ドライアイにはヒアレインが効果的?ヒアレイン点眼液の成分や効果、使い方のポイントについて薬剤師が解説
更新日:2024年02月27日
1995年から現在にいたるまでドライアイや目の傷など多くの目のトラブルに対して処方される目薬です。
また、体に負担がかかりにくい優しい目薬で副作用も少ない薬なのでお子様から高齢者まで広い年齢層に使用されています。
ヒアレイン点眼液はどんな薬
ヒアレイン点眼液とは精製ヒアルロン酸ナトリウムを主成分とする医療用の点眼液の製品名です。1995年から現在にいたるまでドライアイや目の傷など多くの目のトラブルに対して処方される目薬です。
また、体に負担がかかりにくい優しい目薬で副作用も少ない薬なのでお子様から高齢者まで広い年齢層に使用されています。
ヒアレイン点眼液には4規格あり、通常の5mLのボトルタイプで濃度が違う2規格、一回使い切りタイプで濃度が違う2規格の計4規格です。
商品名はそれぞれボトルタイプが「ヒアレイン点眼液0.1%」と「ヒアレイン点眼液0.3%」、1回使い切りタイプが「ヒアレインミニ点眼液0.1%」と「ヒアレインミニ点眼液0.3%」となっています。
詳細は後述しますが、使用頻度や使用目的によって使い分けることができる薬ですので、医師、薬剤師にご相談ください。
ヒアレイン点眼液にジェネリックはある?
ヒアレイン点眼液にはジェネリック医薬品もあり、アイケア点眼液、ヒアロンサン点眼液、ティアバランス点眼液、またヒアルロン酸ナトリウム点眼液として販売があります。
これらヒアレイン点眼液のジェネリックは、ボトルタイプの物だけであり、1回使い切りタイプのジェネリックはありません。
ジェネリック医薬品とは、先発医薬品で使われる主成分の特許が切れた後に発売される医薬品を指します。
先発品の後に市場に出てくるため、ジェネリック 医薬品は後発品とも言われます。後発品で使用される成分は、先発医薬品の主成分と同じものであり、効能効果は同等な薬とされています。
さらに、開発費用が抑えられているため、後発品は先発医薬品よりも安くお手頃に購入することができます。
「ジェネリック」や「後発品」と聞くと安価で良いイメージを持たれないことがありますが、効能効果は同じですし、国も認めている医薬品が販売されていますので安心してお使いいただけます。また、中には後発品にしか存在しないタイプの薬もあります。
ヒアレイン点眼液の場合、防腐剤を添加していない「ヒアルロン酸ナトリウム点眼液PF 日点」という薬があります。こちらは防腐剤に対してアレルギーをお持ちの方などに重宝されています。
ヒアレイン点眼液はどんな症状に効果的?
ヒアレイン点眼液や後発品であるヒアルロン酸ナトリウム点眼液の有効成分はヒアルロン酸ナトリウムです。ヒアルロン酸ナトリウムは市販の化粧品などにも含まれており、聞いたことがあるかもしれません。
ヒアルロン酸の基本的な働きは2つあり、水分を保持する機能と、緩衝材のような機能です。ヒアルロン酸の水分保持機能は、1gのヒアルロン酸で6Lもの水分を保持することができます。
もう1つは緩衝作用と呼ばれるクッションのような働きです。眼球が、骨などないにも関わらず球形が維持できるのはこの緩衝作用が関係しています。ヒアレインはヒアルロン酸のこれらの働きを利用して、涙を眼の表面に長時間維持し、眼全体を保護することができます。
そのためドライアイなどの眼の乾燥症状やコンタクトレンズ(ソフトコンタクトレンズ含む)による眼の傷・シェーグレン症候群・薬剤製の角膜炎などにより眼の表面や角膜の保護が必要な症状の改善に使用されます。
ヒアレイン点眼液の使い方のポイント
ヒアレイン点眼液の用法は、添付文書によると、通常0.1%製剤を1回1滴、1日5〜6回点眼します。
症状の改善が見られない場合は薬効成分の含有量の多い0.3%製剤を同じように使用します。
お子様や高齢者の介護などで自分以外の人に点眼をする場合も同様に次の手順で行うことができます。
1.まずは手を石けんと流水でよく洗いましょう。
2.下瞼を軽くひき(あっかんべーのようなイメージ)、1滴を点眼します。この時、点眼剤の先端が眼に触れないように注意しましょう。
3. 点眼後はまばたきをせず、まぶたを閉じ、あふれた液を清潔なガーゼやティッシュで軽くふき取ってください。
4.そのまましばらく(1~5分)まぶたを閉じるか、涙嚢部(るいのうぶ:目頭のやや鼻より)を指先で軽く押さえます。
使用における注意点
ヒアレイン点眼液の使用上の注意についてご紹介します。
点眼薬は、通常、目に薬液が1滴入れば十分です。目とまぶたの間の隙間には、水1滴分の隙間しかありません。そこに2滴以上点眼すると、1滴目の薬液が流れ出てしまいますので、点眼するときは1滴で十分です。
点眼後はパチパチとまばたきをせず、1分間軽く目を瞑るようにしましょう。パチパチとまばたきすると、目と鼻を繋ぐ涙管から薬液が流れやすくなり、苦味や副作用となることがあります。
点眼する回数は、医師に指示された回数を守りましょう。
ドライアイの治療で使用する際も、使用回数を増やしたからといって症状が改善しやすくなるわけではありません。その他、ヒアレイン点眼と他の点眼薬を併用する場合は、使用間隔を5分以上開けて、指示された順番で点眼しましょう。
コンタクトレンズ(ソフトコンタクトレンズ、カラーレンズ含む)を使用している場合は医師または薬剤師に相談してください。
防腐剤とコンタクトレンズのトラブルにより、目を傷つけてしまう恐れがあります。使用中にかゆみや不快感など気になる症状があった場合は医師または薬剤師に相談してください。
点眼剤は患者一人一人の症状から医師が判断し、処方されていますので、他人に貸し借りは行わないでください。
開封前の点眼液の使用期限は容器に記載されていますが、目薬は原則、開封後1ヶ月が使用期限となっています。1ヶ月をすぎた目薬は薬液が残っていても破棄しましょう。点眼液中に濁りや異物がある場合も使用期限内でも破棄してください。
どうすれば購入できる?
ヒアレイン点眼液は、医療用医薬品であるため、医師の処方箋により処方してもらい手に入れるか、後述する「零売」という方法で薬剤師から購入することも可能です。
また、ヒアレイン点眼液0.1%であれば現在(2020年11月)、要指導医薬品としてO T Cで「ヒアレインS」という商品名で市販されています。
普段から0.1%を使用しているのであればO T Cの購入でも良いかもしれません。実は病院で処方される医療用医薬品の中には、処方箋がなくても購入できる薬があります。
ヒアレイン点眼液を購入するにはどうしたらいい?
ヒアレイン点眼液は「医療用医薬品」に指定されているため、処方箋なしでドラッグストアなどで購入することはできません。
ヒアレイン点眼液を購入するには、医師の診察を受けて処方箋を発行してもらう必要があります。
しかし、薬をもらうためだけに病院に行くのは面倒と感じる方もいるのではないでしょうか。
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