平日10:00~19:00

コメント 女性の脱毛は円形脱毛症が多く、FAGAと診断される人の数はそう多くはありません。その分、診断されずに円形脱毛症として治療され、なかなか効果が出ない方もいらっしゃるかもしれません。脱毛症は人に相談するのに抵抗がある方もおられると思います。悩みを打ち明けられず、心が沈んでしまうのはお辛いことだと思います。髪の毛が抜け、FAGAかもしれない、そういった場合にはFAGAも疑い、治療が開始出来るとよいですね。

監修医コメント

医師
高藤 円香

女性の脱毛は円形脱毛症が多く、FAGAと診断される人の数はそう多くはありません。その分、診断されずに円形脱毛症として治療され、なかなか効果が出ない方もいらっしゃるかもしれません。脱毛症は人に相談するのに抵抗がある方もおられると思います。悩みを打ち明けられず、心が沈んでしまうのはお辛いことだと思います。髪の毛が抜け、FAGAかもしれない、そういった場合にはFAGAも疑い、治療が開始出来るとよいですね。

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監修医師 高藤 円香
経歴は防衛医科大学校卒業 / 現在は自衛隊阪神病院勤務 / 専門は皮膚科 保有免許・資格は皮膚科専門医
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