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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は倦怠感(だるさ)に要注意!

監修医師 木村眞樹子
更新日:2024年02月28日

更新日:2024年02月28日

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は倦怠感(だるさ)に要注意!のイメージ
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界中に広まって2年が経過しようとしています。日本では新規感染者数が全国で約500人(2021年10月16日現在)となり、落ち着きを見せてきましたが未だ油断はできない状況であることは確かです。

この記事では新型コロナウイルス感染症における症状の1つである、倦怠感について詳しく解説します。感染時のみならず後遺症やワクチン接種後についても解説していますのでぜひ最後までご覧ください。

コロナの代表的な初期症状「倦怠感」

新型コロナウイルス感染症の初期症状の1つに倦怠感が挙げられます。コロナウイルス感染症に特異的な症状ではありませんが、身体の不調に気づくきっかけになることがあります。新型コロナウイルス感染症の初期症状かもしれない倦怠感を見過ごすことなく適切な治療を行いましょう。

「倦怠感」ってなに?

倦怠感とは、身体的もしくは精神的に、だるい、疲れた、疲れやすいと感じられる状態です。激しい運動を行ったあとや長時間の集中作業でも倦怠感を感じることがありますが、十分な休養で回復することが多いです。

 

身体に負荷がかかるような仕事をしていない場合や、十分な休養や睡眠をとったのにも関わらず倦怠感が続く場合には特に注意が必要です。

 

新型コロナウイルス感染症では主に熱、咳、息苦しさ、体のだるさ、悪寒、筋肉痛、頭痛、のどの痛み、においや味がわからなくなるなどの症状が現れることが報告されています。

 

これらの症状のうち、体のだるさが倦怠感に該当します。

倦怠感はコロナ感染者の多くが感じやすい自覚症状
倦怠感は先ほど説明した通り、体のだるさと言い換えることができます。発熱や頭痛などは体にとっても負荷がかかるため、同時に体のだるさを感じることも多いと考えられます。

 

しかしながら、倦怠感は通常の風邪やインフルエンザ、アレルギー反応などをはじめとする様々な要因で起こりうることから、倦怠感を感じたからといって新型コロナウイルス感染症に感染したというわけではありません。

新型コロナウイルス後遺症の倦怠感

新型コロナウイルスは発熱や咳などの症状がおさまった後でも、数カ月にわたって様々な症状が認められることがあり、これらの症状を後遺症と呼びます。

 

新型コロナウイルス後遺症の定義については未だ議論中ではありますが、4週間を超えて症状が継続する場合は後遺症ではないかと考えられています。

コロナ後遺症の倦怠感の特徴

米国疾病予防センター(CDC)は、4週間以上続く症状を Post-COVID Conditions と呼ぶことを提案しています。

 

米国疾病予防センターが定義づける Post-COVID Conditions では主に次のような症状が挙げられています。

・息苦しさや息切れ
・疲れやすさや倦怠感
・身体的または精神的活動後に悪化する症状(労作後の倦怠感とも呼ばれる)
・思考力や集中力の低下(”ブレイン・フォグ “と呼ばれることもあります)
・咳
・胸や胃の痛み
・頭痛
・関節や筋肉の痛み
・下痢
・睡眠障害
・起立時のめまい(ふらつき)
・発疹
・嗅覚や味覚の変化

後遺症の倦怠感はいつまで続く?

倦怠感などの症状は主観的な症状であるため、客観的な判断ができないという特徴があります。また、倦怠感は個人の年齢や生活環境によっても影響を受けるため、治るまでの期間を一概に言えるわけではありません。

 

しかしながら、日本における報告によると、新型コロナウイルス感染症陽性で入院した方のうち、21%の方は診断後3カ月および6カ月においても疲労感・倦怠感を認めており、咳や発熱などの症状に比べて長引きやすいということが報告されています。

後遺症の倦怠感が辛いときは後遺症外来へ

現在、様々な病院で新型コロナウイルス感染症における後遺症に悩む方へ向けた後遺症外来が解説されています。持続する倦怠感や咳、思考力や集中力の低下などをはじめとする様々な症状に対して適切な治療を受けることが可能です。

 

また、身体的な症状だけでなく、新型コロナウイルス感染症に関する精神的な症状にも対応してくれる病院もあります。新型コロナウイルス感染症における後遺症の治療対象になる方は病院によっても異なっており、受診前に確認が必要です。

ワクチン接種後の倦怠感

新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種が進み、日本では約 66% の方が2回目のワクチン接種を終えています (2021年10月13日現在)。ワクチン接種を受けた方の中には、発熱や倦怠感などに悩まされた方もいるのではないでしょうか。

ここからは新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種後における倦怠感に注目して解説します。

多くの方が接種後の倦怠感を経験する

日本で現在、接種が進められている新型コロナワクチンは、非常に高い効果がありますが、接種後、体内で新型コロナウイルスに対する免疫ができる過程で、様々な症状が現れることがあります。

 

具体的には、注射した部分の痛み、発熱、倦怠感、頭痛、筋肉や関節の痛み、寒気、下痢等の症状です。こうした症状の大部分は、接種の翌日をピークに発現することが多いですが、数日以内に回復していきます。

 

ワクチン接種後に倦怠感を感じる方の割合は若い方に多く、ファイザー社製のワクチンを2回接種後、倦怠感を感じた方の割合は20歳代が最も多く、約75%の方が倦怠感を感じています。

 

また、倦怠感を感じる方の割合は年齢とともに割合が下がっていく傾向にあり、30歳代で約75%、40歳代で約70%、50歳代で約60%、60歳代で約50%、70歳代で約30%となっています。

 

ワクチン接種後の副反応には性差があり、男性に比べ女性の方がワクチン接種後の全身倦怠感を感じる割合が高いことが報告されています。

 

会社別にワクチン接種後の副反応を見てみると、ファイザー社製のワクチンを2回目接種後約65%の方に全身倦怠感が認められました。
モデルナ社製のワクチンを2回目接種後約80%の方に全身倦怠感が認められました。

 

一方アストラゼネカ社製のワクチンでは、1回目接種後約60%の方に全身倦怠感が認められました。(*アストラゼネカ社のワクチンでは、2回目の接種後の方が副反応の発現頻度が低くなる傾向にあることが報告されています。)

 

 

どの会社のワクチンも接種日の翌日に最も副反応が現れやすいことが報告されています。

2回目のほうが症状は現れやすい

1回目の接種後よりも2回目の接種後の方が、こうした副反応の発現する頻度が高くなる傾向も確認されています。

 

それは、1回目の接種により、体内で新型コロナウイルスに対する免疫ができることによって、2回目の接種時には、1回目より強い免疫応答が起こり、発熱や倦怠感などの症状がより出やすくなるためです。

 

ファイザー社のワクチンを接種した方について、1回目のワクチン接種後には約20%の方に全身倦怠感が現れたのに対して、2回目のワクチン接種後には約70%の方に全身倦怠感が現れることが報告されています。

 

この2回目に全身倦怠感が現れる頻度が高いという傾向はファイザー社およびモデルナ社のワクチンに見られ、アストラゼネカ社のワクチンでは2回目よりも1回目の方が副反応の発現頻度が高い傾向にあることが報告されています。

倦怠感が改善するまでの日数

通常、ワクチン接種後数日で副反応は改善します。また、ワクチン接種後の発熱や痛みに対しては、医師が処方する医薬品以外にも、薬局やドラッグストアで購入できる解熱鎮痛剤を使用することができます。

 

具体的な薬品名としてアセトアミノフェンやイブプロフェン、ロキソプロフェンナトリウムなどです。
倦怠感を引き起こす一因として発熱などが考えられることから、ワクチン接種後の副反応が辛い場合にはお薬を飲んで対処することも選択肢の1つになるのではないでしょうか。

まとめ

今回は新型コロナウイルス感染症における倦怠感について詳しく解説しました。
新型コロナウイルス感染症に感染すると発熱や倦怠感、息切れをはじめとする様々な症状が現れることがあります。

 

また、これらの症状は後遺症として4週間以降も継続する場合があり、注意が必要です。特に倦怠感は発症後3カ月および6カ月経過後も21%の方に見られるなど、長期化しやすい症状だと考えられます。

 

ワクチン接種後の副反応においても倦怠感が現れることがあり、特に年齢が若い方に現れやすいことが報告されています。

 

新型コロナウイルス感染症に対する正しい知識を身に着け、適切な行動をとりましょう。

*本記事で使用したデータは2021年10月17日現在のものです。

参考資料
Up to date 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の概要(簡易)
https://www.uptodate.com/contents/1126696

Post-COVID Conditions
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/long-term-effects/index.html?CDC_AA_refVal=https%3A%2F%2Fwww.cdc.gov%2Fcoronavirus%2F2019-ncov%2Flong-term-effects.html

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の 長期合併症の実態把握と病態生理解明に向けた基盤研究
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000798853.pdf

接種後に起こる可能性のある症状(副反応)について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_hukuhannou.html

新型コロナワクチンの接種後の健康状況調査
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000831170.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000838647.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000838714.pdf

Coronavirus (COVID-19) Vaccinations
https://ourworldindata.org/covid-vaccinations?country=OWID_WRL

最近ではオンライン診療を行っている病院も増えており、誰でも気軽に相談できるという状況が生まれています。

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・受付や会計の待ち時間が短縮される。

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監修医師 木村眞樹子
現役医師、産業医 10年以上大学病院で臨床に従事、産業医として企業の健康経営にも携わる 2019年より医療ライターとしても活動している
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