ピルを服用してから生理が終わらないのはなぜ?不正出血の原因と対処法を徹底解説
更新日:2024年05月22日
「ピル服用中の不正出血はどうして起こるのか知りたい」
このようなお悩みを抱えている方はいませんか?
不正出血はピルの副作用の中でよくみられる症状です。しかし、病気が原因で出血している可能性もあります。
この記事では、ピルを服用中に起こる不正出血の原因や対処法などをご紹介します。ピル服用中の生理が終わらないことで悩んでいる方は、是非参考にしてみてください。
ピルの服用中に起こる不正出血の原因とは?
ピルは排卵を抑制することで高い避妊率が期待できる薬です。
ピルを服用中には、「消退出血」と「不正出血」という2種類の出血がみられます。
消退出血と不正出血の特徴を以下の表にまとめました。
不正出血は、ピルを服用したことで起こる体内のホルモンバランスの乱れが原因といわれています。ピルを服用し始めてから1〜2ヶ月で治まることがほとんどですが、それ以上続く場合は、病気や妊娠の可能性があるので医師の診察を受けましょう。
ピル服用中に起こる消退出血と不正出血について以下で詳しく説明します。
ピルを飲むことによる消退出血
消退出血は、低用量ピルを服用中の休薬期間や偽薬服用期間の2〜3日であらわれる出血です。ピルからの女性ホルモンの供給がなくなることで、体内の女性ホルモン量が減少することで起こります。消退出血の特徴は、出血期間は生理よりも短い5日ほど、出血量も少ないことです。
出血量が多くなければピルの服用を続けても問題ありません。しかし、出血量が多い場合や2週間以上出血が続く場合は、不正出血の可能性があるので、医師に診察してもらってください。
ピルの副作用による不正出血
生理のとき以外にみられる性器からの出血を不正出血といいます。ピル服用中の不正出血は、ピルによる副作用が原因であることが多いです。
ピルに含まれる卵胞ホルモンと黄体ホルモンにより、体内のホルモンバランスが変化したことで起こり、1〜3ヶ月経てば自然と改善してくるので、それほど心配する必要はありません。
しかし、2週間以上出血が治まらない場合や出血量が多い場合、激しい腹痛を伴う場合は、ピルの副作用ではなく、ピルとの相性が悪い、病気や妊娠が原因による出血などの可能性があるため、医師の診察を受けてください。
ピルの飲み忘れによる不正出血
消退出血は、ピルを飲み忘れた場合にも起こる可能性があります。ピルを飲み忘れると、体内の女性ホルモン量が一気に低下することによります。
また、ピルを飲み忘れたことで、消退出血ではなく生理が起こっている可能性も考えられます。消退出血であれば避妊効果は持続しますが、生理の場合は避妊効果が得られないため、他の避妊方法を使って性行為する必要があります。
ピル服用中の経血は真っ赤でサラサラしているといわれていますが、個人差があるので経血の状態から判断することは難しいでしょう。心配なら医師の診察を受けて、出血の原因を確認しましょう。
下剤・便秘薬の併用による一時的な不正出血
下剤や便秘薬を服用すると不正出血が起こることがあります。ピルと便秘薬は併用しても問題ありませんが、下剤はピル服用から2〜3時間以内に服用すると、ピルの成分が十分吸収されず、期待される避妊効果が得られない可能性があります。そのため、下剤はピルを服用してから4時間以上経ってから飲むようにしてください。
もし、誤ってピル服用後2時間以内に下剤を飲んでしまった場合は、念のためにピルをもう1錠服用しましょう。
子宮関連の疾患
子宮関連の病気が原因で不正出血が起こることもあります。不正出血が起こる可能性がある病気として以下の通りです。
・子宮筋腫
・子宮内膜症
・子宮頸がん
・子宮内膜がん
・子宮体がん
・膣炎
子宮頸がんや子宮内膜がんを発症したらピルの服用をやめなければいけません。子宮関連の病気以外にも、更年期や過度のストレスによるホルモンバランスの乱れも不正出血の原因となります。
長く出血が続いたり、出血量が多い場合は、不正出血以外の可能性を疑い、できるだけ早く医師の診察を受けて出血の原因を突き止める必要があります。
妊娠の可能性
妊娠による不正出血や着床出血の可能性も考えられます。なぜなら、ピルを服用していても100%避妊できるわけではないからです。
着床出血の疑いがあるケースは以下の通りです。
・1~3日程度の短い出血
・嘔気や疲れやすさを感じる
・チクチクとした腹痛を感じる
・基礎体温が高いまま
妊娠の疑いがある場合は、妊娠検査薬を用いて妊娠の有無を確認します。陽性結果がでたらピルの服用を中止し、速やかに産婦人科を受診しましょう。
ピルを服用しているからといって必ず避妊できるわけではありません。そのため、性行為があった場合は、妊娠による不正出血も疑われます。妊娠が疑われる症状は以下の通りです。
・短期間(1~3日)の出血
・少量の出血
・吐き気
・最近疲れやすい
・倦怠感
・最近眠気を感じやすい
・ちくちくした下腹部痛
・基礎体温が高いまま
妊娠検査薬の使用や産婦人科で検査を受けて妊娠の有無の確認をしてください。妊娠検査薬は、妊娠の可能性がある性行為から3週間以上で判定可能です。妊娠している状態でピルを服用し続けてしまったとしても、胎児にはピルの影響はないといわれています。
ピルの服用中に生理(不正出血)が終わらないときの対処法は?
ピル服用中に生理(不正出血)が終わらないときは、どのように対処したらいいのでしょうか?不正出血の対処は、出血量や出血期間、体の調子などを総合的に考えて行わなければなりません。それぞれのケースにおける適切な対処法を以下で紹介します。
正しい用法を守り服用を続ける
ピルを服用し始めたばかりや短期間で少量の出血などのケースでは、ピルの副作用による不正出血が考えられます。ピルの副作用による不正出血の場合は、これまで通り適切な方法でピルを服用し続けても大丈夫です。時間が経てばホルモンバランスが安定し、ほとんどの場合で出血が治まってきます。
しかし、下腹部の痛みや多量の出血、出血期間が長い場合はピルの副作用以外が原因となっている可能性があるため、医師の診察を受けてください。
一定の休薬期間を設ける
ピルの飲み忘れによる不正出血の場合は、ピルの服用を7日間やめたあと、新しいシートを飲み始めてください。休薬期間中は、ピルによる避妊効果はありません。そのため、休薬期間中は他の避妊法を使って性行為をしてください。
医師に相談する
出血量が多い場合や出血期間が長い場合は、産婦人科の医師に相談してください。子宮関連の病気が原因の出血の可能性が考えられます。医師の診察を受ける際、ピルを飲み始めた日や不正出血が始まった日、出血以外の症状、生理開始日などを確認しておくと、スムーズな診察が受けられます。
不安な場合は医師に相談を。
ピルを服用中に生理が終わらなくなったと感じた場合、不正出血が終わらないことには何らかの理由があるはずです。少量の出血や短期間の出血なら、これまで通りピルを服用し続けても問題ありませんが、2週間以上続く出血やピルを服用し始めてから3ヶ月以上経っても出血が治まらなく不安な場合は、できるだけ早く医師に相談しましょう。
忙しい方や産婦人科まで遠い方、来院が面倒な方におすすめなのが、オンライン診療です。病院に行く時間が取れない方でも、空いている時間を使って診療を受けることができます。
まとめ
ピル服用中の出血の原因や対処法などを紹介しました。ピルの副作用による出血と決めつけず、医師に診察を受け原因を突き止めることをおすすめします。もし、病気による出血であった場合、できるだけ早く治療を始めることが重要だからです。
SOKUYAKUオンラインクリニックでは、ピルのオンライン診療に対応しております。
受付時間:平日10:00~19:00
医師
馬場 敦志
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※お薬の処方は医師の診察により薬が処方された場合に限ります。
とくにピルが危ない薬だと考えてしまう人もいるかもしれませんが、ピル服薬した後は不正出血はよく起こる副作用でして、ほとんどの場合大丈夫ですので、基本的にはピルの服薬は継続しましょう。
ピル服薬前にエコーや子宮頸がん検診などを行って、安全に使えるかどうか確認した上で処方する流れとなります。
診察で問題なければ、ご自身のホルモンとピルのホルモン成分とがバッティングして性器出血が起こる場合が多く、問題ない出血です。
だいたい、2-3シートと飲んでいくうちに、ホルモンバランスが安定して、ほとんどのケースで不正出血は自然と落ち着いてきます。
心配であれば、一度受診して診察を受けるといいでしょう。