SOKUYAKUメディカルコラム
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オンライン診療における指針について|新型コロナの影響で厚生労働省が改訂した内容とは?

監修医師 木村眞樹子
2021年01月27日
オンライン診療が受けやすくなったのを御存知でしょうか?
新型コロナウイルス感染症の拡大によって厚生労働省は一時的ですが、オンライン診療に関わる規制緩和をおこないました。従来では限られた患者さんしかオンライン診療を受診できませんでしたが、対象となる患者さんが増えることになりました。
今回はオンライン診療の指針が新型コロナウイルスの影響でどのように改定されたか紹介します。

オンライン診療とは

オンライン診療は、スマートフォン(以下スマホ)やパソコンなどの情報通信機器によるビデオ通話で医師の診療を受診できる診療方法です。遠隔診療のため自宅にいながら医療を受けることができるので様々な理由で対面診療が難しい患者さんや離島やへき地など医療が不足している地域に住んでいる患者さんにも医療が受けられることがメリットです。
オンライン診療は、対面で医師の診療を受ける場合とは異なり得られる情報量が限られ、検査もできないため正確な診療をおこなうことが難しいというデメリットもあります。
外科的な処置もできないため症状の安定した慢性疾患に向いているといえます。

多くの病院やクリニックなどの医療機関で導入されている新たな医療体制

スマホやパソコンなどの情報通信機器が普及してきてから医療の現場でもIT関連の技術が導入されてきました。現在では医療のオンライン化、電子化が進められています。
遠隔診療について言及をされ始めたのは意外にも1970年代からでした。本来であれば医師法によってオンライン診療が禁止とされていた経緯がありましたが、1997年には厚生労働省が遠隔診療の通知をおこない、少しずつオンライン診療の普及が始まりました。オンライン診療を適正におこなうために指針(ガイドライン)も整備されるようになりました。
情報通信機器の普及によって2015年からは離島やへき地などの限られた地域以外の患者さんにもオンライン診療がおこなえるようになりました。
オンライン診療を導入している病院やクリニックは増え、「外来診療」「在宅医療」に続く新しい医療体制になってきています。

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い加速

2020年に流行した新型コロナウイルス感染症の影響によってオンライン診療は注目されるようになりました。オンライン診療は、自宅で医師の診療を受けられるので医療機関へ行く必要がありません。公共交通機関を利用する必要もなくなり、待合室で待ち時間もなくなるので人との接触を減らすことができます。そのため、自宅で医療が完結するオンライン診療は新型コロナウイルス感染症の対策になると考えられました。

厚生労働省が「オンライン診療の適切な実施に関する指針」を策定

本来であれば医師法第20条によって医師の無診察診療を禁止しているためオンライン診療も禁止されていました。しかし、情報通信機器の技術向上や医師不足解消のためオンライン診療は徐々に解禁されてきています。
オンライン診療は対面診療にくらべて得られる情報量が少なく症状が不安定な疾患に対しては正確な診断をすることが難しいというデメリットがあります。オンライン診療にはメリットとデメリットがそれぞれあるため、病院やクリニックなどの医療機関がオンライン診療を適正におこなうために厚生労働省は指針(ガイドライン)が定められています。
オンライン診療の指針(ガイドライン)は、医療を取り巻く情勢の変化に対応するために改定が進められています。

対象患者や要件は?

オンライン診療は、原則的に初診の患者さんは受けることができませんでした。初診の患者さんは対面診療を受けた後、医師と患者さんの双方が合意してオンライン診療の診療計画を作成する必要があります。
また、病院やクリニックなどの医療機関がオンライン診療を導入する場合には地方厚生局に届出をする必要があります。
オンライン診療に関する申請書や申請方法、指針やガイドラインなどの情報は厚生労働省のホームページに掲載されているので確認してみてください。

診療報酬は?

現在では、オンライン診療は自由診療と保険診療に二つが存在しています。
2018年の診療報酬改定によって「オンライン診療料」「オンライン医学管理料」が新設され、オンライン診療の保険診療が開始されました。
オンライン診療料は診療報酬は71点の算定となっています。オンライン医学管理料については特定疾患療養管理料、小児科療養指導料など10種類ほど定められていますが、診療報酬は100点となっています。
これからの診療報酬の改定によってオンライン診療の普及がさらに進む可能性があります。

新型コロナウイルス感染拡大により一部緩和された基準

オンライン診療をおこなうためには様々な規制がありましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大に対応するため厚生労働省はオンライン診療の指針(ガイドライン)を一時的に規制緩和しました。

初診患者でのオンライン診療が可能

オンライン診療では初診の患者さんは原則的に診察を受けることができませんでした。オンライン診療を受けるためには初診では対面診療を受ける必要がありましたが、2020年4月10日から厚生労働省が通知した規制緩和によって初診からオンライン診療を受診できるようになりました。
しかし、初診からオンライン診療をおこなうためには患者さんにオンライン診療に適さない症状や急変した場合の対応などを説明し、対面診療に移行できるようにする必要があります。また、なりすましで診療をうけて処方薬を受け取るなどの不正を防止する対策をとる必要があります。
特に精神科や心療内科などで処方される医薬品の中にはオンライン診療での処方が制限されているものも存在しているため事前に確認する必要があります。

情報通信機器を用いたオンラインのみならず電話での診療も可

オンライン診療は、対面診療に比べると情報量が少ないため患者さんの顔が見える通信方法として情報通信機器によるビデオ通話を利用するオンライン診療しか認められていませんでした。しかし、スマホやパソコンなどの情報通信機器の取扱いに慣れていない高齢者の患者さんや情報通信機器を所有していない患者さんにはオンライン診療での受診ができないデメリットがありました。オンライン診療の規制緩和がされてから電話での音声通話を利用した遠隔診療も可能となりました。

オンライン診療の研修を受けていない医師でも診察可能

医師がオンライン診療をおこなうために定められた研修を受けている必要がありました。オンライン診療をおこなうためには様々な規制があり、患者さんが安全に診療を受けるため必要な研修ともいえました。しかし、規制緩和がされたことによって医師がオンライン診療をおこなうために必要な研修が免除されることになりました。研修を受けなくてもオンライン診療がおこなえるようになったことで病院やクリニックなど医療機関がオンライン診療を導入しやすくなりました。

新型コロナ感染予防対策として利用

オンライン診療は、患者さんが自宅で医師の診療をうけることができるので医療機関へ外出する必要がなくなります。医療機関へいくために移動する必要もなく待合室での待ち時間もなくなるので人との接触を減らすことができます。オンライン診療は、人の接触を減らせることから新型コロナウイルス感染症の対策にもなります。

直接受診するより情報や処方の制限がある

オンライン診療は、対面診療に比べると得られる情報量が限られるため検査が必要な疾患や症状が安定していない疾患には向いていないといえます。また、心療内科や精神科などで処方される一部の医薬品はオンライン診療では処方に制限がある場合もあります。
向精神薬など一部の薬は用量以上に乱用される恐れがあるため初診では処方できないこととされています。

対面診療とオンライン診療を組み合わせた医療が必要

対面診療とオンライン診療にどちらもメリットとデメリットが存在しています。
オンライン診療は、症状の安定している慢性疾患に対しての診療に向いていますが、症状が不安定な疾患や検査が必要な場合、外科的な処置が必要な場合には対面診療に切り替える必要があります。また、オンラインに繋ぐため個人情報漏洩を防ぐためにセキュリティの対策も課題となります。
新型コロナウイルス感染症の拡大の対策にも有効的と考えられているオンライン診療はこれからも普及が進むと予想されますが、必要に応じて使い分ける医療体制を構築することが重要といえます。
参考文献
オンライン診療を規制する法律は?時限的措置の5つのポイントを解説 | TOPCOURT LAW FIRM (topcourt-law.com)
オンライン診療とは?基礎知識から導入方法まで詳しく紹介|発注成功のための知識が身に付く【発注ラウンジ】 (hnavi.co.jp)
遠隔診療とは?変遷は?そして現状 | | オンライン診療 完全ガイド (medionlife.jp)
オンライン診療【まとめ】2020年改定の診療報酬と施設基準、新型コロナ特例について | ヘルスケア“担” (healthcare-tan.com)
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監修医師 木村眞樹子
現役医師、産業医 10年以上大学病院で臨床に従事、産業医として企業の健康経営にも携わる 2019年より医療ライターとしても活動している
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