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ホクナリンテープ(ツロブテロール) に含まれている成分や効果、副作用などについて解説

監修薬剤師 小村 稜
2021年09月26日
ホクナリンテープは有効成分としてツロブテロールを含む貼る気管支拡張剤です。気管支ぜんそくや気管支炎などで気道が狭くなって呼吸がしづらくなったときに使用する医療用医薬品です。今回はホクナリンテープによる治療を行うときの注意事項や同じ有効成分を含む市販薬の有無を紹介していきます。

ホクナリンテープ(ツロブテロール) とは

ホクナリンテープは経皮吸収型・気管支拡張剤としてマイランEPD合同会社が製造販売している医療用医薬品で、1998年に発売されてから長い間使われています。有効成分として含まれているツロブテロールの含有量の違いにより、ホクナリンテープ0.5mg・ホクナリンテープ1mg・ホクナリンテープ2mgの3つの規格が製造販売されています。

モーニングディップを抑制

深夜から翌朝にかけて呼吸機能の低下を認めるモーニングディップと呼ばれる現象が起きることが明らかになっており、モーニングディップが原因で気管支ぜんそくの発作は早朝に起こりやすくなってしまいます。この早朝発作を薬物治療で防ぐための手段としては主に以下の2つの方法が考えられます。
①一回服用量を増やして早朝まで有効血中濃度以上で維持する
②持続的に有効成分を吸収させて有効血中濃度以上で血中濃度を一定に保つ
このうち、②を狙って開発されたのがホクナリンテープです。ホクナリンテープは「結晶レジボアシステム」と呼ばれるシステムによって有効成分であるツロブテロールの基剤からの放出をコントロールしており、1日1回貼付でもモーニングディップを抑制できることが分かっています。

ホクナリンテープ(ツロブテロール) の成分について

ホクナリンテープの有効成分であるツロブテロールは選択的β2刺激薬に分類される医薬品成分です。

選択的β2刺激薬とは?

β受容体はβ1受容体・β2受容体・β3受容体といった3種類のサブタイプが見つかっており、主にβ1受容体は心筋、β2受容体は血管や気管支の平滑筋、β3受容体は膀胱の平滑筋に存在しています。ツロブテロールが主として作用するβ2受容体を刺激すると、気管支の平滑筋が弛緩して気管支を拡張させます。

また、β2刺激薬はツロブテロールの他にサルブタモールやプロカテロールなどがあり、中にはβ2受容体の他に心筋に存在するβ1受容体にも作用することで頻脈や心悸亢進を引き起こしやすくしてしまうβ2刺激薬もあります。ツロブテロールの場合はβ1受容体に比べてβ2受容体への結合親和性が高いため、β2刺激薬の中でも選択的β2刺激薬と呼ばれています。

内服薬もある?

ホクナリンテープはツロブテロールを有効成分として含む貼付剤ですが、実はツロブテロールの塩であるツロブテロール塩酸塩を有効成分として含む内服薬(錠剤とドライシロップ)も医療用医薬品として製造販売されています。内服薬の場合は塩酸塩の形ですが、体内へ吸収されるときは貼付剤と同じツロブテロールの形に変わっています。

ホクナリンテープ(ツロブテロール)はどんな症状に効果がある?

ホクナリンテープは気管支ぜんそく・急性気管支炎・慢性気管支炎・肺気腫による気道閉塞性障害に基づく呼吸困難などの症状を寛解する効果があります。

ホクナリンテープ(ツロブテロール)の用法・用量は?

通常はホクナリンテープを1日1回、胸部・背部・上腕部のいずれかに貼付します。また、1回あたりに貼付するツロブテロールの量は年齢ごと以下のように定められています。
・0.5~3歳未満:ツロブテロールとして0.5mg
・3~9歳未満:ツロブテロールとして1mg
・9歳以上:ツロブテロールとして2mg
年齢の他に症状を確認しながら適宜ツロブテロール量を増減させることがあります。

ホクナリンテープ(ツロブテロール) の副作用

ホクナリンテープを使用したときに起こる副作用として血清カリウム値低下・心悸亢進・頭痛・悪心・適用部位そう痒感・発疹などが報告されています。
血清カリウム値の低下は、ぜんそく治療で用いることがあるキサンチン誘導体やステロイドとの併用により重篤化する可能性が上がってしまうため、併用には注意が必要です。
適用部位のそう痒感を少しでも回避するために、ホクナリンテープを貼る位置は毎回少しずつずらすと良いでしょう。

ホクナリンテープ(ツロブテロール) に関する注意点

ホクナリンテープを使用するときは以下の点に注意してください。

はがれたテープは再使用しない

ホクナリンテープを貼った後にはがれてしまった場合、はがれたテープの再使用はできません。テープを貼ってからはがれるまでの時間や症状によって対処法が異なるため、もしホクナリンテープが途中にはがれてしまった場合は医師へ相談してください。

ぜんそく治療には長期管理薬として使用

ホクナリンテープは長時間作用型に分類されるβ2刺激薬です。24時間かけてゆっくりと有効成分であるツロブテロールを放出して気管支を拡張する効果を発揮するため、吸入ステロイドとの併用を基本としてぜんそく発作を予防する目的で使用します。
また、貼付してからおよそ4~6時間後にツロブテロールの効果が現れるため、ぜんそく発作が起きたときにホクナリンテープの貼付しても発作を抑える十分な効果は期待できません。
ホクナリンテープをはじめ、ぜんそく治療に用いる各医薬品の使用目的や用法は事前に医師や薬剤師に確認してみると良いでしょう。

使用できるのは処方された本人のみ

ホクナリンテープは生後6ヶ月から成人まで幅広い年齢で使用できる医療用医薬品です。しかしながら、医師が患者の年齢・体重・症状などを基に適切な用法用量を設定しているため、家族であっても処方された本人以外の使用は控えてください。

皮膚の状態により有効成分の吸収量が変化

動物実験では、正常皮膚と比べて損傷した皮膚にホクナリンテープを貼付した場合に有効成分であるツロブテロールの血中濃度が上昇したという報告があります。思わぬ副作用が出ることがあるため、創傷部(傷口)にホクナリンテープを貼ることは避けてください。

ホクナリンテープ使用により症状悪化の可能性がある疾患

以下の疾患をお持ちの方はホクナリンテープの貼付により症状が変化する場合があるため、事前に医師へ相談してください。
・甲状腺機能亢進症:症状悪化のおそれあり
・高血圧症:血圧上昇のおそれあり
・心疾患:心悸亢進・不整脈などが起こるおそれあり
・糖尿病:糖代謝亢進により血中グルコース濃度上昇のおそれあり
・アトピー性皮膚炎:貼付部位にそう痒感・発赤などがあらわれやすくなるおそれあり
・低酸素血症:ホクナリンテープ貼付により起こる可能性がある血清カリウム値低下による心リズムにおよぼす作用を増強するおそれあり

妊娠または授乳中の方は医師へ相談

妊婦または妊娠している可能性がある方は、ホクナリンテープを使用する前に必ず医師へ報告・相談をしてください。
また、動物実験で血液中のツロブテロールが母乳中へ移行することが分かっています。妊婦と同様に、授乳中の方も治療を行う前に医師へ相談しておき、ホクナリンテープを用いた治療の有益性と母乳栄養の有益性を考慮して治療方法を決めると良いでしょう。

ホクナリンテープ(ツロブテロール) と同じ成分の市販薬はある?

現時点でホクナリンテープの有効成分であるツロブテロールを含む市販薬はありません。先ほども述べたように、ホクナリンテープは継続的に気管支を拡張させることを目的としており、長期間の使用や症状に合わせた医師の指示による用法用量の変更が必要です。そのため、市販薬として販売しても症状変化の観察や服用状況の管理が困難です。ホクナリンテープを使用したいと考えている場合は医師へ相談してください。

今回はツロブテロールを有効成分として含むホクナリンテープについて詳しく解説しました。ぜんそく発作が起こりやすい早朝の呼吸機能低下を防ぐ効果があるホクナリンテープはぜんそく治療の長期管理薬として用いられています。ホクナリンテープは小児から成人まで幅広い年代の方が治療で用いる貼付タイプの気管支拡張剤で、用法用量を守って使用することで十分な効果が期待できます。
参考資料
ホクナリンテープ0.5mg/ホクナリンテープ1mg/ホクナリンテープ2mg
ホクナリンテープ|製品情報|マイランEPD合同会社
ツロブテロール経皮吸収型製剤の設計と気管支喘息の時間治療
喘息治療におけるβ刺激薬の臨床
ベラチン錠1mg/ベラチンドライシロップ小児用0.1%
ホクナリンテープ | よくあるご質問 |マイランEPD合同会社
喘息予防・管理ガイドライン(成人喘息)2018
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監修薬剤師 小村 稜
医療編集プロダクションMEDW代表
Webディレクター / 薬剤師

今後の医療に変化をもたらすために、デジタルチーム医療を発足。
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