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デルモベート軟膏(クロベタゾールプロピオン酸エステル) に含まれている成分や効果、副作用などについて解説

監修薬剤師 小村 稜
更新日:2024年02月28日

更新日:2024年02月28日

デルモベート軟膏(クロベタゾールプロピオン酸エステル) に含まれている成分や効果、副作用などについて解説のイメージ
デルモベート軟膏はステロイドの外用剤として患部にぬることで、皮膚の腫れや赤み、かゆみなどを局所的に抑える効果があります。

デルモベート軟膏はステロイド外用剤のなかでも特に作用が強いとされており、医師や薬剤師の指導に従って適切に使用する必要があります。

そこで、今回はデルモベート軟膏(クロベタゾールプロピオン酸エステル) に含まれている成分や効果、副作用などについて解説します。

デルモベート軟膏(クロベタゾールプロピオン酸エステル) とは

デルモベート軟膏はステロイド外用剤のひとつです。「ステロイド」という言葉は広く知られていますが、ひとくちにステロイド外用剤といってもたくさんの種類があります。

 

ステロイド外用剤は、皮膚症状の重症度、使用部位、年齢などを考慮して、個々に応じたお薬の選択が必要です。ここでは、ステロイド外用剤の分類とデルモベート軟膏がどういった場合に使用されるのかをみていきましょう。

ステロイド外用剤の分類

まず、ステロイド外用剤は効果の強さにより5つのランクに分類することができます。

ステロイド外用薬のランクは効果の強い順に、ストロンゲスト(1群)、ベリーストロング(2群)ストロング(3群)、ミディアム(4群)、ウィーク(5群)です。皮膚症状の重症度、使用部位、年齢などを考慮して、適したランクのステロイド外用薬が選択されます。

デルモベート軟膏が処方されるのは?

今回のテーマであるデルモベート軟膏は、ステロイド外用薬のランクの中で最も強い「ストロンゲスト」に該当します。最も効果の強いストロンゲストが選択されるのはどういった場合なのでしょうか。

 

よく参考にされる「アトピー性皮膚炎ガイドライン2018(以下、ガイドライン」を参考にして見ていきましょう。
アトピー性皮膚炎のガイドラインでは、皮膚症状が重症の場合、ベリーストロングまたはストロングが第一選択薬とされています。

 

ベリーストロングまたはストロングを使用して、それでも効果が十分に得られない場合、デルモベート軟膏も分類される「ストロンゲスト」が考慮されます。

 

この場合でも部位を限定して使用する事もあるとされています。このため、デルモベート軟膏の使用を指示される頻度は多くないと考えられます。

 

ただ、デルモベート軟膏が処方された場合は適切に使用する必要があります。使用に際しては医師や薬剤師の指導を十分に受けましょう。

デルモベート軟膏(クロベタゾールプロピオン酸エステル) の成分について

デルモベート軟膏の有効成分はクロベタゾールプロピオン酸エステルです。このクロベタゾールプロピオン酸エステルは人工的に合成された副腎皮質ホルモン(ステロイド)です。

 

クロベタゾールプロピオン酸エステルには強力に炎症を抑える作用があり、治療が難しく長引くような皮膚症状にも効果が得られます。

 

ここまで何度も登場してきた「ステロイド」とはそもそも何でしょうか。
体内にある副腎と呼ばれる臓器ではステロイドとよばれるホルモンが作られています。

 

体内で作られたステロイドはさまざまな作用をもち、そのなかに抗炎症作用や免疫抑制作用があります。これらの作用を薬として応用し人工的に合成したものが、ステロイド剤と呼ばれる医薬品です。

 

ステロイド剤は外用剤の他に内服や注射剤も存在し、さまざまな治療に用いられます。デルモベート軟膏のようなステロイド外用剤は皮膚疾患の治療薬として局所の炎症を抑える場合に用いられます。

デルモベート軟膏(クロベタゾールプロピオン酸エステル)はどんな症状に効果がある?

添付文書には以下のような効能・効果の記載があります。

・湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、ビダール苔癬、日光皮 膚炎を含む) ・痒疹群(蕁麻疹様苔癬、ストロフルス、固定蕁麻疹を含む) ・掌蹠膿疱症 ・乾癬 ・虫さされ ・薬疹・中毒疹 ・ジベルばら色粃糠疹 ・慢性円板状エリテマトーデス ・扁平紅色苔癬 ・紅皮症 ・肥厚性瘢痕・ケロイド ・肉芽腫症(サルコイドーシス、環状肉芽腫) ・アミロイド苔癬 ・天疱瘡群 ・類天疱瘡(ジューリング疱疹状皮膚炎を含む) ・悪性リンパ腫(菌状息肉症を含む) ・円形脱毛症(悪性を含む)

 

皮膚感染を伴う炎症や湿疹には、感染を悪化させることがあり通常は使用しません。しかし、まれに感染の治療を行った後、または感染の治療と併用してデルモベート軟膏を使用する場合があります。

皮膚感染とは細菌・真菌・スピロヘータ・ウイルスなどに皮膚や皮膚の下の組織が感染することです。

デルモベート軟膏(クロベタゾールプロピオン酸エステル)の用法・用量は?

添付文書では、以下のように記載されています。

通常1日1~数回適量を塗布する。なお、症状により適宜増減する。

使用回数に関して

使用回数は1〜数回との記載がありますが、一般的な使用法はには炎症などの症状が悪化している急性期は1日2回(朝・夕:入浴後)塗布し、改善してきたら1日1回塗布とすることが多いです。

 

急性期と症状改善後で回数が異なるのは、1日1回と2回の塗布に効果の差があまりないとされていることや、また塗布の回数が減ることで塗布の負担も軽くなり、1日1回で効果は十分と考えられています。

量に関して

デルモベート軟膏5gチューブ1本は、手のひら20枚分の体の面積に相当します。人差し指の先端から第一関節までお薬をチューブから出すと大体0.5gになり、0.5gは大人の手のひら2枚分です。塗布する患部の広さに応じて参考にされてください。

デルモベート軟膏(クロベタゾールプロピオン酸エステル) の副作用

ステロイド剤は多くの効果を得られるのですが、さまざまな副作用が現れることが知られています。ステロイド外用剤の副作用は、基本的には局所(塗った部分)の副作用であることが多いです。

 

しかし、外用剤といっても大量又は長期にわたる広範囲に使用すれば、全身性の副作用が現れることがあります。目安としては、デルモベート軟膏であれば、成人では10g/日以上(小児では5g/日以上)を使用で全身性の副作用が現れる可能性がでてきてしまいます。

 

局所の副作用は使用期間が2週間以内であれば安全に使用することができると考えられています。
副作用の発現を回避するためにも、医師や薬剤師の指示に従い使用しましょう。

 

以下に、ステロイド外用剤で現れる局所性の副作用の一部を挙げます。

・感染症の誘発や増悪
・ステロイド白内障/ステロイド緑内障
・ステロイド皮膚
・多毛
など

デルモベート軟膏(クロベタゾールプロピオン酸エステル) に関する注意点

デルモベート軟膏に関する注意をみていきましょう。

塗布する部位に注意

ステロイド外用剤は塗布する体の部位で同じ量を使用したとしても吸収される量が異なります。吸収率が特に高い顔面、頸、陰部、また間擦部位(皮膚と皮膚がこすれ合う部位)への使用は副作用が現れやすいので特に注意が必要です。

大量又は長期の使用に注意

大量に使用したり、長期間にわたって使用したりするとステロイドによる全身性の副作用が現れることがあります。量や使用期間は指示された通りに使用しましょう。

小児への使用

小児の皮膚は吸収がよく長期の使用は避けましょう。また、おむつがあたる部分に使用するときは塗布したお薬が密封されないようにぴったりとしたおむつは避けるようにしましょう。

高齢者への使用

副作用が発現しやすいので大量に使用したり長期に使用したりしないようにしましょう。ステロイド外用剤の使用により皮膚が薄くなり回復が遅れることがあります。

デルモベート軟膏(クロベタゾールプロピオン酸エステル) と同じ成分の市販薬はある?

デルモベート軟膏と同じ成分の市販薬は販売されていません。
市販薬(OTC医薬品)のステロイド外用剤は販売されているランクに制限があり、「ウィ−ク」、「ミディアム」、「ストロング」に属する成分のお薬に限られています。

 

市販薬(OTC医薬品)でステロイド外用薬を薬局やドラッグストア等でお求めの際は、薬剤師や登録販売者に相談し、使用の部位や症状にあった薬剤を選びましょう。

参考文献
1.外用合成副腎皮質ホルモン剤 クロベタゾールプロピオン酸エステル軟膏・クリーム
2.皮膚Q&A一覧 │ ひふ研 「ひふ症状、ひふ薬の使い方の疑問に答える情報サイト」 │ 第一三共ヘルスケア
3.皮膚細菌感染症の概要 – 17. 皮膚の病気 – MSDマニュアル家庭版
4.副腎皮質ステロイド剤(外用薬)のランク分類と副作用・使用法|福岡県薬剤師会

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監修薬剤師 小村 稜
医療編集プロダクションMEDW代表
Webディレクター / 薬剤師

今後の医療に変化をもたらすために、デジタルチーム医療を発足。
「メディアから医療を支える」をミッションに活動している
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