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オンライン診療の算定用件とは?診療報酬や初診対応など厚生労働省が提示する内容について

監修医師 木村眞樹子
2021年01月31日
情報通信機器の利用が発展し、医療の提供もオンラインでできるようになりました。また、オンライン診療は院内の密を避けることで新型コロナの拡大を防止できるといわれ、新型コロナウイルス感染症の感染対策の一つとしてクリニックや病院等の医療機関で利用が増加してきています。また、厚生労働省も新型コロナの感染防止対策でオンライン診療を普及させるため、一時的に要件の緩和等の対策もとりました。では実際にオンライン診療を利用する際に考えるオンライン診療の算定用件、診療報酬等は対面診療時とどのように異なるのか、初診の対応はどうなるか等について今回の記事で紹介します。

オンライン診療とは

インターネット通信を利用して、医師が患者と直接対面せずにパソコンやスマートフォンなどの機器の画面を通して診療する方法をオンライン診療といいます。予約・問診・診察・処方・決済までを受診せずにオンラインで行える医療サービスです。元々、オンライン診療は離島や過疎地など医師の少ない地域で提供されていたサービスでしたが、2015年に厚生労働省より利便性が認められ、全国的に普及し始めました。2018年にはオンライン診療のガイドラインが作成され、ルールも明確化されました。厚生労働省(*1)は「患者の日常生活の情報も得ることにより、医療の質のさらなる向上に結び付けていくこと」、「オンライン診療によって、医療を必要とする患者に対して、医療に対するアクセシビリティ(アクセスの容易性)を確保し、よりよい医療を得られる機会を増やすこと」などを理念としています。

厚生労働省が診療報酬などガイドラインを改訂

厚生労働省がオンライン診療のルールを変更したため、医師はオンライン診療による診察を行いやすくなりました。診療報酬やオンライン診療の規則が緩和され、オンライン診療の開始までに必要な対面診療の期間が6か月から3カ月に短縮されました。

情報通信機器を用いた診療に係わる要件の改定

オンライン診療に係わる要件は昨今の状況に合わせて厚生労働省によりガイドラインが改訂されています。オンライン診療料とは何か、要件を満たすための施設の基準はどのような基準か、オンライン診療料算定患者の変更点、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のために一時的に緩和されたオンライン診療の基準について説明します。

オンライン診療料は?

厚生労働省より「オンライン診療料が算定可能な患者はオンライン診 療料対象管理料等を初めて算定した月から6月以上経過し、かつ当該管理料等を初めて算定した月から6月の間、オンライン診察を行う医師と同一の医師により、毎月対面診療を行っている患者に限る。」とされています。この要件はオンライン診療料対象管理料等を初めて算定した月から「6月」以上が「3月」以上に改定されました。
また、オンライン診療料の算定要件は対面による診察とオンライン診察を組み合わせた治療計画を策定することでした。しかし、オンライン診療料の算定要件は変更され、「日常的に通院又は訪問による対面診療が可能な患者」を対象とし、オンライン診療と対面診療を組み合わせた治療計画を策定・実施することが算定要件になります。

施設基準は?

厚生労働省が示すオンライン診療のガイドライン(*1)の施設基準は元来次のように定められていました。「当該保険医療機関において、緊急時の対応を行うにつき必要な体制が整備されていること、オンライン診療料の算定を行う患者について、緊急時に概ね30分以内に当該保険医療機関が対面による診察が可能な体制を有していること」とされています。今回の改定では、この施設基準は削除されました。

オンライン診療料算定可能な患者の変更点は?

オンライン診療の対象となる患者の診療料は全部で10点ありました。特定疾患療養管理料、地域包括診療料、小児科療養指導料、認知症地域包括診療料、てんかん指導料、生活習慣病管理料、難病外来指導管理料、在宅時医学総合管理料、糖尿病透析予防指導管理料、精神科在宅患者支援管理料の10点です。今回の改定では、特定疾患療養管理料に「慢性頭痛」が追加されました。オンライン診療で慢性頭痛の診察対象となる患者は、事前に対面診療を行い、MRI等で二次性頭痛を除外し病状が安定している非急性頭痛患者かつ定期的治療を要するケースとしています。また、在宅自己注射管理料に糖尿病、肝疾患又は慢性ウイルス肝炎の患者も追加されています。

新型コロナウイルス感染症拡大で病院やクリニックで導入が進む

オンライン診療による診察を利用している医療機関は多くありませんでしたが、新型コロナウイルスの感染症の拡大に伴って、厚生労働省は2020年4月にオンライン診療の取り扱いを変更したため、オンライン診療を導入する医療機関が増加しています。特に小児科や内科、精神科を筆頭に病院やクリニックで導入が進んできました。厚生労働省のホームページ(*2)に、都道府県別でオンライン診療を行える病院やクリニックのリストを掲載し、オンラインでの医療サービスの提供手順も公開しています。どこでオンライン診療が行われているか情報が集約されており、このような情報を参考に患者は自宅近辺でオンライン診療を行っている医療機関を探してオンラインで受診できるようになりました。

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、オンラインでの診療は人との接触機会を減らすことができ、感染症の対策になると考えられました。病院やクリニック等の医療機関は院内の混雑を避けることができ、免疫力の弱い小児や高齢者への感染を間接的に防ぐことができます。

一時的な基準緩和内容とは?

上記の通り、厚生労働省は新型コロナウイルス感染症拡大に伴って、オンライン診療の規則を一時的に緩和しました。厚生労働省がオンライン診療の規則を緩和した内容は、初診の対応や、電話相談の可否、オンライン診療未研修の医師の診察の可否、処方箋のfax送信、薬局から患者宅への薬の郵送等があります。新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のために一時的に規則を緩和しているので、状況によって基準内容の確認が必要になります。基準内容を紹介します。

初診患者も含め、医師の判断で電話やオンライン診療による医療相談・受診が可能

以前はオンラインの診療では行うことができなかった初診の対応も可能になりました。初診でオンライン診療が受けられるかどうかは医療機関によりますが、対応可否の有無も上記の厚生労働省のホームページにて確認することができます。また、以前はオンライン診療で利用できる情報通信機器はビデオ通話のみで電話で診察はできませんでした。しかし、現在は新型コロナの感染拡大防止のため、電話によるオンライン診察も可能です。そのため、診療報酬も改訂されて、電話を用いた初診料を算定した上で医療サービスが提供されることとなりました。

オンライン診療未研修の医師でも診察可能

本来は、オンライン診療を実施する医師は厚生労働省の定める研修に参加することが望ましいとされています。しかし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大のための特例的措置として、厚生労働省のオンライン診療に関する研修を受講していない医師でも、オンラインでの診療による治療を実施することは差支えないこととされました。新型コロナウイルスの感染が収束した場合、特例的措置は廃止され、本来通り、医院でオンラインの診察を始める前に厚生労働省の研修を受講することが必要となります。

医療機関から患者希望の薬局へfax等を用いて処方箋を送信

オンラインでの診察後、医師は患者に適切な薬を処方します。患者が情報通信機器や電話による服薬指導を希望する場合、医師によって作成された処方箋の情報は患者が希望した薬局にfaxで送信されます。医療機関が薬局にfaxを送信する際、処方箋の備考欄に「0410対応」と記載した上で処方箋の内容を送信することになりました。

疾患によって対面診療とオンライン診療の組み合わせが重要

仕事や学校、子育てなどで多忙な患者さんにとって、通院や診察の待ち時間が削減できるオンラインでの診察は有効であり、医療ニーズにも応えられるでしょう。しかし、オンライン診療のみでは必要な検査や詳しい病状を確認できないため、オンライン診療の機能内での診察には限界があります。

オンライン診療の普及で新たな医療提供を

新型コロナウイルス感染症の拡大により、オンライン診療の基準は一時的に緩和され、利用するクリニックや病院等の医療機関が増えてオンライン診療が普及しました。オンライン診療のサービスを提供する会社も会社によって様々な機能のあるシステムを提供しており、患者の希望に沿った診療をオンラインで行えるようになってきました。仕事が忙しくて医療機関に行けない患者や、近くに医療機関がなく困っている患者にオンライン診療と対面診療とを組み合わせて患者に必要な診察や検査を行い、オンライン診療の機能の利便性を活かすことで今までとは違う医療提供を行うことができます。
参考文献
(1)厚生労働省 オンライン診療の適切な実施に関する指針
(2)厚生労働省 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえたオンライン診療について
(3)厚生労働省 医療機関が電話やオンラインによる診療を行う場合の手順と留意事項
(4)厚生労働省 令和2年度診療報酬改定の概要
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監修医師 木村眞樹子
現役医師、産業医 10年以上大学病院で臨床に従事、産業医として企業の健康経営にも携わる 2019年より医療ライターとしても活動している
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