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オンライン診療のガイドラインは?厚生労働省の指針や新型コロナに伴う変更点などを紹介

監修医師 木村眞樹子
2021年01月25日
オンライン診療という言葉を聞いたことがありますか?オンライン診療によって自宅にいながら医師の診療などの医療を受けることができるので外来診療、在宅診療についで新しい医療の形、診療方法として注目を集めています。今回はオンライン診療のガイドラインと新型コロナウイルス感染症の拡大による需要の増加や変更点などを解説します。

オンライン診療ってなに?

オンライン診療は、スマートフォンやパソコンなどの情報通信機器を利用して遠隔で医師が診療を行う診療方法です。遠隔診療やオンライン診療では患者さんが自宅にいながら医師の診察を受けるという特性から離島やへき地などの医療が不足している地域などに住んでいても医療を受けることができるメリットがあります。また、精神的な理由や身体的な理由などで医療機関へ行くことが難しい患者さんにも医療を提供することができるのもメリットです。
その他にも、自宅で診察を受けられるため移動時間や待ち時間の削減にもなり、仕事や育児に忙しい方にも医療を受けやすいというメリットがあります。情報通信機器の普及やIT関連の技術の進歩によってこれからオンライン診療の需要が増えると予測されます。

オンライン診療の適切な実施に関する指針(ガイドライン)とは

オンライン診療を適切に行うために厚生労働省が定めた指針(ガイドライン)が存在しています。
ガイドラインでは、患者側の希望が必須で医師、患者側の双方の合意が必要で、診療計画書を作成する必要があります。オンライン診療では得られる情報量が対面診療に比べると少ないため医師が正確な診療をおこなうことが難しいというデメリットがあり、適切な診療を行うために指針(ガイドライン)が必要とされました。
オンライン診療の指針(ガイドライン)は厚生労働省のホームページで確認できます。

新型コロナウイルス感染症拡大により一部基準が緩和

新型コロナウイルス感染症拡大に対応するため、2020年4月10日に厚生労働省はオンライン診療の一時的な規制緩和を行いました。従来の指針では様々な規制がありましたが、自宅で医療が受けられるオンライン診療を行うことで人との接触を減らすことができ、新型コロナウイルスの対策にもなると考えられます。

従来のガイドライン

従来の指針(ガイドライン)にはオンライン診療を行うための様々な規制がありました。
基本的にスマートフォンやパソコンを用いたビデオ通話による診察しかできず、電話での遠隔診療は認められていませんでした。このようにオンライン診療(遠隔診療)には様々な規制があります。

初診は原則として対面診療を行う

従来の指針(ガイドライン)では初診の患者は原則的に医師による対面診療を行うことが必要です。対面診療が必要な理由としてオンライン診療は対面診療と比べると診断に必要な情報量が少ないことがあります。また、別疾患が見つかり新しく薬を処方する場合にも医師による対面診療が必要とされ、正確な診断をするためにも対面診療が必須とされました。

禁煙外来や緊急避妊に係わる診療は例外

オンライン診療の初診は原則的に対面診療でしたが、例外も存在します。禁煙外来と緊急避妊に関わる診療では対面診療を必要としません。禁煙治療に関わる医療は大きな副作用が報告さていないこともありますが、禁煙をしない場合には、生活習慣病やがんなどの様々な疾患のリスクを上げます。そのため、リスクの低さと禁煙によるメリットからオンライン診療の初診が認められています。
緊急避妊については患者さんの精神的なケアやデリケートな問題から初診からのオンライン診療や遠隔診療が認められています。

慢性疾患など病状が安定している場合にのみ行われるべき

オンライン診療では、対面診療に比べると得られる情報が少なく検査もできないため正確な診断が難しく、外科的な処置もできないため緊急性の高い疾患にも向いてないといえます。
そのため、オンライン診療は症状の安定している慢性疾患に対しておこなうことが望ましいとされています。

離島・へき地など直接の対面診療困難な場合

オンライン診療は、患者さんが自宅で医療を受けることが受けることができるメリットがあります。
そのため、以前の厚生労働省が定めたガイドラインではオンライン診療は離島やへき地などの医療が不足している地域や様々な事情のために医療機関での診療や対面診療が困難な場合など通常では医療を受けることが難しい患者に認められていました。
スマートフォンが普及してからはオンライン診療は、医療が不足しているへき地などの一部地域だけでなく一般の患者さんにも受けられるようになりました。

新型コロナウイルス拡大により厚生労働省が緩和した事項

新型コロナウイルス感染症拡大の対策のため厚生労働省はオンライン診療の規制緩和しました。規制緩和は一時的なものとされていますので従来のガイドラインに戻る可能性もありますが、規制緩和によってオンライン診療の普及が進むと予想されます。

初診患者でのオンライン診療の対応可能

従来のガイドラインでは、初診の患者さんは原則的にオンライン診療を受けることができませんでした。オンライン診療を受けるために初診では対面診療を行い、医師の判断と患者さんとの合意によってオンライン診療ができました。
しかし、規制緩和によって初診の患者さんにもオンライン診療を受けられるようになりました。

オンライン診療の研修を受けていない医師でも可能

医師がオンライン診療を行うたためには規定の研修を修了している必要がありました。しかし、規制緩和によってオンライン診療の研修を受けていない医師もオンライン診療をおこなえるようになりました。

テレビ電話のみならず電話での診察が可能

オンライン診療は基本的に電話での診療は認められておらずビデオ通話での診察が原則でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大によって規制緩和がされて電話での診察も可能となりました。
高齢者の患者さんの中には情報通信機器の取り扱いが困難な場合もあり、電話しか取り扱えないという方も多いです。
電話で診察が受けられることは幅広い患者さんに自宅で医療が受けられるメリットがあります。

病院やクリニックから薬局へ処方箋を送信

オンライン診療で医師の診療を受けた後に薬が処方された場合には病院やクリニックなどの医療機関から薬局へFAXなどで処方せんを送信されます。薬局で薬を受け取るためには原則として薬剤師の対面での説明を受ける必要がありましたが、規制緩和によってビデオ通話や電話などで説明を受けた後に薬を配送してもらうことができるようになりました。

診療報酬改定も医療機関への導入を後押し

令和2年度の診療報酬改定によって「オンライン診療料」「オンライン医学管理料」が新設されました。診療報酬改定によって医療機関にもオンライン診療の導入にもメリットがあります。診療報酬改定によってオンライン診療の普及が進むことが予想されます。
診療報酬については2年ごとに改定されるので今後の動向には注目した方がいいでしょう。

薬局でも処方された医薬品情報をオンラインで指導する医療体制が広がる

クリニックや病院のオンライン診療が注目されますが、薬局にもオンライン化の普及が起きています。
原則として薬局でお薬を渡すためには薬剤師の対面での説明が必要とされていました。しかし、新型コロナウイルス拡大に対応するため厚生労働省は薬局にもオンライン服薬指導の規制緩和がおこなわれるようになりました。
オンライン服薬指導とは、オンラインを利用した薬剤師による医薬品情報の提供を指します。オンライン診療によって医師の診療を受けた後に薬が処方されてから処方せんが患者さん希望の薬局にFAXなどで送信されます。処方せんを受けた薬局の薬剤師が電話による通話や情報通信機器のビデオ通話などで医薬品情報の説明を行います。これまで薬局で受け取っていた医薬品は自宅へ配送されます。
病院やクリニックなどの医療機関でも診療報酬改定によってオンライン診療にも報酬が出るようになりましたが、薬局にも医療機関での診療報酬にあたる調剤報酬改定によってオンライン服薬指導にも報酬がでるようになりました。
薬局でのオンライン服薬指導が普及することでスマホ一台で医師の診察や薬局でお薬の受け取りなど医療が自宅で完結します。

対面診療とオンライン診療を組み合わせた新たな体制が必要

オンライン診療と対面診療は、それぞれにメリットとデメリットがあります。
オンライン診療では、スマホやパソコンなどの情報通信機器などでビデオ通話を使うことで自宅で医師の診察を受けることができるので医療機関への移動時間や待合室などの待ち時間などを削減できたり、人との接触時間を減らすことができるため新型コロナウイルス感染症対策にもなるメリットがあります。
しかし、外科的な処置ができないため緊急性の高い疾患には向いておらず、ビデオ通話や電話による音声通では対面診療に比べると得られる情報量も少なく、検査もできないため正確な診断することが難しいというデメリットもあります。
オンライン診療をおこなうことでメリットもありますが、必要に応じて対面診療に切り替えることができる医療体制を構築することが重要です。
参考文献
https://hnavi.co.jp/knowledge/blog/online-medical/
https://topcourt-law.com/current-events/online_medical_treatment_law#i-7
https://online-m.org/wp-content/uploads/113197d6e59f52ce24c027acb765efcd.pdf
https://www.sumahoshin.or.jp/lab/online-medicalcare/point/
https://medixs.jp/knowledge/knowledge_34.php
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監修医師 木村眞樹子
現役医師、産業医 10年以上大学病院で臨床に従事、産業医として企業の健康経営にも携わる 2019年より医療ライターとしても活動している
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