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通販で買える市販薬のクラリチンEXは病院で処方される医療用医薬品のクラリチンやジェネリック医薬品と何が違うの?効果や服用、購入時の注意点を比較

監修薬剤師 小村 稜
更新日:2024年02月29日

更新日:2024年02月29日

通販で買える市販薬のクラリチンEXは病院で処方される医療用医薬品のクラリチンやジェネリック医薬品と何が違うの?効果や服用、購入時の注意点を比較のイメージ
花粉や鼻炎による鼻水やくしゃみに対して病院を受診する方もいれば市販薬で対処する方もいるでしょう。さらに市販薬は通販でも購入が可能となり、医薬品を手に入れる方法は多様となっています。今回は、病院でもらう医薬品と市販薬の違いや入手手段の注意事項などについて紹介します。

クラリチンEXとは

クラリチンEXとは、花粉やハウスダストなどにより鼻水や鼻づまり、くしゃみなどの鼻のアレルギー症状を緩和する市販薬の商品です。これらの薬の効果を示す主成分として、「ロラタジン」が配合されています。

 

もともとは「クラリチン錠」として塩野義製薬株式会社が開発した医療用医薬品です。花粉症やアレルギー性鼻炎による鼻症状の改善や蕁麻疹などの皮膚症状に対して病院など医療現場で長く使用されている薬です。

 

長年の実績やある程度の安全性から2017年に市販薬「クラリチンEX」として販売が許可されて、処方せんがなくてもドラッグストアなどで商品を購入することが可能となりました。

ロラタジンってどのような成分?

ロラタジンは鼻水やくしゃみなどの鼻炎症状を誘発する原因である「ヒスタミン」と呼ばれる物質がヒスタミン受容体と結合するのを防ぐことで、これらの症状を緩和する抗ヒスタミン作用を持つ成分です。

 

ヒスタミンとはアレルギー物質の一つであり、免疫細胞から放出されます。ヒスタミンは花粉やハウスダストなどの異物(アレルゲン)が体内に入ると、免疫細胞から放出されてアレルゲンを体外へと排出する働きがあります。

 

その際、ヒスタミンは鼻の粘膜にあるヒスタミン受容体と結合することで鼻水やくしゃみなどの鼻炎症状を引き起こしてしまいます。

 

よって、ロラタジンを主成分に持つクラリチンEXを服用すると、ヒスタミンとヒスタミン受容体の結合を防ぐことで花粉症やアレルギーによる鼻水やくしゃみなどの症状を緩和することができます。

また、そもそもの原因であるヒスタミンを免疫細胞から放出されないようにする働きも併せ持ちます。

同じアレルギー性鼻炎に使える市販薬には「アレグラ」や「アレジオン」がある

クラリチンEXのような抗ヒスタミン作用を持つ市販の鼻炎薬は他にもあります。例えば、フェキソフェナジンを主成分として持つ「アレグラFX」やエピナスチンが主成分の「アレジオン」、ケトチフェンが主成分の「ザジテンAL」などの商品があります。

 

それぞれ商品によって服用回数や特徴、価格、注意点などが異なるため、購入される際は薬局薬店の薬剤師に問い合わせてみましょう。

病院で処方される医療用医薬品やジェネリック医薬品とは何が違うの?

医療用医薬品

医療用医薬品とは、医師の診察を受けて出される処方せんを基に調剤される薬のことです。
・ジェネリック医薬品(後発医薬品、以下ジェネリック)
ジェネリックとは、新薬(先発医薬品)と同じ有効成分を含む薬のことです。ジェネリックも医療用医薬品に分類されます。

一般用医薬品(市販薬)

クラリチンEXやアレグラFXのように医師の診察を受けなくても薬局や薬店、ドラッグストアで購入できる薬を一般用医薬品と呼びます。

花粉症など一時的な症状に対して自分で対処することが可能です。

ジェネリック医薬品は一般名とメーカー名がつけられていることが多い

ジェネリックは多くの場合、成分の名前(一般名)と製造したメーカーの名前が製品の名前につけられています。

例えば、今回のロラタジンを例に見てみましょう。

先発医薬品 クラリチン錠10㎎
ジェネリック ロラタジン錠10㎎「〇〇」

〇〇にはメーカー名が明記

クラリチン、ジェネリック、クラリチンEXの比較

ここからは先発医薬品のクラリチン、ジェネリックのロラタジン、一般用医薬品のクラリチンEXの違いについて比較していきましょう。

販売しているメーカーはどこ?

先発医薬品「クラリチン」 塩野義製薬株式会社
一般用医薬品「クラリチンEX」 大正製薬
ジェネリック 沢井製薬や東和薬品など多数のメーカーが製造している

共通の適応は「花粉やハウスダストによるアレルギー性の鼻炎」

どの商品も有効成分のロラタジンによる抗ヒスタミン作用により、鼻水やくしゃみなどのアレルギーによる鼻炎の症状緩和に使用することができます。

蕁麻疹や皮膚疾患に伴うかゆみの効能効果は医療用医薬品のみ

一方、蕁麻疹やかゆみなど皮膚疾患に対して使用できるのは医療用医薬品である先発医薬品の「クラリチン」とジェネリックのみになります。

 

一般用医薬品のクラリチンEXにはこれらの効能効果は示されていませんので、皮膚科や小児科などで抗ヒスタミン薬を処方されている方やお子様をお持ちの方はご注意ください。

薬局や通販など製品の入手方法

医療用医薬品は先述の通り、医師の処方を基に調剤される薬であるためドラッグストアや通販などで購入することはできません。一方、一般用医薬品であるクラリチンEXは薬局や薬店、ドラッグストア、通販で購入することが可能です。

価格の違いは?

医療用医薬品に設定されている価格のことを薬価と呼びます。薬価は常に一定ではなく改定されるため多少の変動があります。

 

そのため、以下に示すのは2020年10月時点での価格です。

先発医薬品「クラリチン錠10㎎」 1錠あたり70.5円
ジェネリック       1錠あたり26.3円

医療用医薬品は保険が適用されるためこの価格の1~3割程度が自己負担になります。

 

一般用医薬品「クラリチンEX」 14錠 1980円(税抜) 1錠あたり約141円
7錠 1380円(税抜) 1錠あたり約197円

 

一見、比較すると医療用医薬品のほうが安く感じますが、これに加えて医療機関の受診料や薬局での調剤基本料が発生します。また、先発医薬品と比較しジェネリックが安いのは、製品の開発費用の差が関係します。

 

新薬を作る際に研究や開発など数百億~数千億円もの費用がかかりますが、ジェネリックはこれらの研究や開発などの費用があまりかからないため安い値段が設定されています。

 

有効成分は同じなので安いからと言って効果が乏しいというわけではありません。これらジェネリックを普及することは医療費削減につながるため、国や厚生労働省も推奨しています。

服用できる年齢

医療用医薬品であるクラリチンやロラタジンは7歳以上の小児から服用が可能です。一方、一般医薬品のクラリチンEXは15歳以上からの服用となっていますのでご注意ください。

副作用

有効成分ロラタジンの主な副作用としては、眠気や口の渇き、吐き気、インペアードパフォーマンスなどが報告されています。特に眠気とインペアードパフォーマンスは抗ヒスタミン薬の特徴的な副作用です。

 

ヒスタミンは鼻水やくしゃみなどの鼻炎を引き起こす一方、脳を覚醒する働きもあります。抗ヒスタミン薬を服用すると、脳内のヒスタミンがブロックされて脳の覚醒が抑えられるため眠気を生じるようになります。また、自覚のないまま集中力や作業効率が低下してしまう「インペアードパフォーマンス」も生じます。

 

しかし、ロラタジンやアレグラFXの主成分であるフェキソフェナジンなどは脳内に移行しにくいように設計された、いわゆる第2世代抗ヒスタミン薬に分類されるため従来の抗ヒスタミン薬よりは眠気やインペアードパフォーマンスが起こりにくい医薬品でもあります。

その他の注意点

・薬を服用し始めてからかゆみや蕁麻疹、動悸や息苦しさなどアレルギー症状が疑われる場合は服用を中止してください
・これまで薬を服用してアレルギーが出た経験のある方は医師や薬剤師に問い合わせましょう
・服用前後にアルコールなどの飲酒は控えてください
・妊娠中の方や授乳中の方は医師や薬剤師に相談の上使用の検討をお願いします
・他の鼻炎薬と一緒に服用しないでください

これらの点には注意しましょう。

商品を購入する際は薬剤師に相談しましょう

上記で述べたように花粉症やアレルギーによる鼻症状を抑える抗ヒスタミン薬は医療用医薬品にも一般用医薬品にも存在し、それらの商品名は多様にあります。そのため、知らず知らずのうちに抗ヒスタミン薬の商品を重複して飲んでしまうケースがみられます。

 

また、一般用医薬品の場合は一つの商品に複数の有効成分が含まれている場合もあります。これらの点を防ぐためにも商品を購入する際は必ず薬剤師に相談しましょう。

服用しても症状が改善されなければ医療機関へ受診しましょう

クラリチンEXなどの一般用医薬品は病院へ受診しなくても手に入れることができ、困っている症状を改善するのには適しています。

 

しかし、2週間程度服用しても症状の改善が見られない場合は、他の原因があるかもしれません。

 

このような場合は自分だけで商品の選択や薬の服用を判断せずに医療機関へ受診し原因を確かめることをおすすめします。

 

また、薬の効果により改善が見られた場合でも2週間以上服用する場合は医療機関へ受診しましょう。

参考資料
製品ラインナップ クラリチンEX | クラリチンEX | 大正製薬
医療関係者確認 | 医療関係者の皆さま | シオノギ製薬(塩野義製薬)

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監修薬剤師 小村 稜
医療編集プロダクションMEDW代表
Webディレクター / 薬剤師

今後の医療に変化をもたらすために、デジタルチーム医療を発足。
「メディアから医療を支える」をミッションに活動している
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