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新型コロナと皮膚症状の関係とは。帯状疱疹や肌荒れが増加する要因

監修医師 木村眞樹子
更新日:2024年02月28日

更新日:2024年02月28日

新型コロナと皮膚症状の関係とは。帯状疱疹や肌荒れが増加する要因のイメージ
最近、皮膚科を受診する患者で、帯状疱疹の診断を受ける人が急増しています。

その原因として新型コロナウイルスワクチンが影響しているともいわれており、更に長期に渡るコロナ禍での精神的ストレスが免疫力を下げ、帯状疱疹にかかりやすい状態になっています。

また、どこに行くにも手指のアルコール消毒やマスクをすることで、手指や頬~口周りの肌荒れで受診する人も多いのです。
今回は、新型コロナウイルスと皮膚症状について解説したいと思います。

COVID-19の皮膚症状も報告あり

最近、皮膚科を受診する患者で、帯状疱疹の診断を受ける人が急増しています。

その原因として新型コロナウイルスワクチンが影響しているともいわれており、更に長期に渡るコロナ禍での精神的ストレスが免疫力を下げ、帯状疱疹にかかりやすい状態になっています。

 

また、どこに行くにも手指のアルコール消毒やマスクをすることで、手指や頬~口周りの肌荒れで受診する人も多いのです。
今回は、新型コロナウイルスと皮膚症状について解説したいと思います。

COVID-19の皮膚症状も報告あり

皮膚症状は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症状の一つとしても挙げられています。

 

WHO(世界保健機関)ではCOVID-19の症状の中でも “Less common symptoms(あまり一般的ではない症状)”として 「皮膚の発疹、または指やつま先の変色」の皮膚症状を挙げています。

 

また、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)※¹では、COVID-19の患者に伴った一般的な皮膚症状と次のとおり報告しています。
・斑状丘疹状発疹(22%)
・指と足指の変色した病変(18%)
・広範囲のじんましん(16%)
皮膚症状のあるCOVID-19患者の約60%は、発熱と咳の両方もしくはどちらかを一方がみられました。
※¹ 対象は軽症~重症度のCOVID-19感染者 171人

 

また、COVID-19と皮膚症状についての72例について解析したレビュー(Journal of Dermatological Science (vol.98, Issue 2)もあります。
・症状があらわれたのは体幹部(69.4%)および手足(19.4%)
・皮膚症状の発症はCOVID-19患者の12.5%で、呼吸器症状またはCOVID-19診断の発症前に発生。
・病変は10日以内にすべての患者で自然治癒。

 

皮膚症状と重症度の関連性、相関についてははっきりせず、皮膚症状があるからといってCOVID-19というわけではありません。しかし、COVID-19が麻疹様や水痘様、しもやけのような皮膚症状をおこす可能性があるといわれています。

コロナ禍の環境変化など大きなストレス

2020年1月15日に日本で初めて新型コロナウイルスの感染が確認されてから、もうすぐ2年が経とうとしています。コロナ禍で、わたしたちの生活は大きく変わりました。

 

外出は制限され、飲食業界は酒類の提供ができなくなり、営業時間の短縮も余儀なくされ、鉄道各線は終電時間が大幅に早まりました。

 

働きたくても働けない経済的ストレス、見えないウイルスに怯える不安やストレス、テレワークによってオンライン会議ばかりの人と直接会って話せないストレス、外出時のマスクの着用やどこに行くにも必須となった手指のアルコール消毒など。

 

数えきれないほどのストレスを抱えながら、1年半以上過ぎ「コロナ疲れ」が心身ともに出ている人が多く見られます。

帯状疱疹の患者が激増している

2021年に入ってから、皮膚科では帯状疱疹にかかる人が多く見受けられます。その原因は何なのでしょうか。

コロナ禍における加えて、ストレスによる免疫力低下

コロナ禍でのストレス、コロナ疲れにより、現在のわたしたちはウイルスなどへの抵抗性すなわち免疫力が落ちている状態です。

 

普段は悪さをせず、体内に潜んでいる水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスが免疫力が落ちたときに活発になり、神経を通って皮膚に到達、帯状に発疹や痛みを伴う帯状疱疹を発症します。
水痘・帯状疱疹ウイルスは、多くの人が子どもの頃にかかった水ぼうそうの原因ウイルスです。

 

帯状疱疹は、チクチクするような神経痛を伴うのが特徴で、発疹よりも痛みが先にあらわれることもあります。そして、小さな水ぶくれが多数見られ、それがつぶれてかさぶた状になります。

 

問題は、皮膚症状がよくなった後も神経痛が数ヵ月~数年残ることです(帯状疱疹後神経痛)。
帯状疱疹は50歳以上の人を対象に、任意の予防ワクチンがあります。

ワクチンが原因ウイルスの再活性化の可能性

また、新型コロナウイルスワクチンが帯状疱疹の原因ウイルスの再活性化の可能性があることが海外の研究でわかりました。

 

新型コロナウイルスワクチン接種後の数日間でリンパ球(白血球の一種)の減少が確認され、このことが水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化を引き起こす可能性があると考えられています。

 

また、リンパ球レベルはワクチン接種後6〜8日で正常に戻りました。

感染予防にしていることが皮膚症状を招く

コロナ禍になり、度重なる手洗い、消毒により手荒れで受診する人が増えています。

 

手荒れがもたらす問題として、下記のようなことが挙げられます。
●細菌が残りやすくなり、細菌の伝播のリスクが増加する
●乾燥した皮膚が剥がれ落ちる
●皮膚のバリア機能が低下し、感染症のリスクが増加する
●ヒリヒリ痛む、消毒剤がしみることで、手洗い・手指消毒の回数が減る

 

しかし、感染予防対策には手指衛生は必須のため、手荒れ予防をしていく他なりません。

 

例として下記のようなことが挙げられます。
●皮脂が落ちてしまうので、手洗いに温水を使用しない
●低刺激の洗浄成分を使用している手洗い剤を選ぶ
●保湿剤を含む手指消毒剤を選ぶ
●手洗いと手指消毒を同時に行わない
●炊事・洗濯をするときに手袋を使う
●自身にあったハンドクリームを選ぶ

 

手荒れで悩んでいる人は、今一度手指衛生の習慣を見直してみてはいかがですか。

まとめ

今回は新型コロナウイルスと皮膚症状について解説しました。
来年には3回目のブースター接種が控えています。その前に、対象であれば帯状疱疹ワクチンの接種を考えてみるべきではないでしょうか。

参考資料(いずれも参照 2021-10-24)
WHO (World Health Organization), Coronavirus disease (COVID-19)
https://www.who.int/health-topics/coronavirus#tab=tab_3
CDC (Centers for Disease Control and Prevention), Management of Patients with Confirmed 2019-nCoV. 2021,
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/clinical-guidance-management-patients.html
Muskaan Sachdeva, Prof. Raffaelle Gianotti. Cutaneous manifestations of COVID-19: Report of three cases and a review of literature. Journal of Dermatological Science (ELSEVIER). p75-81, Volume 98, Issue 2, May 2020.
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0923181120301493
Case Report Herpes Zoster after COVID-vaccination. Journal of Dermatological Science (ELSEVIER).
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1201971221006810
手荒れと感染対策は関係している!?|過去の常識=現在の非常識!?|感染症の基礎知識|福祉ナビ|サラヤ株式会社 企業法人向け
https://pro.saraya.com/fukushi/kansen/joshiki/teare/
感染防止のためのマスクの効果・選び方・注意点 | 健康長寿ネット|公益財団法人 長寿科学振興財団
https://www.tyojyu.or.jp/net/topics/tokushu/covid-19-taisaku/covid-19-masuku-koka-shiyohoho.html

最近ではオンライン診療を行っている病院も増えており、誰でも気軽に相談できるという状況が生まれています。

 

オンライン診療は、

・受付や会計の待ち時間が短縮される。

・自宅や外出先で診療が受けられる。

・院内処方の場合くすりが自宅に届く。

・院内感染・二次感染のリスクがない。

などのメリットがあり、非常に便利なサービスです。

 

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監修医師 木村眞樹子
現役医師、産業医 10年以上大学病院で臨床に従事、産業医として企業の健康経営にも携わる 2019年より医療ライターとしても活動している
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