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アレロック錠(オロパタジン塩酸塩)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説

監修薬剤師 福岡 蓉佑
更新日:2024年02月21日

更新日:2024年02月21日

アレロック錠(オロパタジン塩酸塩)に含まれている成分や効果、副作用などについて解説のイメージ
アレロック錠(オロパタジン塩酸塩)はアレルギー性疾患治療剤としてアレルギー性鼻炎や皮膚かゆみを伴う症状に対して使用される医療用医薬品です。花粉症の時期に一度は使用を経験された方もいるかもしれません。

今回はアレルギー性疾患治療剤として知られるアレロック錠(オロパタジン塩酸塩)について成分の特徴や効果、副作用、市販薬の有無について解説していきます。

アレロック錠(オロパタジン塩酸塩)とは

アレロック錠(オロパタジン塩酸塩)とは2001年に共和キリン株式会社が販売を開始したアレルギー性疾患治療剤です。有効成分にオロパタジン塩酸塩を配合しています。

 

オロパタジン塩酸塩は共和発酵工業株式会社(現 共和キリン株式会社)が開発した抗アレルギー薬でアレルギー性鼻炎や蕁麻疹の治療薬として承認されています。

 

アレロックには5種類の剤型があり、今回ご紹介する錠剤タイプにはアレロック錠2.5とアレロック錠5の2種類があります。アレロック錠2.5には有効成分オロパタジン塩酸塩が1錠中に2.5mg、アレロック錠5には有効成分オロパタジン塩酸塩が1錠中に5mg配合されています。

 

またOD錠も錠剤と同様に2種類あります。さらに顆粒タイプも1種類あり、1g中に有効成分オロパタジン塩酸塩が5mg(0.5%)配合されています。主に2歳以上の小児に使用されることが多いです。

 

では有効成分であるオロパタジン塩酸塩にはどんな特徴があるのでしょうか?成分の働きについて詳しく見ていきましょう。

アレロック錠(オロパタジン塩酸塩)の成分について

アレロック錠の有効成分であるオロパタジン塩酸塩は第二世代抗ヒスタミン薬に分類されます。

抗ヒスタミン薬には第一世代と第二世代に分類が分かれており、一般的に第二世代は第一世代に比べて、副作用である眠気が出にくいのが特徴です。

主に抗アレルギー作用や抗ヒスタミン作用によってアレルギー性鼻炎や皮膚疾患によるかゆみを抑える効果があります。では抗アレルギー作用や抗ヒスタミン作用とはどういった作用なのでしょうか?

抗アレルギー作用

花粉やハウスダストを始めとした、アレルギーを持つ特定の物質(アレルゲン)が身体の中に侵入してくると、ヒスタミンやロイコトリエンなどのアレルギー誘発物質が放出されます。

 

この物質が受容体に結合することによって鼻ではくしゃみ・鼻みず・鼻づまりなどのアレルギー性鼻炎症状が引き起こされ、皮膚ではかゆみや炎症などの症状を引き起こします。

 

アレロック錠の有効成分であるオロパタジン塩酸塩は抗アレルギー作用によって肥満細胞からのアレルギー誘発物質の放出を抑えることで、これらの症状を抑えることができます。

抗ヒスタミン作用

アレルギー誘発物質の一つであるヒスタミンはヒスタミン受容体に結合することで、鼻ではくしゃみ・鼻みず・鼻づまりなどのアレルギー性鼻炎症状が引き起こされ、皮膚ではかゆみや炎症などの症状を引き起こします。

 

抗ヒスタミン作用とはヒスタミン受容体にフタをしてヒスタミンが受容体に結合できないようにする働きです。これによりヒスタミンによって引き起こされるアレルギー性鼻炎症状や皮膚疾患に伴かゆみ症状を抑えることができます。

アレロック錠(オロパタジン塩酸塩)はどんな症状に効果がある?

アレロック錠(オロパタジン塩酸塩)は成人や小児によってそれぞれ効果が異なります。

【成人】
・アレルギー性鼻炎
・蕁麻疹(じんましん)、皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症、尋常性乾癬、多形滲出性紅斑)

【小児】
・アレルギー性鼻炎、蕁麻疹(じんましん)、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒

アレロック錠(オロパタジン塩酸塩)の用法・用量は?

アレロック錠(オロパタジン塩酸塩)は剤型や年齢によって服用方法が異なっています。

それぞれの服用方法は以下の通りです。

【アレロック錠2.5・5】
<成人>
通常、成人にはオロパタジン塩酸塩として1回5mgを1日2回、朝及び就寝前に服用します。
なお、年齢、症状により服用量を増やしたり、減らしたりすることがあります。
<小児>
通常、7歳以上の小児にはオロパタジン塩酸塩として1回5mgを1日2回、朝及び就寝前に服用します。

アレロック錠(オロパタジン塩酸塩)の副作用

アレロック錠(オロパタジン塩酸塩)の重大な副作用に下記の症状があります。

このような症状があらわれた場合には、すぐに服用を中止して医師、薬剤師にご相談ください。

・劇症肝炎、肝機能障害、黄疸
劇症肝炎、血液検査においてAST、ALT、γ-GTP、LDH、AI-Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあります。

またそれぞれの領域ごとに起こるその他の副作用を下記に示します。

【過敏症】
<0.1%〜5%未満>
紅斑等の発疹
<0.1%未満>
浮腫(顔面・四肢等)、そう痒、呼吸困難

【精神神経系】
<5%以上>
眠気
<0.1〜5%未満>
倦怠感、口渇、頭痛・頭重感、めまい
<0.1%未満>
集中力低下、しびれ感
<頻度不明>
不随意運動(顔面・四肢等)

【消化器】
<0.1〜5%未満>
腹部不快感、腹痛、下痢、嘔気
<0.1%未満>
便秘、口内炎・口角炎・舌痛、胸やけ、食欲亢進
<頻度不明>
嘔吐

【肝臓】
<0.1〜5%未満>
肝機能異常(ALT、 AST、LDH、γ-GTP、AI-P、総ビリルビン上昇)

【血液】
<0.1〜5%未満>
白血球増多、好酸球増多、リンパ球減少
<0.1%未満>
白血球減少、血小板減少

【腎臓・泌尿器】
<0.1〜5%未満>
尿潜血
<0.1%未満>
BUN上昇、尿蛋白陽性、血中クレアチニン上昇、頻尿、排尿困難

【循環器】
<0.1%未満>
動悸、血圧上昇

【その他】
<0.1〜5%未満>
血清コレステロール上昇
<0.1%未満>
尿糖陽性、胸部不快感、味覚異常、体重増加、ほてり
<頻度不明>
月経異常、筋肉痛、関節痛

アレロック錠(オロパタジン塩酸塩)に関する注意点

アレロック錠(オロパタジン塩酸塩)は次の人は服用してはいけません。

・アレロック錠を服用して過敏症が出たことがある人

また次の人は服用にあたり、注意が必要です。

服用してしまうことで、症状が悪化してしまったり、薬が効きすぎてしまうおそれがあるためです。

以下にあてはまる場合は必ず医師に相談しましょう。

・長期のステロイド治療を受けている人
・腎機能障害のある人
アレロック錠の効果が強く出てしまうおそれがあります
・ご高齢の人
生理機能が低下していることが多く、副作用が発現しやすいです

 

上記の疾患だけでなく妊娠中の人や授乳中の人も注意しましょう。

添付文書には「妊婦または妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」「治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または、中止を検討すること」との記載があります。

妊娠中や妊娠の可能性がある人、授乳中の人は主治医に相談してみましょう。

アレロック錠(オロパタジン塩酸塩)と同じ成分の市販薬はある?

残念ながら市販薬にアレロック錠(有効成分オロパタジン塩酸塩)と同じ成分を使用している商品はありません。

しかしながら、アレロック錠の有効成分であるオロパタジン塩酸塩は第二世代抗ヒスタミン薬で、副作用の眠気や口の乾きが出にくい点が特徴でした。

近年、同じ第二世代抗ヒスタミン薬を配合した商品は市販薬でも多く販売がされています。以下に第二世代抗ヒスタミン成分を配合した商品を記載します。

【第二世代ヒスタミン成分を配合した市販薬】
・アレグラFX(フェキソフェナジン塩酸塩)
・アレジオン20(エピナスチン塩酸塩)
・クラリチンEX(ロラタジン)
・コンタック鼻炎Z(セチリジン塩酸塩)
・ストナリニZ(セチリジン塩酸塩)
・エバステルAL(エバスチン)
・タリオンAR(ベポタスチンベシル酸塩)

 

注意点として上記の市販薬の場合、「鼻の症状にしか使用できない」点です。今回ご紹介した医療用医薬品であるアレロック錠はアレルギー性鼻炎の他に、かゆみを伴う皮膚の症状にも使用できます。

しかし上記の市販薬の場合はくしゃみ、鼻みず、鼻づまりなどの鼻症状にしか効能を持っていませんので購入する際には注意しましょう。

 

もし皮膚のかゆみに使用できる飲み薬をお探しの場合は下記の商品が使用できます。

【皮膚のかゆみに使用できる市販薬】
・ムヒAZ錠(第二世代抗ヒスタミン薬)
・アレルギール錠(第一世代抗ヒスタミン薬)
・レスタミンUコーワ錠(第一世代抗ヒスタミン薬)

眠気が出にくい飲み薬をお探しの場合は第二世代抗ヒスタミン薬を配合しているムヒAZ錠を選ぶと良いでしょう。

参考文献
アレロック錠/添付文書
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/230124_4490025F1023_1_29
アレロック錠/インタビューフォーム
https://medical.kyowakirin.co.jp/site/drugpdf/interv/alk_in.pdf

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監修薬剤師 福岡 蓉佑
ドラッグストア薬剤師を4年間経験した後、本社教育部門にて市販薬セミナーの講師を務める。広告やパッケージに惑わされないお薬選びのコツを「わかりやすく」伝えられるよう、日々の執筆を行っています。
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