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オンライン診療

オンライン診療システムを導入するには?オンライン診療という新たな診療システムについて

監修医師 木村眞樹子
2020年12月1日
新型コロナウイルス感染症が世界で猛威を振るうとニュースが毎日報道される中、日本の医療にも大きな影響を及ぼんでいます。病院へ足を運ぶ患者さんが減少した一方で、電話による再診の申込が急増しています。このように医療の在り方が大きく変わろうとする中で、情報通信機器を利用したオンライン診療の重要性が高まっています。このサービスを導入するにはどうしたらいいのか。どのような点で医療に貢献できる可能性があるのかについてご紹介します。

オンライン診療について

厚生労働省は、オンライン診療とは「遠隔医療のうち、医師-患者間において、情報通信機器を通して、患者の診察及び 診断を行い診断結果の伝達や処方等の診療行為を、リアルタイムにより行う行為」と定義しています。

診察を受けたいけれども色んな都合や問題で対面での診察を受けるのが困難な患者さんが、電話やパソコン、スマートフォンやタブレットを活用してリアルタイムで診察を受けられるというものです。

遠隔診療は1997年に開始されました。その際、(1)初診、急性期の疾患に関しては対面診療でなければいけない、(2)慢性期疾患の患者など、病状が安定している場合のみ行う事ができる、(3)離島、へき地など、直接の対面診療を行う事が困難である場合にのみ行われるべきである、といったあくまで対面診療が原則である方針が示されました。このような厳しい条件に加え、診療報酬が低かったため、遠隔診療はあまり普及しませんでした。

しかしその後、厚生労働省から平成27年に患者側の要望に基づいて適切に対面診療と組み合わせて遠隔診療を行うことは差し支えないという見解が示され、株式会社メドレーをはじめとした様々な企業が遠隔診療サービスに参入しました。

また、平成29年には遠隔診療を電子メールやSNSで行うことが可能であること、禁煙外来については定期的な健康診断・健康診査が行われていることを医師が確認することを条件に、遠隔診療で診察できることが示されました。

さらに、令和2年にオンライン診療に関する診療報酬の改定も行われ、医学管理料がアップしました。

これらの改定によりオンライン診療の幅が広がっています。

新型コロナウイルス感染症拡大により導入する医療機関が増加

そして、2019年に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によりオンライン診療の状況も大きく変わろうとしています。

COVID-19の影響により医療機関の収入が減少しています。日本医師会の発表によると、2020年5月の総件数および総日数は前年同月に比べて2割減少し、総点数は1割減少し、診療所でも総件数、総日数、総点数の全てが2割減少しています。その一方で、2019年にはほとんど見られなかった電話などによる再診が2020年4月以降急増し、4~5月の外来診療算定回数の約2%がオンライン診療でした。

このように、新型コロナウイルスの院内感染の懸念から通院患者数が減少していますが、医療機関への通院による院内感染は避けたいけれども診療はして欲しいという患者のニーズがあることから、オンライン診療のシステムを導入する医療機関が増加しています。

2020年11月現在、厚生労働省のホームページには、オンライン診療システムを導入している医療機関が1万以上掲載されています。

厚生労働省が時限的・特例的に規制緩和

厚生労働省は令和2年4月10日に、COVID-19が急激に拡大している状況の中で、院内感染を含む感染防止のために、非常時の対応として、オンライン・電話による診療、オンライン・電話による服薬指導が希望する患者によって活用されるよう直ちに制度を見直し、できる限り早期に実施するとの見解を示しました。

COVID-19が拡大し、医療機関の受診が困難になりつつあることに鑑みた時限的・特例的な対応として、電話や情報通信機器を活用した診療や服薬指導等の取扱いについて新たな指針を取りまとめました。どのような点の規制が緩和されたのでしょうか。

初診患者でもオンライン診療が受けられる

令和2年4月10日以降、時限的ではありますが、医師が患者から電話等により診療等を求められたとき、その医師が患者の基礎疾患に関する情報を確認し、電話や情報通信機器を用いた診療により診断や処方が医学的に可能であると判断した範囲で、初診から電話や情報通信機器を用いた診療により診断や処方をしてよいことになりました。

それ以前までの「初診、急性期の疾患に関しては対面診療でなければいけない」という規制が緩和され、患者さんは診察を受けやすくなっています。

テレビ電話だけではなく電話での診察も可能

オンライン診療と聞くとパソコンやスマートフォン、タブレットを使ったテレビ電話形式に行われるイメージがあると思います。しかし、電話での診察も可能です。実際に、日経メディカルオンラインが医師3900名を対象に行ったアンケート調査によると、46.0%の医師が電話を使って遠隔診療をしたことがあると答えています。

未研修の医師でもオンライン診察ができる

オンライン診療を実施する医師は、厚生労働省が定めた研修を受講することが望ましいのですが、新型コロナウイルス感染症が拡大している状況に鑑み、厚生労働省による時限的・特例的な取扱いが継続している間は、その研修を受講していない医師が、オンライン診療を実施してもよいことになっています。

ただし、この対応は時限的ですので、コロナが収束した後は研修を受講しないとオンライン診療を行うことはできなくなります。

医師が患者さん希望の薬局へfax等で処方箋を送信

オンライン診療の後、患者さんが薬局でも電話や情報通信機器による服薬指導(オンライン服薬指導)を希望する場合は、医師は処方箋の備考欄に「0410 対応」と記載し、その患者さんの同意を得て、医療機関から患者さんが希望する薬局にfaxを使って処方箋の情報を送付することができます。

その際、医師は診療録に送付先の薬局を記載する必要があります。また、医療機関は、処方箋の原本を保管しておき、処方箋情報を送付した薬局に送付しなければなりません。なお、院内処方を行う場合は、患者さんと相談した上で、医療機関から患者さんが指定する住所へ薬を直接配送することができます。患者はオンライン診療、オンライン服薬指導により外出せずに健康および病状の管理が可能になります。

病院やクリニックでオンライン診療の導入はどうする?

現在、1万件を超える医療機関がすでにオンライン診療のシステムを導入していることや、電話による遠隔診療が増えてきていることから、今後オンライン診療のニーズはますます高まると予測されます。

そこでご自身の医療機関でもオンライン診療を導入しようと考えているが、どのようして導入すればよいか分からないという経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

複数のサービス会社が導入をサポート

自ら一からオンライン診療のシステムを構築するのは困難です。そこで、下記のようにオンライン診療サービスを提供し導入を支援する企業を利用するのがよいでしょう。
・CLINICS(クリニックス)
・curon(クロン)
・ポケットドクター
・YaDoc(ヤードック)
・LINEドクター
これらのサービスはそれぞれ独自のアプリを開発しており、そのアプリを介して診察の予約から決済までも一元管理するという機能があります。各サービスの詳細は各社が導入を支援するために作成したオンライン診療導入ガイドを各社ホームページでご確認ください。

パソコンなどの情報通信機器や通信環境の整備が必要

電話のみでオンライン診療をすることは可能ですが、その場合、得られる情報は患者さんがおっしゃったことからしか得ることができず、診療が十分に行えない可能性があります。

パソコンやスマートフォン、タブレットなどにオンライン診療アプリをインストールしておくと、画面越しと言えどもお互い顔を合わせることができるので、得られる情報が多くなるだけでなく、診察の予約から決済までアプリ内で済ます機能があり非常に便利です。

ただし、これをパソコンやスマートフォン、タブレットなどの情報通信機器やインターネット環境などの通信設備の準備が必要です。

電子カルテや予約システムなどを連携

オンラインでの診察が終了したらカルテや電子カルテに診療録を記録しなければなりませんが、患者情報を探し記入もしくは入力するという作業は面倒な作業です。この課題を解決するためにオンライン診療アプリと電子カルテを連携しようとする動きがあります。

富士通は2020年度中に、電子カルテシステム上からのビデオ通話システムの起動や、受付患者一覧でのオンライン診療の患者管理、院外薬局や患者宅への処方箋送付できる機能を備えたサービスを提供すると発表しました。

オンライン診療はどんな方に貢献できる?

遠隔で診療や処方を可能にするオンライン診療。どのような方々の問題を解決できるのでしょうか。

新型コロナウイルスへの感染が不安で通院を控える方の医療相談

新型コロナウイルス感染症への感染が不安で通院を控えようとする方が増えています。基礎疾患を持っているにもかかわらず定期的な診察を受けず、薬を処方してもらわないと病状が悪化する可能性があります。このような方々にとってオンライン診療は診察を受けたり健康の相談をするのに便利なツールだと言えます。

定期通院しているが今は通院を控えたいという方

これまでは病院で定期的に診察を受け、薬局で薬を受け取るという流れが一般的でした。しかし、新型コロナウイルスへの感染を懸念して通院を控えたいという方もいらっしゃるでしょう。

また、へき地にお住まいで近くに医療機関がない、あるとしてもご自身の疾患をカバーするのは困難だという方もいらっしゃるかもしれません。

そういった方はオンライン診療サービスを利用して再診し、自宅まで薬を配送してもらうことで、感染を防止しながら、自身の健康管理が可能になります。

今後オンライン診療に期待できること

コロナ禍で大きく変化しようとしている医療においてオンライン診療はどのような問題の解決が期待されているのでしょうか。

通院する時間のない方や通院が難しい方への新たな選択肢

仕事が忙しくてなかなか病院にいく時間が取れないという方や、コロナが怖くて医療機関の受診を控える方が増えており、治療中の慢性疾患の進行や初期診療の遅れなど、様々な問題が発生しています。オンライン診療はこのような問題を解決する有効な手段と期待されています。

オンライン診療の課題

このように様々なメリットがあるオンライン診療ですが、様々な課題が残されています。

医療機関に加え患者側も情報通信機器の取り扱いが必要

オンラインでの診療を行う場合、医療機関側だけでなく患者さん側も環境を整えておく必要があります。現在、多くの方がスマートフォンを所持していますが、高齢者の方はこういった通信機器やインターネット環境のない状況で生活している方もいらっしゃいます。こういった方の健康管理を進めるためには、家族や地域の協力が必要でしょう。

聴覚や視覚のみと診療の情報が限られることによる誤診の可能性

オンライン診療での診察は対面の診察に比べて患者さんから得られる情報が少なくなるため誤診に注意が必要です。オンライン診療を実施する場合、医師がはできる限り過去の診療録や診療情報提供書、地域医療情報連携ネットワーク、患者の健康診断の結果などを使って患者さんの疾患の情報を把握した上で、診断や処方を行う必要があります。患者さんの情報が把握できない場合は、処方日数は7日間を上限とすること、また、オンライン診療では麻薬や向精神薬に加え、特に安全管理が必要な医薬品(いわゆる「ハイリスク薬」)の一部を処方してはならないことが定められています。なお、医師が電話や情報通信機器を用いた診療により診断や処方を行うことが困難であると判断し、診断や処方を行わなかった場合は、対面での診療を促したり、他の医療機関を紹介したりすることができます。

医療データ等個人情報のセキュリティ対策

オンライン診療を行うにあたり、利用する情報通信機器やオンライン診療システムを適切に選択し使用するために、個人情報やプライバシーの保護に最大限配慮し、使用するシステムやサービスに伴うリスクを踏まえた対策を講じる必要があります。

オンラインシステムを導入して新たな医療提供を

新型コロナウイルスの感染拡大により日本の医療のありかたが変わろうとしています。実際に、感染への恐れから病院やクリニック、薬局への来院数が減少し、その一方で、電話によるオンライン診療が増えています。

厚生労働省はこの状況を考慮して、オンライン診療の診療報酬の改定を行ったり、初診を含めた診察をオンラインで行えるように規制緩和を行っています。このような状況において、診察の予約から決済まで一元管理できるオンライン診療アプリの重要性、必要性は増すと考えられます。また、仕事が忙しくなかなか病院に行けないという方が依然として多く、このような方々の健康管理にもオンライン診療は一助となると考えられます。

この記事は、令和2年4月10日に発出された「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて(令和2年4月10 日事務連絡)」という資料に基づいて書かれていますが、状況は目まぐるしく変わっています。最新の情報はご自身でご確認ください。
参考文献
オンライン診療の適切な実施に関する指針
https://www.mhlw.go.jp/content/000534254.pdf, (参照2020-11-26)
情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)についてhttps://www.mhlw.go.jp/bunya/iryou/johoka/dl/h23.pdf,(参照2020-11-26)
情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)についてhttps://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000094451.pdf,(参照2020-11-26)
情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)についてhttps://www.pref.chiba.lg.jp/iryou/documents/enkakushinryou.pdf,(参照2020-11-26)
非対面診療の9割が電話、経験した医師の感想は:日経メディカル
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/report/t349/202006/565699.html,(参照2020-11-28)
電子カルテシステムと連携した「オンライン診療ソリューション」を順次販売開始https://pr.fujitsu.com/jp/news/2020/11/25.html,(参照2020-11-29)
「オンライン診療の適切な実施に関する指針」セキュリティ該当部分https://www.mhlw.go.jp/content/10803000/000504413.pdf,(参照2020-11-29)
令和2年度診療報酬改定の概要
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000691038.pdf,(参照2020-11-29)
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監修医師 木村眞樹子
現役医師、産業医 10年以上大学病院で臨床に従事、産業医として企業の健康経営にも携わる 2019年より医療ライターとしても活動している
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