クラリチン配合成分の医薬品「ロラタジン」は通販で買えるの?花粉症やアレルギー性鼻炎の方へ副作用等のお薬情報も紹介
更新日:2024年02月27日
そして、市販薬として販売されている「クラリチンEX」はこのロラタジンを有効成分として配合した鼻炎薬です。
クラリチンEXを商品名と呼ぶのに対してロラタジンのような商品に配合されている成分名のことを「一般名」と呼びます。
ロラタジンは一般名!市販の商品は「クラリチンEX」
「ロラタジン」とは鼻水やくしゃみ、かゆみなどを誘発する物質「ヒスタミン」を抑える抗ヒスタミン作用を有する成分の一種です。
そして、市販薬として販売されている「クラリチンEX」はこのロラタジンを有効成分として配合した鼻炎薬です。
クラリチンEXを商品名と呼ぶのに対してロラタジンのような商品に配合されている成分名のことを「一般名」と呼びます。
クラリチンは医療現場で使われる医療用医薬品
アレルギー性鼻炎や花粉症などの治療で病院から「クラリチン」や「ロラタジン」を処方してもらった方もいるのではないでしょうか。
クラリチンは医師の処方せんが必要な医療用医薬品として長い間使用されてきました。その後、ジェネリック医薬品(後発品)であるロラタジンが登場しました。ジェネリック医薬品はこのように一般名がそのまま商品名になっているケースが多いです。
医療用医薬品の中には医療現場で長年治療に使用され、これまでの実績やある程度の安全性から市販薬として販売が許可されたもの(スイッチOTC)があります。ロラタジンもその一つであり、2017年に市販薬の商品「クラリチンEX」として販売されるようになりました。
まとめると、クラリチン、クラリチンEX、ロラタジンはすべて有効成分である「ロラタジン」を配合した医薬品です。
処方せんが必要な医療用医薬品はクラリチンとロラタジン
処方せんがなくても薬局薬店で購入できる商品はクラリチンEX
市販薬は通販でも購入可能
ロラタジンを有効成分にもつ医薬品のうち、通販で購入できる商品は市販薬である「クラリチンEX」のみです。ここでは医薬品の入手方法について簡単に説明します。
医薬品は医療用医薬品、要指導医薬品、一般用医薬品(市販薬)の3つに分類されます。医療用医薬品は医師による処方せんに基づいて使用されることを目的とされる医薬品であるため、医療機関などを受診し処方せんを薬局等に持っていくことで薬を入手することができます。
一方、一般用医薬品(市販薬)は医師による処方せんを必要とせず、薬局や薬店で自ら購入することが可能です。また、一般用医薬品は2014年より通販でも購入することが可能になりました。そして、この両者の中間に位置する商品が要指導医薬品です。
医師による処方せんは必要ではありませんが、副作用などの点から安全に服用していただけるよう薬剤師が情報提供するため対面での販売が義務付けられています。
そのため、使用する本人にしか販売できず通販での購入も不可です。医薬品を薬局や薬店で購入する際はその商品がどの分類に属しているか商品情報を確認してみましょう。
用法・用量について
クラリチンEXは有効成分であるロラタジンを10㎎配合した鼻炎薬です。
これは医療用医薬品のクラリチン1錠と同等量のロラタジンが配合されています。
成人(15歳以上)1日1回、1回1錠を食後に服用します。毎日飲む時間を決めて服用することをおすすめします。
効能・効果について
クラリチンEXは花粉やハウスダストによる鼻水や鼻づまり、くしゃみなどの鼻のアレルギー症状の緩和に対して効果を示します。
花粉症やアレルギー性鼻炎に効く医薬品
クラリチンEXの有効成分である「ロラタジン」は第2世代抗ヒスタミン薬に該当します。抗ヒスタミン薬とは抗ヒスタミン作用を有する医薬品の分類です。ヒスタミンを抑えるとなぜ花粉やハウスダストによるアレルギー症状が緩和されるのでしょうか。
ヒスタミンはアレルギー反応を引き起こす物質の一つです。花粉やハウスダストのようなアレルギー物質が体内に侵入すると、体内の免疫を担っている細胞がこれらを異物だと認識して体内から排出しようとヒスタミンを放出します。
このヒスタミンが鼻の粘膜などに存在するヒスタミン受容体に結合することで、鼻水やくしゃみを引き起こします。また、ヒスタミンには血管を広げる作用もあるため、鼻水や鼻づまり、くしゃみの原因になります。
ロラタジンは、放出されたヒスタミン受容体に結合するのをブロックしたり、免疫を担っている細胞からヒスタミンが放出されないようにする働きがあり、これらの抗ヒスタミン作用により鼻水や鼻づまり、くしゃみなどのアレルギー症状を緩和します。
ちなみに、抗ヒスタミン薬には第1世代と第2世代があり、第2世代は第1世代にみられた眠気や口の渇きなどの副作用を軽減するよう設計されたものになります。
湿疹や皮膚そう痒症、皮膚炎などの皮膚疾患には使えない
同じ主成分をもつ医薬品でも使える疾患が異なる場合があります。
ロラタジンを主成分としてもつ「クラリチン」「クラリチンEX」もその一つです。
クラリチンの効能効果
アレルギー性鼻炎
蕁麻疹(じんましん)
皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒クラリチンEXの効能効果
花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる次のような鼻のアレルギー症状の緩和:鼻みず、鼻づまり、くしゃみ
市販薬のクラリチンEXはこのように「アレルギー専用鼻炎薬」です。
皮膚科や小児科を受診してクラリチンやロラタジンを処方されている方、もしくはお子さんが処方されている方は市販薬のクラリチンEXでは蕁麻疹や湿疹などの皮膚症状を治すことができませんので、医療機関を受診し治療を受けましょう。
また、他の医薬品についても医療用医薬品と市販薬で効能効果が異なる場合がありますので、購入の際は医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
服用時の注意点やポイントを確認
クラリチンEXは1日1回の服用で1日中効果が続く持続性のある商品です。そのため、服用する時間を決めて毎日同じ時間に服用するようにしましょう。1日1回であることや飲む時間を決めることで飲み忘れが少なくなることが期待されます。
また、服用のポイントとして症状が現れたときに飲み始めるようにしましょう。鼻水やくしゃみ、鼻炎などの予防として服用することは勧められていません。
鼻炎などの症状が出始めてから服用を開始し継続して服用することで作用が持続します。薬を服用する前後では飲酒を避けるようにしましょう。
授乳中の方は服用しないか、服用する場合や服用している間は授乳を避けるようにしましょう。
小児は服用できるの?
クラリチンEXは15歳未満のお子さんには使用することができません。医療用医薬品であるクラリチンやロラタジンの「錠剤」は7歳以上から服用が可能です。
また、3歳から7歳のお子さんにはクラリチンやロラタジンの「ドライシロップ」の服用が可能ですので、15歳未満のお子さんの鼻水や鼻づまり、くしゃみなどのアレルギー症状や鼻炎が気になる方は市販薬で対処せず、医療機関に受診するようにしましょう。
薬の副作用も確認しましょう
抗ヒスタミン薬の共通の副作用として眠気や倦怠感(だるさ)、呼吸器症状ではのどの痛みや鼻の乾燥感、消化器症状では胃炎や口内炎、皮膚症状では皮膚のかゆみや発疹などがあります。アレルギー反応を引き起こす物質のヒスタミンには脳を活性化させる働きも併せ持ちます。
抗ヒスタミン薬を服用し、有効成分が脳へ移行することでヒスタミンと脳内のヒスタミン受容体が結合するのを防ぎます。そのことで脳の活性が抑えられ眠気が生じます。
他にも眠気の自覚がなくても作業効率の低下や集中力、判断力の低下した状態である「インペアード・パフォーマンス」も生じます。これらの副作用は第1世代抗ヒスタミン薬に多く見られ、第2世代では副作用が軽減するよう設計されています。
クラリチンEXの有効成分ロラタジンは第2世代抗ヒスタミン薬に分類され、鼻などのヒスタミン受容体には結合して鼻水やくしゃみなどを抑えますが、脳には移行しにくいように設計されているため、眠気やインペアード・パフォーマンスが生じにくい医薬品となります。
そのため、多くの抗ヒスタミン薬には「車などの運転に注意する」と注意書きがありますが、クラリチンEXと同じ第2世代の「アレグラFX」にはその記載がありません。
しかし、人によっては眠気を感じる方もおられますので、服用中は車の運転や機械の操作などなるべく避けるようにしましょう。
購入の際は薬やその他商品の情報について薬剤師に問い合わせしましょう
鼻炎などに効く抗ヒスタミン薬の市販薬はクラリチンEXをはじめ、多くの商品が販売されています。
薬を飲む回数や飲む時間帯、剤形などそれぞれに服薬のポイントがありますので、購入の際には薬剤師や登録販売者に医薬品情報について問い合わせしてみましょう。
また、他に医療機関などで薬を処方されている方はどのような薬を服用しているか薬剤師と確認した上で市販薬を購入するようにしてください。
ロラタジン配合の医薬品のように医療用医薬品と市販薬で名前が異なるケースが多く存在します。同じ成分の薬を気づかずに飲んでしまう可能性が生じますので注意しましょう。
また、同じような鼻炎などに効能効果を持つ医薬品をすでに飲んでいる可能性もありますので市販薬を購入する際は確認しましょう。
症状が改善されない場合は医師の診断を受けましょう
服用を始めて1週間程度経過しても症状に改善が見られない場合は医療機関に受診、または相談しましょう。鼻水や鼻づまり、くしゃみなど鼻炎以外の他の原因があるかもしれません。
また、症状の改善が見られても2週間以上続けて服用する場合は医師や薬剤師に問い合わせするようにしてください。市販薬は病院に受診しなくても手に入り自己管理できる医薬品ですが、誤った飲み方や長期的な服用は副作用などのリスクも伴います。
用法用量を正しく守り、体調や症状の改善がみられなければ医療機関で医師の診断を受けましょう。
処方箋なしで購入できる零売について
医療用医薬品のなかでも「処方箋以外の医療用医薬品」(非処方箋医薬品)に指定されているものは一定の条件の元、医師の処方箋がなくても、「零売」(れいばい)という方法で購入できます。
オンライン診療SOKUYAKUであればクリニックや服薬指導の待ち時間の短縮や、二次感染リスクの軽減が可能です。ぜひ「SOKUYAKU」をご利用ください。
当コラムの掲載記事に関するご注意点
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