真武湯ってどんな漢方?お腹の冷えからくる腹痛や下痢に効果的?気になる成分や副作用についても解説
更新日:2024年02月19日
別名玄武湯とも呼び、体力・抵抗力がともに落ち、代謝機能が低下したタイプの方に適した薬です。体をあたため、体の機能を高める働きがあり、水分の循環をよくしたり、痛みをやわらげる効果もあります。真武湯は冬に処方する機会が多くなる漢方です。
水の代謝を促し、身体を温める力の強い生薬で構成されている薬ですので、特にご高齢で冷えの強い方、その他慢性的に冷えがあり、尿が出にくく、下痢をしやすい、フワフワとしためまいがする、などの症状を改善するお薬です。
また、女性は男性より筋肉量が少ないので、冷え症になる傾向が強く、その冷えが原因となり不調をきたすことが少なくありません。漢方では、「冷え」も「未病」=病気になる前の段階と考え治療の対象とします。
季節と連動させたり、冷えの種類(体の芯から寒いのか、冷えの個所は手先や足先だけなのか等多岐にわたる)にも注意しながら処方をします。
真武湯はどんな漢方?
真武湯(しんぶとう)は、下痢症や腹痛などに処方される漢方薬に分類される医薬品で、『傷寒論』という医学書に収載されている薬方(方剤)です。
別名玄武湯とも呼び、体力・抵抗力がともに落ち、代謝機能が低下したタイプの方に適した薬です。体をあたため、体の機能を高める働きがあり、水分の循環をよくしたり、痛みをやわらげる効果もあります。真武湯は冬に処方する機会が多くなる漢方です。
水の代謝を促し、身体を温める力の強い生薬で構成されている薬ですので、特にご高齢で冷えの強い方、その他慢性的に冷えがあり、尿が出にくく、下痢をしやすい、フワフワとしためまいがする、などの症状を改善するお薬です。
また、女性は男性より筋肉量が少ないので、冷え症になる傾向が強く、その冷えが原因となり不調をきたすことが少なくありません。
漢方では、「冷え」も「未病」=病気になる前の段階と考え治療の対象とします。季節と連動させたり、冷えの種類(体の芯から寒いのか、冷えの個所は手先や足先だけなのか等多岐にわたる)にも注意しながら処方をします。
真武湯が合うタイプの方は全身の陽気(体を温める力)が不足して、顕著かつ慢性的な冷えがあり、口渇はなく、あまり水分を欲しがらない、咳痰・動悸・下痢や腹痛など、様々な水毒症状が見られる場合に用います。
漢方医学では、私たちの体は「気・血・水」の3つの要素で構成されていると考えられており、これらが不足したり、滞ったり、偏ったりしたときに、不調や病気、障害が起きてくると考えられています。
真武湯(しんぶとう)は、漢方方剤の中でも下痢症や腹痛などに処方される薬として知られており、主に、冷え傾向が強く、体力も弱っているため、体内の水を温める力が弱く、尿としてうまく排泄できなかったり、便がゆるくなり下痢などにつながってしまう「水滞」の症状に適しています。
自分の体質に合った漢方はどうやって選ぶの?
病院で血液検査などをする際に、からだの状態を表す基準となる数値があるように、漢方(東洋医学)にも独自の理論に基づいた体質の診断方法があります。
体質の事を「証」と表し、体力の有無や不調の勢いを「虚実」という言葉で表現するなど、独特な言い回しの多い漢方医学ですが、顔色を見たり、声の大きさを聴いたり、症状、普段の生活習慣などを問診した結果に基づいて、患者さん自身の情報を集め必要な薬を選ぶのが基本です。
その情報集めに必要な診断法を「四診」(ししん)と呼び、これにより、もともとの体質だけでなく現状の身体の状態をも大まかに把握することができます。四診とは次の4つの方法で行います。
「望診」(ぼうしん・・・視覚を使い、実際に顔色や皮膚の状態などを見て体調を把握する方法)
「聞診」(ぶんしん・・・聴覚や嗅覚を使って体調を把握する方法。例えば声の大きさ、口臭、体臭、排泄物の匂いで体調を把握する方法)
「問診」(もんしん・・・不調の経緯や現在の様子を質問して聞き出す方法)
「切診」(せっしん・・・実際に体表に触れて状態を把握する方法。脈をとる、腹部を触るなど)
これらを「四診」と呼び、様子を観察し、病状や既往等を質問し、時には匂いを嗅ぎ、身体に触れることで、その人の情報を集めて東洋医学的なふるいにかける事で体調や症状を把握し、薬(漢方薬)を選ぶことができます。
ご自身でも、健康状態を把握するためにチェックできる事があります。尿の色や回数、鼻水の色や質感をチェックしてみましょう!自分の身体が冷えているか、熱を持っているのかをチェックする方法は、鼻水や痰、尿の色などで判断することができます。
尿や鼻水、痰などに黄色などの色がつく、質感が粘調または匂いのきつい便が出る=体に熱を持っている
尿や鼻水、痰などに色がつかず、透明でさらさらしている、水様性の下痢で匂いがあまりない=体が冷えている
漢方では上記のように、排泄物の色や質感、匂いを参考にすることが多々あります。
時には舌苔(舌についた苔)の色も判断の情報にすることもあります(例:舌苔の色が黄色っぽい=体内の熱が強いと判断)もちろんそれだけでは診断できない事もありますが、普段からご自身の舌の状態やお手洗いの回数、尿の色などを把握していると、変化があった時に判断しやすいので、是非普段からチェックするようにしてみてください。
真武湯にはどんな成分が含まれている?
この薬は漢方薬で、5つの生薬から構成されています。
茯苓(ブクリョウ)、 芍薬(シャクヤク)、 白朮(ビャクジュツ)または蒼朮(ソウジュツ)、生姜(ショウキョウ)、 附子(ブシ)で構成されています。(製薬メーカーによって、白朮(ビャクジュツ)、蒼朮(ソウジュツ)違いあり。蒼朮を使用していることが多い)
漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。
真武湯は、「冷え」や「水滞」に有効な生薬で構成されているので、身体を温める作用を持つもの、水分代謝を良くする生薬が多く含まれています。
真武湯の主薬の“附子”は熱性(体を温める作用を持つ)の代表的な生薬で、痛みをとり、また水分循環を改善します。
そのほか、余分な水分を取り除き胃腸機能を補助する“茯苓”と“蒼朮”、痛みをやわらげる“芍薬”、健胃作用のある“生姜”などが配合されており、これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。
冷えからくる腹痛や下痢に効果的?
真武湯の適応症としては以下があげられます。
体力虚弱で、冷え、疲労倦怠感があり、ときに下痢、腹痛、めまいがあるものの次の諸症 下痢、急・慢性胃腸炎、胃腸虚弱、めまい、動悸、感冒、むくみ、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみ・特に足腰が冷え、手足が冷たく体が冷えて寝付けない等、胃腸が弱い方の下半身のだるさ
加齢や慢性疾患等により、体力虚弱で、冷え及び疲労倦怠感があり、ときに下痢、腹痛、めまいなどを伴う方の、急・慢性胃腸炎などの胃腸疾患、胃腸虚弱・同様に、上記に伴うむくみ、皮膚炎(老人性乾燥肌)
全身や四肢の冷えが顕著で、めまい感、動悸、むくみを伴う場合
虚弱体質者の風邪、感冒
(第2類医薬品、サンワロンS「真武湯」、JPS製薬 「真武湯」、ツムラ医療用医薬品「真武湯」※ツムラ30番の添付文書より一部抜粋)
「冷え」+「水分代謝の低下による不調」(下痢、むくみ、腹痛、めまいなど)と考えると良いでしょう。
足腰のだるさなど下半身の症状を伴う場合、また、一般的に喉が痛んだり、寒気がしたり、身体がだるいなど、風邪の初期の症状がある場合も適応となります。
漢方って副作用はあるの?真武湯の服用方法や注意点、副作用について
服用方法
漢方は人体に優しく、副作用が比較的少ないと言われていますが、体質に合わない場合は副作用と同等の人体に取って好ましくない作用をもたらすことがあります。
漢方製剤の服用に不安がある場合は医療機関や専門家(医師、薬剤師、登録販売者等)に相談するようにしましょう。
また、服用する際は用法・用量を守って使用するようにして下さい。
(成分)本品1日量…6包(1包 0.75g) 中 (用法・用量)次の1回量を1日3回食前又は食間に服用すること。大人(15才以上) 1~2 包15才未満…服用しないこと
注意点
医師の治療を受けている人、妊婦または、妊娠していると思われる人、のぼせが強く赤ら顔で体力が充実している人、これまでに薬により発疹、発赤、蕁麻疹、かゆみ等を起こしたことがある人は注意が必要です。
医師や薬剤師、または登録販売者に相談をしてください。また、一定期間服用しても、症状が良くならない場合は、使用を中止し、医療機関を受診することをおすすめします。
薬には効果(ベネフィット)だけでなく副作用(リスク)があります。このために、この薬を使用される患者さんの理解と協力が必要です。(「サンワロンS 真武湯」の添付文書から一部抜粋。メーカーによって用法・用量が異なる場合がありますので、必ず確認してください。)
購入するには?
処方箋を取り扱う保険薬局(医療機関で医師の診断により処方を受けた場合)や街のドラッグストア、漢方薬専門の相談薬局、薬店等で購入することができます。(一部製薬会社の会員店のみの取り扱い製品など、一般のドラッグストアでは購入できない商品もあります。)
また、第1類、第2類、第3類のすべての一般用医薬品は、一定の条件の下、インターネットや電話などで販売できるようになりました。ただし、使用に特に注意が必要な「要指導医薬品」は対面販売に限ります。
また、一般用医薬品であっても、製薬メーカーによっては、インターネット販売を禁止しており、対面販売のみに限定しているものもありますので、ご了承ください。
※購入時に専門家からの情報提供を受ける必要がある場合があります。
価格は?
サンワロンS 真武湯 90包 しんぶとう 三和生薬 ※第2類医薬品 価格帯3,620円~4,620円(税抜)
JPS漢方-82 真武湯(しんぶとう) 90包 ※第2類医薬品 価格5,330円~
玄武湯(げんぶとう)エキス細粒M48包 松浦薬業 ※第2類医薬品 3,800円(税抜)
クラシエ玄武温陽エキス顆粒A 30包(げんぶおんよう)※第2類医薬品 3,000円(税抜)
漢方製剤の価格は、内容量、服用回数・剤型など各製薬メーカーにより異なり多少ばらつきがあります。
ネット販売、店頭によっても価格は異なりますので、大まかな目安としてご参考にしてください。
最近ではオンライン診療を行っている病院も増えており、誰でも気軽に相談できるという状況が生まれています。
オンライン診療は、
・受付や会計の待ち時間が短縮される。
・自宅や外出先で診療が受けられる。
・院内処方の場合くすりが自宅に届く。
・院内感染・二次感染のリスクがない。
などのメリットがあり、非常に便利なサービスです。
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周辺への感染の可能性を配慮して外出を控えたいやその他事情により、病院に行くことが難しい場合は、オンライン診療を検討してみてはいかがでしょうか。
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