子宮内膜症ってどんな症状があるの?不妊の原因になる方法や治療方法を解説
更新日:2024年05月23日
本ページでは子宮内膜症の症状や原因、治療法などについて詳しく説明します。
子宮内膜症とは
月経困難症の最も多い原因は子宮内膜症です。妊娠・出産に適した生殖年齢の女性の約1割がかかると考えられており、20〜40代によく見られます。女性ホルモン(エストロゲン)の影響で月経周期に合わせて進行し妊娠中や閉経を迎えると、病変は縮小、あるいはなくなります。炎症は慢性化するため、近年では心血管系疾患を引き起こす要因とも考えられるようになりました。
子宮内膜症でも妊娠できる?
昨今では、子宮内膜症と不妊症は大きく関連すると明らかになってきています(※)。子宮内膜症の炎症・癒着が原因で、組織の性質が変わったことで妊娠を妨害している、もしくは、子宮内膜症によって分泌される多種多様な物質が子宮内や卵管内の環境に影響し、妊娠を妨害しているのではないかと言われています。
端的に言うと、卵子の質が落ちる、排卵が起こりづらくなる、卵管を通りづらくなる、卵管に卵子を取り込めなくなる、着床が起こりづらくなるなど、様々な要因が影響して妊娠できなくなっていると考えられています。
25歳を迎えて、月経痛が徐々に強くなってきている場合、市販の鎮痛剤の服用を一時的にストップし、婦人科で診てもらいましょう。病院を受診せず、鎮痛剤で無理に痛みを抑えようとしていると、子宮内膜症が徐々に悪化していき、妊娠希望時期には重症になっている可能性もあります。
子宮内膜症が原因で不妊症になってしまった場合の治療法には、手術療法や体外受精が挙げられます。
しかし、子宮内膜症になっても、状態次第では自然妊娠できることもあります。子宮内膜症が軽度で、卵管に異常が起きてなく、不妊期間が短ければ、タイミング指導から取り組んでいくことが推奨されます。
※参考「参考:Endometriosis and infertility:pathophysiology and management.Lancet 2010;376:730-738」
子宮内膜症の治療方法は主に2つ
手術療法
薬物療法では治療効果が望めない場合、もしくは妊娠を希望されている場合、最も推奨されるのが手術療法です。子宮内膜症の手術は、病巣の状態や大きさに応じて適切な方法が選択されます。近年では、腹腔鏡と呼ばれる内視鏡を用いて、身体への負担が少ない腹腔鏡下手術も登場しています。
腹腔鏡下手術では、子宮外に溜まった子宮内膜を除去、もしくは癒着を改善したり、子宮内膜が小さければレーザーで焼いてしまったりできます。侵襲性が低く、入院期間も短く済むため、仕事や日常生活に大きく支障をきたすことはありません。妊娠・出産などのライフプランを念頭に置き、主治医や家族とよく相談して治療方針を決めることが大事です。
薬物療法
対症療法
比較的軽い痛みを取り除くために、漢方薬や鎮静剤などを用いる方法です。鎮静剤は痛みが激しくなる前に飲むことが大切です。なお、対症療法は一時的に痛みを緩和するだけで、疾患自体を治したり、悪化を阻止するものではありません。
比較的軽い痛みを取り除くために、漢方薬や鎮静剤などを用いる方法です。鎮静剤は痛みが激しくなる前に飲むことが大切です。なお、対症療法は一時的に痛みを緩和するだけで、疾患自体を治したり、悪化を阻止するものではありません。
内分泌療法
子宮内膜は卵胞ホルモンであるエストロゲンが原因で増殖するため、エストロゲンの分泌を妨げ、子宮内膜症の病巣を縮小させます。
・GnRHアナログ療法
人工的に閉経状態に誘導し、子宮内膜症の増殖を防ぎます。点鼻薬を1日2~3回、もしくは注射を1ヶ月に1回実施し、期間は6ヶ月間となります。副作用として、ほてり、のぼせ、不眠、性欲減退といった更年期障害のような症状、骨量減少などが起こることがあります。
・ジエノゲスト Dienogest
黄体ホルモン系の薬剤で、排卵を抑えることによってエストロゲンの分泌を抑え、子宮内膜の増殖を抑制します。また、子宮内膜症の病変に直接作用します。不正性器出血(点状出血)などの副作用がありますが、ダナゾールや低用量ピルの副作用である血栓症や男性ホルモン作用はなく、また、GnRHアナログに比較して更年期様症状や骨量減少も起こりにくいとされます。そのため、子宮内膜症の薬物療法でよく用いられる薬です。
・低用量ピル
排卵を抑えることによって、プロゲステロンやエストロゲンの分泌を抑え、子宮内膜の増殖を抑制します。休薬期間に消退出血が生じることもあるものの、ピルによって子宮内膜(正所性子宮内膜)が薄くなっているので、通常の生理の出血量よりも少なく、痛みも軽減できます。
また、子宮内膜症の進行を予防する効果も認められています。
子宮内膜は卵胞ホルモンであるエストロゲンが原因で増殖するため、エストロゲンの分泌を妨げ、子宮内膜症の病巣を縮小させます。
・GnRHアナログ療法
人工的に閉経状態に誘導し、子宮内膜症の増殖を防ぎます。点鼻薬を1日2~3回、もしくは注射を1ヶ月に1回実施し、期間は6ヶ月間となります。副作用として、ほてり、のぼせ、不眠、性欲減退といった更年期障害のような症状、骨量減少などが起こることがあります。
・ジエノゲスト Dienogest
黄体ホルモン系の薬剤で、排卵を抑えることによってエストロゲンの分泌を抑え、子宮内膜の増殖を抑制します。また、子宮内膜症の病変に直接作用します。不正性器出血(点状出血)などの副作用がありますが、ダナゾールや低用量ピルの副作用である血栓症や男性ホルモン作用はなく、また、GnRHアナログに比較して更年期様症状や骨量減少も起こりにくいとされます。そのため、子宮内膜症の薬物療法でよく用いられる薬です。
・低用量ピル
排卵を抑えることによって、プロゲステロンやエストロゲンの分泌を抑え、子宮内膜の増殖を抑制します。休薬期間に消退出血が生じることもあるものの、ピルによって子宮内膜(正所性子宮内膜)が薄くなっているので、通常の生理の出血量よりも少なく、痛みも軽減できます。
また、子宮内膜症の進行を予防する効果も認められています。
子宮内膜症の治療にピルが効果的な理由
子宮内膜症の症状を安定させることができる
月経痛が強く出ている場合、まずは鎮痛剤を用いますが、効果が不十分な場合は低用量ピルが用いられます。低用量ピルは女性ホルモンを整えるので、子宮内膜の増殖や月経痛を軽減できます。
月経周期のコントロールができるようになる
低用量ピルは月経周期を整える働きがあります。子宮内膜症を患っている方は、月経周期が乱れてしまうと痛みが激しくなることが多いです。低用量ピルは月経周期を整えるため、月経痛を抑えることが期待できます。
不安な場合は医師に相談しましょう
現代では、仕事をする女性も多くなっており、晩婚化などライフスタイルが変化したことで出産数が一昔前に比べて激減しています。それにより、一生涯で起こる月経の回数が増加しており、子宮内膜症の患者数が増加傾向にあります。
子宮内膜症は強い痛みが現れるため、生理のタイミングでは仕事を休んだり、ご自身に適した痛みを抑える処置を取ったりしましょう。また、一人で悩まず、心身の負担を減らすためにも周囲の方々に疾患を理解してもらい、必要に応じてパートナーや家族と一緒に専門医に相談に行くこともお勧めです。
病院に行く時間を調整するのが難しい場合は、オンライン診療を検討してみましょう。
アプリから診察を受けられるため、時間や場所の制約がなく、多忙な方でも診察を受けやすいです。また、通院の時間や費用などのコストも抑えられます。
まとめ
本ページでは、子宮内膜症の症状や原因、治療法などについて詳しく説明しました。
妊娠を希望される方は、できるだけ早く発見し、治療を開始することが重要です。気になる症状がありましたら、速やかに医師に相談することをお勧めします。
また、子宮内膜症では低用量ピルが治療薬として使用されることが多いですが、最近はオンラインで処方してもらえるようになってきており、ご自宅で受け取れます。
SOKUYAKUオンラインクリニックでは、オンラインでのピルの処方に対応しています。一度ご検討ください。
受付時間:平日10:00~19:00
医師
馬場 敦志
この記事には医師による認証マークである「メディコレマーク」が付与されています。
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※お薬の処方は医師の診察により薬が処方された場合に限ります。
とくに、月経が起こるたびに、子宮内膜症が進行することが多く、年々ひどくなる月経痛などが特徴です。
子宮内膜症はピルを使って症状を緩和できますし、子宮内膜症の悪化を抑える効果もあります。ピル以外にも子宮内膜症を治療する方法があります。
とくに妊娠を希望される方は、できるだけ早く子宮内膜症を発見し、治療を開始することが重要です。
気になる症状があれば、婦人科などを受診して医師に相談することをオススメします