手湿疹(主婦湿疹)はなぜ起こる?原因や改善方法について詳しく解説
更新日:2024年09月25日
この記事では、手湿疹の原因とその改善方法について詳しく説明します。日常生活で手湿疹に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
手湿疹(主婦湿疹)とは
手湿疹は、手にできる湿疹や炎症のことです。手のひらや手の甲、指に赤みや腫れ、水ぶくれ、ひび割れなどの症状が現れる皮膚のトラブルです。症状は、丸い形で現れたり、小さな発疹として広がったり、広範囲にわたることもあります。
手湿疹は手が触れる物質による刺激やアレルギー反応が原因です。軽い手荒れが進行した状態とも言え、見た目だけでなく、かゆみや痛みを伴うことが一般的です。
美容師や調理師など、化学物質を含む洗剤や水を頻繁に使用する職業の人々や、炊事や洗濯など水仕事が多い主婦に多く見られるため、「主婦湿疹」とも呼ばれます。乾燥肌やアレルギー体質、アトピー性皮膚炎の人は、皮膚のバリア機能が弱いため、手湿疹を起こしやすいとされています。
手湿疹(主婦湿疹)の原因
手湿疹は熱いお湯や洗剤の使用によって、手の油分や皮膚の一番外側にある角層が乾燥しやすくなることが原因です。角層は外部の刺激から肌を守り、体内の水分が過剰に蒸発するのを防ぐ役割を持っています。
頻繁に水仕事をしたり、摩擦や刺激を受けたりすると、この厚い角質層もバリア機能が低下してしまいます。その結果、手のひらが乾燥してかゆみを感じたり、ひどくなると炎症やひび割れが起こりやすくなるのです。
刺激性接触皮膚炎
手湿疹のほとんどを占めるもので、一般的に「手荒れ」として知られています。長期間にわたる弱い刺激や、短期間でも強い刺激が原因です。皮膚のバリア機能が弱い人や乾燥しやすい環境で働く人、アトピー性皮膚炎を持つ人に多く見られます。
刺激が加わる部分から症状が始まり、特に利き手の指先や手のひら、爪の周囲などに発生しやすいです。触れた部分が赤く腫れ、強いかゆみを伴い、ひどい場合は水ぶくれやびらんが生じることもあります。
アレルギー性接触皮膚炎
染毛剤やマニキュア用品、インクなどの化学物質に長時間触れる職業に従事している場合、化学的刺激に対して敏感になり発症することがあります。アレルゲンが接触した部分から症状が始まります。薬品に触れることが多い職業(理容師、美容師、看護師、調理師など)で発症しやすいのが特徴です。原因となるアレルゲンには金属、ゴム製品、洗剤、染髪剤、植物などがあります。
蛋白質抗原に対する接触皮膚炎
湿疹の原因となるのは、肉、乳製品、魚、野菜、果物などの食品や動物、花粉などのアレルゲンです。動物のフケ、尿、花粉、ラテックスなども原因となることもあります。触れた部分の皮膚が腫れてかゆくなり、接触を中止すると数時間以内に症状が消えますが、かきむしると赤く腫れたり皮膚がはがれたりします。
アトピー型手湿疹
これは自身が持つアレルゲンに対して反応する湿疹です。皮膚のバリア機能が低下しやすいため、刺激性皮膚炎も同時に発症しやすくなります。
手湿疹(主婦湿疹)の症状
手湿疹は、手の皮膚に赤みやかゆみ、小さなブツブツが現れます。症状には、乾燥してカサカサするタイプと、水疱ができてジュクジュクするタイプがあります。
場所は利き手の親指、人差し指、中指の指先から始まることが一般的です。皮膚が乾燥して剥がれ落ち、硬くなってひび割れ指紋が消えることもあり、他の指や手のひら全体に広がり、最終的には手の甲にまで広がることがあります。
症状によって以下のパターンに分けられます。
角化型手湿疹
中年男性に多く見られる症状です。手のひらの皮膚が乾燥して、角質が細かくボロボロと剥がれ落ちます。足の裏にも同様の症状が見られ、亀裂が生じることもあります。
進行性指掌角皮症
水仕事が急に増えた場合や、ピアニストやキーボードを多用する職業の方に見られます。指先や指の腹が乾燥して、皮膚が硬くなる症状です。指の腹や手のひらがざらつき、指紋が消えたり、亀裂ができたりすることもあります。
貨幣状型手湿疹
手の甲に硬貨のような円形の湿疹が現れ、強い痒みを伴う症状です。刺激性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、アトピー型などが原因となることがあります。
再発性水疱型(汗疱型)手湿疹
手のひらや指の側面に、痒みを伴う小さな水疱が多発する症状です。水泡は対称的に現れ、夏場に悪化する傾向があります。手を頻繁に使う仕事の人や手洗いや消毒の頻度が高い人は治りにくいことがあります。
乾燥・亀裂型手湿疹
手のひらや指全体が慢性的に乾燥し、亀裂が生じます。皮膚のバリア機能が低下することで起こる手湿疹で、冬場に悪化しやすい湿疹です。
手湿疹(主婦湿疹)の予防・対処方法
刺激物質が原因と考えられる場合、それに触れないようにしてください。しかし、家事を避けることが難しい時は、手の負担を減らすための日常的なケアが必要です。炊事や洗濯などの際には、手袋を使用するなどして手を保護し、症状の改善を目指しましょう。
水仕事やアルコール消毒の後にはハンドクリームなどで保湿をする
手湿疹は皮膚のバリア機能が低下することで起こることが多いため、こまめに保湿を行うことが重要です。水仕事や手洗いの後には、水分をしっかりふき取って、保湿剤を使って皮膚を保護し乾燥を防ぎましょう。
市販の保湿剤やハンドクリームを選ぶ際には、尿素やワセリンを含むものが保湿効果が高くおすすめです。ただし、傷がある場合には尿素を含む製品は刺激を感じることがあるため避けてください。軟膏タイプはクリームタイプに比べて保護効果が高く、刺激が少ないものが多いため、皮膚が敏感な方にも適しています。
水仕事の際はゴム手袋をつける
手を洗いすぎないようにし、食器洗いなどの際にはゴム手袋を使うと良いでしょう。もしゴム手袋でかゆみが出る場合は、薄い綿の手袋をその下に着けてください。水仕事だけでなく日常生活でも綿の手袋を使うことで、手が刺激を受けにくくなります。
手洗いは水、もしくはぬるめのお湯を使用する
温水で手を洗うと、皮脂まで洗い流してしまうことがあるため、できるだけ水で洗うようにしましょう。お湯を使う場合は、温度を高くしすぎず、ぬるめのお湯にしてください。
石鹸を使うときは、泡立てずに洗うと汚れが落ちにくく肌にも負担がかかります。しっかり泡立ててから洗うか、泡で出てくるタイプのハンドソープを使うと良いでしょう。また、泡をしっかり洗い流さないと手荒れの原因になるため、十分にすすぐことも大切です。
症状が改善しない場合は早めに医師に相談しましょう
基本的な保湿ケアを続けても手の乾燥や手湿疹が改善しない場合、または症状が何度も繰り返される場合は、自己判断せず皮膚科を受診しましょう。かゆみや痛みが我慢できないほど強い場合や、炎症が手のひら2〜3枚分以上の広範囲に広がっている場合は、早めに治療を受けてください。
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手の湿疹が辛くて悩んでいる場合でも、忙しくて病院を受診する時間がつくれない場合があります。時間がない場合には、オンライン診療が良いかもしれません。
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まとめ
手湿疹とは、手にできる湿疹や炎症のことになります。水仕事が多い方や刺激物を扱うことが多いことが主な原因です。赤みや腫れに痒みやヒリヒリ感を伴うことが症状で、原因となる物を避けることが対策になります。
また、ケアとして手袋を使用したり、保湿をしっかり行ったりしましょう。症状が重い場合や治らない場合には、自己判断せず専門医のアドバイスを受けてください。
医師
高藤 円香
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