新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と頭痛の関係
更新日:2024年02月28日
新型コロナウイルスと頭痛について
新型コロナウイルスにかかった人の多くが、頭痛を感じていることがさまざまな研究から明らかになってきました。けれども頭痛は、新型コロナウイルスにかかっていなくても、日常的に自覚する症状です。ここでは、新型コロナウイルスの初期症状と頭痛について解説していきます。
頭痛は2人に1人が月1回以上感じる現代病
みなさんは日常的に頭痛を感じることはありませんか?
最近は気圧や天気から頭痛を予測するアプリが大人気。雑誌では「肩こりや姿勢からくる頭痛特集」も人気があり、多くの人が頭痛に悩んでいることがうかがえます。
頭痛はおおくの日本人が悩む「令和の国民病」ともいわれています。では、どのくらいの人が頭痛を感じているのでしょうか?
まずは、頭痛の頻度についての調査結果をみてみましょう。
月に1~2日くらい頭痛を感じる 32.7%
2~3か月に1日くらい 21.1%
週1回以上頭痛を感じる 27.1%
この調査では59.8%の人が、1か月に1回以上の頭痛を感じていることがわかりました。
さらに、この調査では頭痛時のつらさについても調べています。
とてもつらい 10.5%
つらい 76.4%
あまりつらくない 13.1%
一番おおかった回答は「つらい」の76.4%「とてもつらい」と感じている人は10.5%。86.9%の人が頭痛のつらさに悩んでいることがわかったのです。たくさんの人が頭痛に悩んでいるとても身近な症状だったのです。
頭痛がコロナの初期症状の可能性もある
日本人の約6割が感じている頭痛。
日常的に頭痛を自覚するからといって、市販薬で症状をごまかしていませんか?実は新型コロナの初期症状にも「頭痛」があるんです。
アメリカのミネソタ州カーバー群が発表した「新型コロナとインフルエンザ、かぜ、アレルギー性鼻炎・結膜炎との症状の違いを比較した表」をみてみましょう。
(引用:一般社団法人 白河医師会 http://sma.or.jp/zaitaku/pdf/corona3.pdf)
新型コロナウイルスの感染の症状で頭痛は、味やにおいの変化やだるさと同じくらいに現れる症状となっています。ほかの調査でも、新型コロナウイルスの初期症状に頭痛があることがわかっています。
「いつもの頭痛」のほかに、咳や発熱、筋肉痛がある。とくに、「息切れ」や「味や臭いの感じ方に変化がある」ときには新型コロナウイルスの可能性があり注意が必要です。
この症状はかぜやアレルギー、インフルエンザにはみられない「新型コロナウイルスに特徴的な症状」だからです。
頭痛以外にも全身にさまざまな症状が現れるときには、「新型コロナウイルス」を疑って、はやめに発熱外来を受診するようにしましょう。
新型コロナウイルスによる後遺症の頭痛
新型コロナウイルス感染の後遺症とは
新型コロナウイルスは発熱や咳などが良くなったあとでも、数か月にわたって後遺症がみとめられることがあります。
海外では「LONG COVID」「Post COVID」と呼ばれていて、一般的にはコロナにかかったあとにも続く症状を「新型コロナウイルス感染の後遺症」とよんでいます。
新型コロナウイルス感染の後遺症がなぜおこるのか、まだ明らかにはなっていません。けれども、新型コロナウイルス感染をした人の多くが、さまざまな後遺症に悩んでいることが最近の研究でわかってきました。
海外での報告では、後遺症の症状はだるさや息苦しさ、咳などの症状が長く続く人がいることがわかっています。
厚生労働省の調査では、新型コロナウイルス感染診断~退院時、3ヵ月後、6か月後の後遺症について報告しています。
このように長期にわたって、さまざまな症状が全身に現れるのが、新型コロナウイルス感染の後遺症なのです。
頭痛に悩んでいる方もいる
新型コロナウイルス感染の後遺症で代表的な症状は「疲労感・倦怠感、息苦しさ、脱毛」です。
けれども、嗅覚障害、筋力低下、睡眠障害、思考力・集中力の低下と同じくらいの頻度で、頭痛を自覚している人がいます。
厚生労働省の研究では、新型コロナウイルス感染に関連した頭痛を自覚する人の割合を、以下のように報告しています。
新型コロナウイルス感染診断~退院時 35%
3ヵ月後 9%
6か月後 9%
この調査では新型コロナウイルス診断後6か月が経過しても、10%の人が頭痛に悩まされていることが明らかになりました。
コロナ後遺症の頭痛はどれくらい続く?
新型コロナウイルスの後遺症の頭痛は、どれくらい続くのか明らかになっていません。半年以上にわたって後遺症の頭痛に悩んでいる人が、どれくらいで改善していくのか、調査報告が待たれています。
コロナ後遺症に悩むときは
新型コロナウイルスの後遺症の治療方法は、現段階ではありません。症状を軽減させるための薬を使う「対症療法」が一般的です。頭痛がある人は、頭痛薬を内服するようにしましょう。
後遺症に悩む患者さんの増加に伴い、「コロナ後遺症」を専門に診察する後遺症外来も全国に増えています。後遺症が長く続く、後遺症がつらい場合には、お近くの後遺症外来の受診をおすすめします。
ワクチン接種後の頭痛
新型コロナウイルスに関連した頭痛は、感染した人にのみ起こるのではありません。新型コロナワクチンは接種後にも頭痛が起きることがわかっています。
ワクチン接種後は、注射した部分の痛み、発熱、倦怠感、頭痛、筋肉や関節の痛み、寒気、下痢などの症状です。こうした症状の大部分は、接種の翌日をピークに発現することが多いですが、数日以内に回復していきます。
実は、ワクチン接種後に頭痛を自覚する人がたくさんいるのです。ここでは、ワクチン接種後の頭痛に着目して、解説していきます。
多くの方が接種後の頭痛を経験する
厚生労働省はファイザー・モデルナ・アストラゼネカそれぞれのワクチンに、どのような副反応が現れたのか定期的に報告しています。
ファイザーでは1回目の接種で10%強、2回目の接種では約50%方が頭痛を自覚しています。
2回目の接種では「日常生活に支障がある」ほどの頭痛を感じた方は5%程度と高い値になっています。さらに全年代で女性のほうが頭痛を自覚しやすく、若い年齢の方が頭痛を自覚しやすいこともわかっています。
モデルナでは1回目の接種で副反応を感じた方は、10%程度ですが2回目の接種では50%の方が頭痛を自覚しています。
アストラゼネカのワクチンは8月から接種が開始したため、まだ報告数は少ないのですが、1回目の接種で40%以上の方が頭痛を感じ、2回目の摂取後の方が副反応の頻度は低くなる傾向にああることがわかっています。
2回目のほうが症状は現れやすい
1回目の接種後よりも2回目の方が、副反応が現れやすくなることがわかっています。それは1回目の接種により、体内で新型コロナウイルスに対する免疫ができます。
2回目にワクチンを接種すると1回目より強く免疫が反応するので、発熱や倦怠感などの副反応が強く現れるようになるのです。
症状は個人差があるので、必ずしも1回目より2回目の方が副反応が強く出るわけではありません。
副反応がないからとって、免疫がつかないわけではありませんので、安心してくださいね。
頭痛が改善するまでの日数
ワクチン接種後の副反応による頭痛は、数日から1週間程度で、少しずつ症状が軽くなるといわれています。 症状が特に重かったり、長引くことがあれば、医療機関等への受診や相談を検討してください。
ワクチン後の頭痛に効く市販薬
ワクチン接種後の頭痛には、医師が処方する市販の解熱鎮痛薬での対応を、厚生労働省は推奨しています。
以下は、解熱鎮痛剤の一例です。
・アセトアミノフェン
・非ステロイド性抗炎症薬(イブプロフェンやロキソプロフェンなど)
頭痛を自覚する時には、水分や栄養を充分にとり休息を取るようにしましょう。
まとめ
今回は新型コロナウイルス感染症と頭痛について解説しました。コロナに関連した頭痛は、感染の初期症状や後遺症だけでなく、ワクチン接種後にも認められます。もともと多くの日本人が頭痛に悩まされており、コロナかどうか判断に迷うかもしれません。
いつもより重い頭痛や症状が長引く場合は、新型コロナウイルス感染症にかかっている可能性もあるため、医療機関への受診や相談を検討してみてください。
参考資料
新型コロナの症状、経過、重症化のリスクと受診の目安(2021年1月)(忽那賢志) – 個人 – Yahoo!ニュース
頭痛が月1回以上起こる人は59.8%|頭痛のはなし|EVE(イブ)【エスエス製薬】 (ssp.co.jp)
COVID-19後遺障害に関する実態調査(中等症以上対象) 厚生労働省
新型コロナ後遺症 現時点で分かっていること(忽那賢志) – 個人 – Yahoo!ニュース
長引く新型コロナの後遺症 知っておきたい後遺症外来 受診するタイミングは?(追記あり)(倉原優) – 個人 – Yahoo!ニュース
健康観察日誌集計の中間報告(13)厚生労働省
これまでに認められている副反応にはどのようなものがありますか。|新型コロナワクチンQ&A|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
・新型コロナワクチンの接種後の健康状況調査|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
アストラゼネカ バキスゼブリア接種後の全身反応 000838714.pdf (mhlw.go.jp)
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