AGA(男性型脱毛症)って何？ 原因や治療薬、治療法について徹底解説

AGAは男性ホルモン型脱毛症（男性型脱毛症）のことで、AndrogeneticAlopeciaを略したものです。男性型脱毛症は、成人男性に見られる進行性の脱毛症であり、頭頂部や生え際の髪の毛が少なくなります。

AGAは遺伝することが多い傾向にあります。

同一の遺伝子を持つ一卵性双生児に実施した研究によると、運動の有無や食べ物の好き嫌いに違いがあり、生活習慣が異なる場合でも、髪の毛の変化については大きな違いは見られないということが分かりました。

また、薄毛の約8割は遺伝によって起こるとも考えられています。

上述のように、薄毛には遺伝的要因があることが分かっています。最大の要因は、AGAと密接に関係しているホルモン受容体遺伝子であり、ホルモン受容体がジヒドロテストステロンと結びつくことで、AGAの発症・進行に繋がります。

ホルモン受容体の数には個人差があり、数が多い方ほどAGAを発症しやすくなります。ホルモン受容体の数は遺伝するため、薄毛についても遺伝することは珍しくありません。

薄毛は遺伝するって本当？AGAが発症する原因や対策方法を解説

生活習慣の乱れによって薄毛が起こります。生活習慣が乱れると心身にストレスがかかるため、思い当たる方は生活習慣を改善することをお勧めします。

また、髪の成長や発毛は寝ている間に起こるため、睡眠不足によって薄毛に繋がる場合もあります。睡眠不足が続いている方は、要注意です。

適量の飲酒であれば、肝臓でアセトアルデヒドは害の無い酢酸に分解されますが、過度な飲酒をすると分解されずに体内を巡ります。

そして、体内を巡るアセトアルデヒドによってジヒドロテストステロン（AGA男性型脱毛症の代表的な原因）が増え、薄毛を引き起こします。

喫煙によって男性ホルモンの濃度が高くなるとされています。そして、AGAを引き起こす「ジヒドロテストステロン（DHT）」の濃度も上がるため、注意が必要です。タバコを吸わない方と比べると、濃度が14%高いという報告もあります。

誤ったヘアケアによってもAGAが進行します。特に、ケアが足りなかったり頭皮を刺激し過ぎたりすると、薄毛が大きく進行する恐れがあります。

例えば、過剰なシャンプーで頭皮を洗い過ぎるのは、かえって良くありません。「シャンプーの回数は1日1回が良い」と複数の専門家が提唱しています。頭皮を洗い過ぎると自然な保湿バランスが乱れ、抜け毛が悪化するリスクがあります。

また、スタイリング剤の洗い残しにも注意が必要です。スタイリング剤を洗い流さずに寝てしまうと、頭皮の毛穴が塞がり、抜け毛に繋がる場合があります。スタイリング剤は当日中にしっかりと洗い流すことが大切です。

AGAは、ジヒドロテストステロンによって髪の毛がしっかりと発育せず、ヘアサイクルが乱れることで起こります。ヘアサイクルとは、髪の毛が生えてから発育して伸びていき、抜けて新しい髪の毛が生えるまでのサイクルのことで、「成長期」「退行期」「休止期」の3つに大別されます。なかでも成長期が一番長く、約2～6年継続します。成長期には毛母細胞の分裂が盛んになり、髪の毛が太く長く発育します。成長期が終わると、髪の毛の発育が止まる「退行期」が訪れます。退行期は約2～3週間継続し、その後は髪の毛が抜ける休止期に移行します。休止期では毛根が浅い場所にあり抜けやすく、毛穴の深部で発育が始まった新しい髪の毛が押し出すことで古い髪の毛が抜けます。

AGAを発症すると、ヘアサイクルの成長期が短縮されます。成長期が短縮されると、髪の毛がしっかりと発育せずに退行期・休止期に進んでいくため、徐々に新しく生える髪の毛よりも抜け毛の方が増加していきます。

一般的に私たちの髪の毛は毎日50～100本抜けるとされています。

また、季節が変わる時期は抜け毛が一時多くなり、1日150～200本程度抜ける場合もあります。

抜け毛の本数がこれ以上担っている場合は、経過を注視しましょう。

抜け毛が多くなったと感じる方は、抜け毛の状態を確認することをお勧めします。

健康な髪の毛は、毛根が丸くマッチ棒に似た形になっていますが、AGAになっていると丸い膨らみが見られず、1本の棒のような直線状になっている場合があります。

AGAになると抜け毛の量が多くなる他、髪の毛1本1本は細くなり、全体的な髪のボリュームが少なくなります。

・髪をセットしても短時間でぺたんこになる

・ヘアセットが難しくなってきた

・地肌が透けて分かるようになった

ヘアサイクルが乱れると、髪の成長期が短くなって髪が細くなります。

AGAの方の頭皮には、フケや赤みがよく確認されます。

また、皮脂が分泌され過ぎている方もいれば、逆に分泌が足りないという方もいらっしゃいます。

生え際が後ろに下がるのも、AGAの典型的な症状の一種です。

AGAでは、髪の毛が薄くなっている場所から進行度合いを確認できます。生え際が後ろに下がるのは、AGAの発症初期から確認できる症状です。

治療を受けずにいると生え際の後退が進行し、次第に頭頂部の髪の毛も少なくなっていきます。AGAの症状が悪化すると、つむじや頭頂部の毛も少なくなり、地肌が透けて分かるようになります。

髪の毛は食べ物から摂取する栄養によって発育するため、薄毛を解消するには栄養バランスが取れた食事にすることが効果的だと言われています。特に、下記に注意して食生活を改善しましょう。

・栄養バランスが偏らないように、なるべく外食は控える

・タンパク質を摂る：魚、肉、大豆、卵、牛乳、チーズなど

・ミネラルを摂る：納豆、小魚、ナッツ、牡蛎、海藻など

・ビタミンを摂る：フルーツ、野菜、うなぎ、レバーなど

・糖質や脂質が豊富に含まれるインスタント食品や外食、甘いお菓子やジュースをできるだけ摂取しない

過度な糖質や脂質が含まれる食事を摂取すると、毛穴が塞がり頭皮環境が乱れるため、薄毛が起こりやすくなるとされています。栄養バランスが乱れやすいインスタント食品や外食はできるだけ控え、なるべく自炊することをお勧めします。

特に、ミネラル、ビタミン、タンパク質が豊富な食品を意識して食べることで、正常な髪の毛の成長を促進するとされています。

十分な睡眠時間の確保は、ホルモンバランスをコントロールし、ストレスの発散に有効です。早寝早起きをする、1日6～7時間は睡眠する、就寝前はゆったりと過ごすなどを意識しましょう。

睡眠の質が下がるため、就寝前にスマホやテレビを見ることは避けることをお勧めします。また、ストレッチや読書などで心身を落ち着かせることで、すぐに眠りにつけるようになります。

非常に多忙な方でも、髪の発育と心身の健康のために睡眠不足にならないようにしましょう。

飲酒が薄毛に直結するわけではありませんが、アルコールが肝臓で分解される際に大量のアミノ酸を使うため、アミノ酸を栄養分とする髪の毛の発育が妨げられます。

また、喫煙によって血流が悪化するだけでなく、男性ホルモンが活発になることで、AGAの進行が加速すると言われています。飲酒・喫煙は、髪の毛の発育を妨げるため、薄毛にお困りの方は禁酒・禁煙を心掛けましょう。

ストレスによってホルモンや自律神経のバランスが崩れ、皮脂の過剰分泌や血流の低下、睡眠不足などに繋がります。こうした症状は髪の毛の発育を妨げるため、薄毛になるリスクが上がります。

ストレスをなるべく溜め込まない、適度にストレスを解消することが薄毛を防止する上で重要です。具体的には、非常に緊張するお仕事や厄介な人間関係をなるべく避け、ストレスがかからないように気を付けましょう。また、休日や平日の夜は、友人や家族との時間を過ごしてリラックスしたり、運動や趣味に興じたりすることもお勧めです。

ストレスによって髪の毛の発育に悪影響が及ぶ他、心身の健康への悪影響も懸念されます。ストレスを抱えてしまいやすい方は、日々の生活からストレスを解消できるように心掛けましょう。

AGA治療は本当に効果あるの？治療方法や効果が出るタイミングについて解説！

フィナステリドは、髪の毛を衰えさせて抜け毛を引き起こす男性ホルモンをブロックすることで、薄毛の進行を阻止する作用を持ちます。

「フィナステリド錠」には、AGA治療薬として日本で初めて登場した「プロペシア」と同じような成分が入っており、効果が承認されているジェネリック医薬品です。

2015年に国内で認可が下りたことで、昨今は複数の医薬品メーカーが取り扱っています。過去にAGA治療でプロペシアなどの治療薬を長期的に使っていた方にとっては、後発医薬品が登場したことで治療費の負担が少なくなりました。

AGA治療はフィナステリドだけで十分？フィナステリドのみで得られる効果について解説

ミノキシジルは高血圧治療薬（降圧薬：血圧を低くするお薬）の主な成分の一種で、血管を広げて血圧を低くする効果を持ちます。ミノキシジルを長期的に使っていたほとんどの方に多毛の症状が起こったため、薄毛治療への活用が期待され、その後育毛剤としても用いられるようになりました。

通常、内服薬は医師の処方が欠かせない医療用医薬品です。体内（血中）からお薬の効果が現れるため、外用薬よりも有効だと考えられています。

外用薬は、ミノキシジルの成分濃度が最大5％（女性用育毛剤の市販品は1％濃度）のお薬でしたら、通販やドラッグストアで手に入れられます。5％濃度の外用薬として、大正製薬の「リアップ」やファイザー社の「ロゲイン」などが有名です。

なお、ミノキシジル成分が5％以上（女性用は1％以上）含まれる濃度が高い外用薬は、医療機関でしか処方していません。

AGAが進行していない後頭部から健康な毛を皮膚組織ごと採取し、AGAの患部に移植する外科手術を「自毛植毛術」と言います。

生着率が高いため、AGAが原因の薄毛の解消にも役立つと考えられており、「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版（以下、ガイドライン）」によると、男性の推奨度が「Bランク（行うよう勧める）」とされています。なお、治療費が高くなることが多く、痛みや外科手術による複数の合併症などの恐れがあります。

手術が不要で、レーザーや注射などによって治療部位に有効成分を直接投与する治療法が、メソセラピーです。

最近では、メソセラピー治療は複数の治療で実施されています。毛髪治療の他、スポーツによる怪我、関節炎などの治療、さらには美肌、リフトアップ、痩身、にきび、セルライト除去などの美容医療でも使われています。

「メソセラピー」ってどんなAGA治療方法？？特徴や効果、副作用について解説

AGAの症状は時間が経つと進んでいくため、放っておくとさらにひどくなります。しかし、発症初期の症状なら早期に治療を行うことで早期回復が見込めます。また、AGAが進行してから治療を始めると、治療前後の髪の毛の量が変わることを心配する方もいらっしゃいます。そのため、こうした事態を防ぐためにも、なるべく早めに治療を受けることが大切です。

抜け毛や薄毛に困っていても、多忙でなかなか治療を受けられないという方は、AGAのオンライン診療を受けることを推奨します。職場やご自宅から予約・診察ができますので、一度ご検討ください。

このページでは、AGAの発症原因や治療方法、予防策などを説明いたしました。

AGAは進行性の疾患ですので、一度発症すると最適な治療を受けない限りどんどん進行するとされています。

AGAになったかもしれないと思う方は、なるべく早めに治療を受けることが重要です。

抜け毛や薄毛でお困りごとがあれば、遠慮なくご相談ください。

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