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皮膚科でできるレーザー治療とは?適応の症状や種類について詳しく解説

監修医師 松澤 宗範
更新日:2025年01月8日

更新日:2025年01月8日

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レーザー治療は、シミ、ニキビ跡、赤ら顔など、さまざまな肌トラブルの改善に役立つため、皮膚科で治療方法の一つとして行われています。ただし、レーザー治療は、種類や特性により効果が異なるため、症状に合わせて治療法を選ばないといけません。この記事では、皮膚科で受けられるレーザー治療の種類、それぞれの適応する症状について詳しく説明します。

レーザー治療とは

「レーザー」とは、光の一部である特定の色(波長)を選び、その光を強力に増幅させたものです。普通の太陽光は多くの色が混ざっていて無色に見えますが、プリズムを通すと赤から紫までのいろいろな色に分かれます。この中の一つの色だけを取り出して作られた光がレーザーです。

 

レーザー治療は、このレーザーの特性を利用して行います。特定の波長(色)のレーザーを使うことで、治療したい部位や組織だけに狙いを定めて効果を発揮させることが可能です。たとえば、ある波長のレーザーは皮膚のシミに効き、別の波長のレーザーは血管に効く、というように、それぞれの治療目的に応じて使い分けられます。

 

レーザー治療は光の特性をうまく活用して、必要な場所だけを効果的に治療できる先進的な方法です。これにより、周囲の健康な組織を傷つけることなく、精密な治療が可能になります。

レーザー治療のメリット

レーザー治療は柔軟性が高く、ピンポイントで効果を発揮するため、さまざまな症状に対して安全に治療できる方法です。

 

レーザー治療はさまざまな選択肢があるという点が大きなメリットになります。使用するレーザーの種類や機器は多岐にわたり、照射の強さや波長も調整できるため、多くの症状に対応可能です。これにより、自分の症状に適した治療を選べます。

 

また、レーザー治療は特定の症状がある部分にだけ集中して照射できるのも大きな強みです。たとえば、同じ部位でも健康な部分にはほとんど影響を与えず、他の部位にもほとんど刺激がありません。適切に行われれば非常に安全性の高い治療法と言えるでしょう。

レーザー治療のデメリット

レーザー治療は、さまざまな肌の問題を解決するための方法です。ただし、すべての肌トラブルに適しているわけではありません。

 

また、治療中に肌が刺激を受けたり、痛みを感じることがあります。この痛みは人それぞれで、治療の種類や症状によって異なり、その日の体調によっても影響を受けることがあります。

 

治療後には、日常生活に戻るために休憩が必要な場合もあり、この回復時間は「ダウンタイム」です。治療の種類や症状によって、このダウンタイムの長さは異なります。

レーザー治療の種類と特徴

レーザー治療には、高出力レーザー療法、低出力レーザー療法、中反応レベルレーザー療法などがあります。

ピコレーザー

ピコレーザーは、1兆分の1秒という超短時間でレーザーを当てることで、幅広い肌の悩みを改善します。ピコレーザーのパルス幅が短いことによって、レーザーのエネルギーが非常に集中して皮膚に届くため、目的の部位に効果的に作用します。この特性のおかげで、周囲の健康な組織に対するダメージを最小限に抑えられるのが大きな特徴です。

 

メラニン色素を破壊し、肌のターンオーバーを促進することで、シミや肝斑、ニキビ跡などを改善します。また、肌の再生を促すため、ニキビ跡や毛穴の開きにも効果があります。

炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)

10,600ナノメートルの波長を持ち、皮膚の水分と反応して細胞を加熱し、蒸発させる効果があります。皮膚の表面にエネルギーを集中させて、ホクロやイボ、シミなどを取り除くことが可能です。

 

施術時、レーザーの光が皮膚に当たると、その部分の水分が急激に熱せられ、蒸発します。この過程で熱が発生し、周囲の細胞も一部が影響を受けますが、これにより出血が抑えられやすくなり、治療後の傷が早く治る効果が期待できるのです。また、熱がコラーゲンの生成を刺激するため、肌の再生も促進されます。

 

この方法は出血のリスクが少なく、傷跡も残りにくいのが特徴です。なので、皮膚の表面にある小さな問題を改善するのに適しています。

フラクショナルレーザー

レーザーを使って、肌に非常に小さな穴をたくさん開けます。極めて細かく、正確に肌をターゲットできることが特徴です。レーザーによって一時的に肌にダメージを与えますが、その後、肌は自然に修復しようとする力が働きます。この修復過程で、新しいコラーゲンが生成され、肌が滑らかになり、健康的な状態に改善できます。

Qスイッチヤグレーザー

特定の色素に反応して熱を発生させ、シミやそばかすなどの色素沈着を治療します。短い時間の間に高出力のレーザー光を照射するため、周囲の皮膚に影響を与えることなく、効果的に色素を破壊することが可能です。

 

このレーザーには532nmと1064nmの2つの波長があり、これによりさまざまな色素に対応できます。たとえば、532nmの波長は浅い色素に、1064nmの波長は深い色素に作用します。これにより、異なる深さにあるシミやそばかすを効果的に治療できるのです。

 

レーザーの光は特定の色素にのみ反応し、その色素を熱に変えて破壊します。これにより、他の健康な皮膚組織を傷つけることなく、問題のある色素だけをターゲットにできます。この特性がQスイッチヤグレーザーの大きな特徴です。

レーザートーニング

強いレーザーでシミを一度に取るのとは異なり、肌に優しいレーザーを使ってメラニンを少しずつ取り除くことで、かさぶたを作らずに施術を行います。施術後のダウンタイムがほとんどなく、日常生活に支障をきたしません。

 

レーザートーニングは、何度か繰り返す必要がありますが、シミの改善だけでなく、肌全体のくすみや小じわを減らし、キメやハリを向上させる効果があります。さらに、脂性肌の改善にも役立ちます。

Qスイッチルビーレーザー

694nmという波長を持ち、特に黒色のメラニン色素に反応しやすい性質があります。このレーザーを使うことで、シミやそばかす、青アザや茶アザなどを改善できます。

 

メラニン色素だけをターゲットにしているため、健康な細胞や血管へのダメージが少なく、治療後に傷跡が残りにくく、回復期間も短いことが特徴です。ただし、日焼けしている肌や肝斑があるときに治療を行うと、色素沈着や肌の色が抜けるリスクが高くなるため、注意しましょう。

お悩み別 おすすめのレーザー治療

レーザー治療は、肌のさまざまな症状に行える治療法です。ここでは、お悩み別に最適なレーザー治療をご紹介します。

シミ・そばかす

・Qスイッチヤグレーザー

・ピコレーザー

 

Qスイッチヤグレーザーは、2つの異なる波長の光を使えます。これにより、さまざまなシミやそばかすに対して効果的に治療が可能です。

 

ピコレーザーは、熱ではなく衝撃波を使って色素を壊します。これにより、非常に細かく色素を分解できるため、気になるシミやそばかすを的確に除去できます。

肝斑

・レーザートーニング

 

レーザートーニングは、弱い出力のレーザーを均等に当てることで、シミを目立たなくしていきます。シミの元であるメラニン細胞を過度に刺激しないので、色素沈着が増えません。少しずつですが、肝斑を改善できます。

 

また、肝斑だけでなく、普通のシミやくすみ、毛穴の開きにも効果があり、肌のトーンを整えることで、全体的な肌の見た目を改善できます。

ほくろ・いぼ除去

・炭酸ガスレーザー

 

炭酸ガスレーザーは、水に反応して熱を発生させる性質を持っており、皮膚の水分に反応してその部分を蒸散させることで、ほくろやいぼを取り除けます。

 

レーザーを照射すると瞬間的に熱が発生し、その熱でほくろやいぼが蒸散して削られ、結果的に除去されます。皮膚の表面だけに作用するため、治療後の回復が早く、傷跡も目立ちにくいことがメリットです。

毛穴

・レーザートーニング

・ピコレーザー

・フラクショナルレーザー

 

レーザートーニングは、長い波長のレーザーを使用し、肌のコラーゲン生成を促進することで肌を引き締め、毛穴を目立たなくすることが可能です。

 

ピコレーザーは、衝撃波でメラニン色素を細かく砕くことで効果を発揮します。衝撃波によって肌内部に小さな空洞を作り、体がその空洞を修復しようとすることでコラーゲンやエラスチンの生成を促進し、毛穴の開きを改善します。

 

フラクショナルレーザーは、レーザーを点状に照射して肌に小さな穴を作り、その穴に幹細胞培養上清液を浸透させることで、肌のターンオーバーを促進し対処する仕組みです。

ニキビ跡

・ピコレーザー

・フラクショナルレーザー

 

ピコレーザーでは、レーザーを照射して肌の内部に小さな空洞を作り出します。この空洞が、コラーゲンやエラスチンという肌を再生する成分の生成を促し、新しい肌が生まれます。結果として、肌の新陳代謝が促進され、ニキビ跡が改善されるのです。

 

フラクショナルレーザーも同様に、レーザーを点状に照射して肌に小さな穴を開ける方法です。肌は元の状態に戻ろうとする過程でコラーゲンの生成を活性化させ、ニキビ跡が目立たなくなります。

くすみ

・レーザートーニング

・フラクショナルレーザー

・ピコレーザー

 

くすみを改善するためには、その原因を特定し、適切な対処を行うことが重要です。たとえば、古い角質が原因の場合は、肌のターンオーバー(細胞の新陳代謝)を促進することが必要になります。メラニン色素が沈着している場合は、それを除去しないといけません。

美白

・レーザートーニング

・ピコレーザー

・フラクショナルレーザー

 

美白とは、シミやそばかす、くすみなどが目立たない、明るくて白い肌のことです。主にメラニン色素という色素を減少させたり、コラーゲンという肌に弾力を与える成分を増やしたりする方法で透明感があり、明るく見える肌を目指します。

レーザー治療後の注意点

治療後は肌を刺激しないようにしましょう。たとえば、レーザーを照射した部分にかさぶたができたり、かゆみが出たりすることがありますが、手で触ったり、かさぶたを無理に剥がしたりしないようにしてください。特に、爪で引っ掻いたりするのは避けましょう。

 

かさぶたが自然に取れた後も、肌はまだ弱い状態です。この時期も引き続き優しくケアすることが重要になります。もし保護テープが貼られている場合は、無理に剥がさずに生活するように心がけてください。

レーザー治療後のアフターケア

レーザー治療を受けた後は、肌がとても敏感になっているため、アフターケアが必要です。紫外線対策と保湿をしっかり行いましょう。

紫外線対策

レーザー治療後にもっとも注意すべきことの一つは、紫外線対策です。太陽の光を浴びると、健康な肌でもダメージを受けることがありますが、治療後の肌はさらにデリケートです。外出する時は、日焼け止めをしっかり塗りましょう。曇りや雨の日でも日焼け止めを塗ることが大事です。また、ツバの広い帽子や日傘も紫外線から肌を守るのに役立ちます。

保湿

治療後は肌が乾燥しやすくなっていますので、十分な保湿が必要です。化粧水や乳液、保湿クリームを使って肌をしっかりと潤しましょう。保湿も、日焼け止めと同様に、優しく肌全体に広げるようにしましょう。また、特に乾燥しやすい時期には、こまめに保湿をすることが大切です。

レーザー治療を検討している方は、まずは医師に相談しましょう。

レーザー治療にはさまざまな種類があるため、迷うかもしれません。クリニックでは、一人一人の症状に合わせて専門医が最適なレーザーの種類を選びます。また、レーザーの強さや照射回数も個別に判断します。これにより、効果的な治療が受けることが可能です。レーザー治療を検討している方は、まずは医師に相談しましょう。

通院が難しい場合はオンライン診療もおすすめ

忙しくて通院が難しい場合は、オンライン診療を利用しましょう。肌の状態を確認するため、ビデオ通話も活用できます。

オンライン診療とは

オンライン診療について

 

オンライン診療は、インターネットを使って家にいながら医師の診察を受けられるサービスです。スマートフォンやタブレット、パソコンを通じてビデオ通話をすることで、病院に行かずに診察を受けられます。予約、問診、診断、薬の処方箋の発行や支払いなどがオンラインで完結します。

SOKUYAKUとは

SOKUYAKUは、オンライン診療をアプリを使って、より簡単に行えるサービスです。アプリを使い診察の予約から薬の受け取りまで、すべての手続きを手軽に行えます。

 

操作がわからない場合には、専門スタッフによるサポートが受けられます。お気に入りのクリニックや薬局を登録でき、お薬手帳をデジタル化できる機能もあるため便利です。薬の受け取りも、全国どこでもその日のうちまたは翌日には受け取れるようになっています。

まとめ

レーザー治療は、シミやニキビ跡、毛穴の広がり、赤みなどを改善する効果が期待できます。皮膚のトラブルに応じて適切なレーザーを選ぶことで、安全で効果的な治療が可能です。この記事を参考にして、レーザー治療についての知識を深めて、自分にぴったりの治療法を見つけましょう。

コメント レーザー治療は特定の波長の光を用いてシミやそばかす、ニキビ跡などを選択的に改善でき、周囲へのダメージを最小限に抑えられる点が大きな利点です。また、切開が不要なためダウンタイムが短く、日常生活への復帰が容易です。一方で、症状によって複数回の施術が必要な場合や、一時的な発赤、色素沈着、痛み、費用面などデメリットもあるため、事前の十分なカウンセリングが重要となります。

監修医コメント

医師
松澤 宗範

レーザー治療は特定の波長の光を用いてシミやそばかす、ニキビ跡などを選択的に改善でき、周囲へのダメージを最小限に抑えられる点が大きな利点です。また、切開が不要なためダウンタイムが短く、日常生活への復帰が容易です。一方で、症状によって複数回の施術が必要な場合や、一時的な発赤、色素沈着、痛み、費用面などデメリットもあるため、事前の十分なカウンセリングが重要となります。

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監修医師 松澤 宗範
青山メディカルクリニック院長/慶応義塾大学病院形成外科

皮膚科, 形成外科, 総合内科, 美容外科, 美容皮膚科, 先端医療, 再生医療

2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
青山メディカルクリニック院長/慶応義塾大学病院形成外科 皮膚科, 形成外科, 総合内科, 美容外科, 美容皮膚科, 先端医療, 再生医療 2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業 2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医 2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局 2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科 2017年4月 横浜市立市民病院形成外科 2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科 2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職 2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長 2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
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